幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

森田童子  『狼少年 wolf boy』 

森田童子 
『狼少年 wolf boy』 


CD: USM Japan / Universal Music LLC 
制作: USMジャパン 
発売・販売元: ユニバーサル ミュージック合同会社 
追悼 森田童子 紙ジャケット・シリーズ⑧ 
UPCY-9848 (2018年) 
定価¥2,300(税抜価格)+税 
Made in Japan 

 

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帯文: 

ねじ式レコード 7 
地下の王様、森田童子のメッセージを、
秘密の暗号で、きみに送ります。」


帯裏文: 

「6thアルバムにして、最後のオリジナル作。時代を反映したテクノ風味が、一層の物哀しさを醸す。
(オリジナル発売日:1983年11月30日)」
「●初紙ジャケ化 
●オリジナルLPをミニチュア再現した紙ジャケット+4pインサート 
●オリジナルLPの意匠を再現した帯 
●2016年リマスター音源 
●歌詞付 
●生産限定盤」


1.愛情練習(ロシアン・ルーレット) 
2.ぼくを見つけてくれないかなァ 
3.ぼくは流星になる 
4.151680時間の夢 
5.球根栽培の唄(ときわ荘にて録音) 
6.ぼくのせいですか 
7.憂鬱デス 
8.狼少年・ウルフボーイ 

森田童子・作詩・作曲/石川鷹彦・編曲 

写真: ヒルタ有一(ジャケット) 
写真・資料提供: 海底劇場 


◆本CD歌詞より◆ 

「夢さりし後に 
何もない ぼくが 
ただポケットに 手を入れて立っているョ」
(「ぼくを見つけてくれないかなァ」より)

「満員電車の中で 
ぼくは左耳を押さえて 
去年の夏の海鳴りを聞いてる」
(「ぼくは流星になる」より) 

「やがて世の中は 
夜になります」

「ぼくは昨日の続きの夢を見る 
そして また その続きの夢の続きの夢を見る 
だから ぼくの夢は もう夢ではないのです 
ぼくは夢を151680時間も長い間 見続けているのです 
もうやりなおせない程 
いつの間にかぼくは 
夢の中で生きてきてしまったのです」 
(「151680時間の夢」より) 

「ぼくは どこまでも 
ぼくであろうとし 
ぼくが ぼくで 
ぼくであろうとし 
ぼくはどこまでも 
ぼくであろうとし 
ぼくが ぼくで 
ぼくであろうとし」
(「球根栽培の唄」より) 

「ただ自堕落に 
おぼれてゆく日々に 
ひとりここちいい」 

「ただ何もなく 
青いだけの空は 
ひとりここちいい」 
(「憂鬱デス」より) 

「狼に育てられた 
ぼくは涙も笑うことも 
しりません 
だから ぼくはいつも 
地平線の向こうで 
死にたいと思います」
(「狼少年・ウルフボーイ」より) 

 

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◆本CDについて◆ 

紙ジャケット(E式/シングル)仕様。LPインサート「森田童子 狼少年幻想絵巻(丸尾末広)」復刻(4頁)。CDブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)1点、歌詞、LPインサート図版(モノクロ)2点(外側&内側)、「’81年12月 国鉄両国駅西口構内 黒色テント③ねじ式」、ブックレット表紙&裏表紙はLP表&裏ジャケをモノクロで再現したものです。

LPは1983年にワーナーパイオニアからリリースされました。「ねじ式レコード 7」というのはなんなのか、謎ですが、本作はライヴ盤を含めて森田童子の7枚目のレコードなので、たぶんそういうことだと思います。つげ義春ねじ式」、岡田史子「ガラス玉」、丸尾末広少女椿」、そういう時代の流れでした。
オビ裏紹介文には「時代を反映したテクノ風味」とありますが、打ち込みリズムやシンセはそれっぽいとはいえ、アコギやヴァイオリンも入って、むしろタンゴ風味です。「愛情練習(ロシアン・ルーレット)」のキメの「ステップ」は、そこはかとなくRCサクセション「ステップ!」(1979年)を連想させます。

★★★★★