幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

山本精一&PHEW  『幸福のすみか』

山本精一PHEW 
Phew & Seiichi Yamamoto 
『幸福のすみか』 
shiawase-no-sumika 


CD: WAX/TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD. 
TKCH-71454 (1998年) 
¥2,800(定価)(税抜価格¥2,667) 

 

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帯文: 

「歌の力、声の力、言葉の力、メロディーの力を実感する 
儚くて、不可思議で、美しい傑作アルバム。」
「ライナー入り! 
解説:松山晋也


1.鼻 
2.飛ぶひと 
3.まさおの夢 
4.ロボット 
5.バケツの歌 
6.そのうち 
7.そら 
8.幸福のすみか


SEIICHI YAMAMOTO: guitar, bass, percussions, vocal 
PHEW: vocal 

Takashi Ohgushi: drums, percussions 
Hiroyuki Nagashima: synthesizer (track 8) 

all music by SEIICHI YAMAMOTO 
all lyrics by PHEW 

produced by SEIICHI YAMAMOTO

recorded at 
OMEGA SOUND by TETSUYA KOTANI 
STUDIO LAUGH (2,3,4,5,6,7,8) by WATARU SAKAMOTO  
GE STUDIO (4,5,6,8) by HIROYUKI NAGASHIMA 

mixed at 
JAPAN OVERSEAS STUDIO by TAKAYUKI IWASAWA 

mastered at 
HEART BEAT STUDIO by AKIHIKO TAKENAKA 

art direction and design by TAKASHI MIYAGAWA 
photo by HIROMI WAKUI 


◆本CDライナー(松山晋也)より◆ 

「フューと山本は、ここ2~3年、徐々に、確実に、シンプルな世界に引き寄せられてきたように思う。フューは、95年に久々のソロ・アルバム『秘密のナイフ』を発表し、ある種の簡潔さや力強さを伴った新しい視線を我々に示してくれたが、翌96年には、山本や大友良英たちとのユニット〈NOVO-TONO〉による『パノラマ・パラダイス』のポップなサウンドの中で、その新しい視線をより強化させたように思う。一方の山本の場合はもっと明瞭だ。(中略)〈NOVO-TONO〉で初めて自ら素朴な歌を披露したのに続き、97年には、ポップ・ソングをやるためのユニット〈羅針盤〉のデビュー・アルバム『らご』を発表、全編これ紛うことなきポップ・ソングだけで通し、高い評価を得た。そして今、二人のシンプリシティの更なる探求の結果として、この『幸福のすみか』がある。
 本作の誕生の経緯についてフューは「〈NOVO-TONO〉のレコーディング後、(もっともっと)とことんシンプルな歌をやりたくなったからです」と答える。(中略)実際の作業は、昨年11月末に、大阪のスタジオでのベーシック・トラック作りから始まり、トータルで延べ60時間ほどが費やされた。まずフューが歌詞を書き、山本が曲をつけた。音作りは完全に山本が担っているが、「二人の嗜好はほぼ同じなので、私が特に注文をつけることもなかった」(フュー)という。」


◆本CD収録曲歌詞より◆ 

「空腹でもなく満腹でもなく
眠くもなく目覚めきってもいない
暑くもないけど寒くもない
楽しくもなく怒っているわけでもない
疲れてもいないし元気でもない
快適でもなく不快でもない
しあわせでもなくふしあわせでもなく
何もしたくないけどどうしていいのかわからない」
「夢をみたいけど見たい夢がない
もう生きていたくないけれど死にたくもない」
「決めた今日からわたしは鼻を見る
見つめず薄目でまっすぐ鼻を見る
決めたいまからわたしは鼻を見る
見つめず薄目でまっすぐ鼻を見る」
(「鼻」より)

「飛ぶひとはおちる
おちるひとはさらにおちる
さらにおちていつか沈む
沈んで沈んでやがて埋もれる
ごみにくずにかすに
泥にまみれそしてほろびる」
「飛ぶ人間はおちる
たとえいちど飛べたとしても」
「だからならばそれならば
ここでじっとしていようか
いいえそれならどうせなら
ここから誰かと逃げ出そう
それから」
「逃げて自分をどこへ運ぼう」
(「飛ぶひと」より)

「けれど
ひとのあいだにあって人間
ならば
人間でないひとりのまさお」
「まさおはひとり
ひとりでうまれた
まさおはいきもの
にんげん以外の」
(「まさおの夢」より)

「昔は音楽が好きだった
いまは髪の毛が大好き」
(「ロボット」より)

「こんな毎日もう愛もない
こんな生活もう夢もない」
「くらすぎる部屋で出口をさがす
病気のふりする元気もない」
「鉄は錆びるガラスは割れる
花は枯れるひとはこわれる
ゼロにむかって高まる旋律
くらがりの朝に死人がはびこる」
「はるか昔に捨てられた子供が
けさ蘇る夢よりもはやく
はるか彼方に置いてきた子供が
けさ歌う夢よりも遠くで」
「赤いバケツをどうぞ
青いバケツをどうぞ
黄色いバケツをどうぞ」
「頭の吐き気ひざの眩暈
息する度に遠のく天井」
「血と汗は塩辛い
還るべきところは海です
骨と肉は間違いだ
地中深く埋めましょう」
「赤いバケツをどうぞ 
青いバケツをどうぞ 
赤いバケツをどうぞ 
青いバケツをどうぞ」
(「バケツの歌」より)

「うろこうろこうろこうろこうろこうろこ」
「うろこがはえてくるうろこがはえてくる」
(「そのうち」より)

「どこからでもはじまり
どこでもおわることができ
どこまでもひろく
どんな道もたどりつかない」
「どんなときにも
どんなひとのうえにも
わけもなく
ただひろがっている
そこにあるだけがすべての
けれど決してとどかない」
「春夏秋冬あさひるばん
さまざまに表情をかえながら
春夏秋冬あさひるばん
さまざまの出来事を照らし隠し」
「なに包みこまず
なにも投げださず
進むばかりの時を
はばむこともなく」
「空間のそと
時間のそと
見上げれば
いつもそこにあったはずが」
「いつでも見ることができ
けれど決してさわれない」
「光のなかを
歩いたのは
いつだったのか」
(「そら」より)

「花のようにわたしは愛する
まわりの空気を」
(「幸福のすみか」より)


◆本CDについて◆ 

デジパック仕様。ブックレット(蛇腹六つ折り)にトラックリスト、歌詞、クレジット/カラーイラスト。カード(2頁)の片面にライナー「生きものであることの幸せ、そして不幸せ」(松山晋也)。

これは名作ですが、とりわけ「バケツの歌」と「そら」がすばらしいです。

★★★★★ 


Phew & Seiichi Yamamato - Shiawase no Sumika

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