『André Caplet: Conte fantastique / Septuor / Les prières』
Ensemble Musique Oblique
CD: Harmonia Mundi France
HMC 901417 (1992)
Made in Germany
発売元: 株式会社キングインターナショナル
KKCC-177 (1993)
アンドレ・カプレ(1878~1925)
André Caplet
1. 赤い死の仮面(エドガー・アラン・ポーによる幻想的物語)
~ハープと弦楽四重奏のための 17:08
Conte fantastique, pour harpe et quatuor à cordes
d'après Edgar A. Poe, "Le Masque de la mort rouge"
(Histoires extraordinaires)
3つの祈り~ソプラノ、ハープ、弦楽四重奏たのめの
Les prières, pour chant, harpe et quatuor à cordes
2. 主の祈り 3:29
Oraison dominicale
3. 天使の挨拶(聖母讃歌、アヴェ・マリア) 1:21
Salutation angélique
4. 使徒信条 4:22
Symbole des apôtres
2つのディヴェルティメント~ハープのための
Divertissements, pour harpe
5. フランス風に 4:26
A la française
6. スペイン風に 5:30
A l'espagnole
2つのソネット~ソプラノとハープのための
Deux sonnets, pour soprano et harpe
7. いつの日私は目にできようか、ああ!(デュ・ベレー詩) 1:10
"Quand reverrai-je, hélas !..." (Du Bellay)
8. その投げた矢は優しかった(ロンサール詩) 2:27
"Doux fut le trait" (Ronsard)
9.七重奏曲~女声3重唱と弦楽四重奏のための 14:24
Septuor "à cordes vocales et instrumentales"
(Pour trois voix de femmes et quatuor à cordes)
シャロン・コスト(ソプラノ) #2-4,9
Sharon Coste, soprano
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ) #7-9
Sandrine Piau, soprano
シルヴィー・ドギー(メゾ・ソプラノ) #9
Sylvie Deguy, mezzo-soprano
ローランス・カベル(ハープ)
Laurence Cabel, harpe
アンサンブル・ミュジック・オブリク
Ensemble Musique Oblique
Elisabeth Glab, Marie-Josée Ritchot, violons
Michel Renard, alto
Isabelle Veyrier, violoncelle
録音: 1992. 2/メス市ラルスナル 〈デジタル〉
Enregistrement février 1992
à l'Arsenal de Metz, Salle de l'Esplanade
Prise de son et direction artistique Jean-Martial Golaz
Partitions: Durand S.A., Editions Musicales, Paris
Illustration: Monet, La Cathédrale de Rouen
◆本CD解説(クレール・モロー/濱田滋郎訳)より◆
「1878年に11月23日に生まれ、[1925年4月22日に]46歳で早世したアンドレ・カプレは、比較的少ない作品しか残さなかった。」
「1910年には、彼はボストンに指揮者・音楽監督として迎えられ、アメリカにドビュッシーの〈ペレアスとメリザンド〉を紹介した。(中略)1922年には、彼はシェーンベルクの〈オーケストラのための5つの作品[Op.16]〉をフランスに初めて紹介、またラヴェルの〈ラ・ヴァルス〉、サティの〈ソクラテス〉を初演した。
しかし、カプレの人生における最も大きな出会いは、1907年に起ったクロード・ドビュッシーとのそれであった。ドビュッシーが16歳年下のカプレに寄せた友情と信頼はたいへん深いもので、〈聖セバスティアンの殉教〉のオーケストレーションを半ば彼に任せたほどで(中略)あった。」
「当ディスクに聴かれる2つの重要な作品、〈赤い死の仮面〉(ハープを主役とする交響的習作)と〈七重奏曲〉は、くだんの、ドビュッシーの影響が濃い“第1期の作法”を表わしている。1908年作の〈赤い死の仮面〉[オリジナルはハープとオーケストラ]には、のちに作られたハープと弦楽四重奏のための版が残っている。1923年デュラン社から出版をみたこの版には〈エドガー・アラン・ポーによる幻想的物語〉の副題が添えられている。」
「演出家としての、また美術家としての資質を併せ持っていたカプレは、己れに課した限られた音素材(楽器法)をよく使いこなしている。とりわけハープはときに乾いた、激越な音調をおび、ついにはその共鳴胴が打楽器として用いられる。ハープはまた「死」の役をつとめ、“神秘な時計の響き”を立てる。和音を鳴らしておき、ペダルの操作によって、あらためて弦に触れることなく半音階のグリッサンドを出すのである。」
「1909年に〈女声三重唱と弦楽四重奏のための七重奏曲〉(譜面には“声の弦と楽器の弦のための”と読まれる)を書くにあたり、カプレは声楽につきものの歌詞を排し、代りに大胆なヴォカリーズ(母韻歌唱)を用いた。このことによって、声と楽器によって形づくられる諸声部間の微妙な受け渡しが可能になる。」
「気まぐれな精神、繊細でしかも大地に根ざした詩人、自然と光を熱愛する人だったカプレは、フランチェスコ派神秘主義者の魂を持っていた。(中略)純粋に精神的な種類の霊感に導かれ、グレゴリオ聖歌に立ち戻ろうとした彼は、彼以前の過去と、たとえばオリヴィエ・メシアンのような、こんにちのある種の作曲家とを結びつける架橋の役割をつとめるべく運命づけられていたと言えよう。」
◆本CDについて◆
輸入盤に別冊解説書付。
原盤ブックレット(全28頁)にクレジット、Claire Moreauによる解説(仏語原文と英・独訳)、歌詞(仏語原文と英・独訳)、「Arsenal de Metz / Salle de l'Esplanade」(録音場所紹介)、写真図版(モノクロ)1点。
別冊解説書(全8頁)にトラックリスト&クレジット、「アンドレ・カプレとこのディスクの曲目について」(クレール・モロー/濱田滋郎 訳)、歌詞訳(濱田滋郎)。
★★★★★
Conte fantastique