幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

シカラムータ 大熊ワタルユニット  『凸凹 デコボコ』 

シカラムータ 大熊ワタルユニット 
『凸凹 デコボコ』 
Cicala-Mvta 
Ohkuma Wataru Unit 
deko-boko 


CD: Respect Record Ltd. 
発売元:リスペクトレコード 
販売元:(株)ワーナーミュージック・ジャパン 
RES-55 (2001年) 
¥2,800(税抜) 

 

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帯文: 

「鬼才集団が放つ強力セカンド・アルバム! 脳天直撃・スーパー世界級ヂンタ!」

1.東京ヂンタ 2:33 
作・編曲:大熊ワタル 
2.急な坂 4:27 
作・編曲:大熊ワタル 
3.デコボコ/The Lowest Suddle 5:06 
作・編曲:大熊ワタル 
4.ある道化師の週末 6:47 
作・編曲:大熊ワタル 
5.青い花のコパニッツァ 4:04 
作曲:大熊ワタル 編曲:シカラムータ 
6.好きになってごめんなさい 5:52 
作曲:トルコ俗謡 編曲:植村昌弘 
7.ドーン・チョレチャ・バリエーション(i) 5:22 
作曲:大熊ワタル 編曲:大熊ワタル 
8.ベッサラビアン・ホラ 4:39 
作曲:クレズマー古曲 編曲:大熊ワタル 
9.ブルガリアンリズム 3:37 
作曲:バルトーク・ベラ 編曲:大熊ワタル 
10.アルバート・アイラー・メドレー7:57 
〈Ghost~Bells~Omega~Spiritual Rejoice〉 
作曲:アルバート・アイラー 編曲:大熊ワタル 
11.ジェリー・ロール(ストレンジ)モーション 4:16 
作・編曲:大熊ワタル 
12.もっと急な坂 0:46 
作・編曲:大熊ワタル 

Total Time 56:05 


大熊ワタル Ohkuma Wataru
clarinet, bass clarinet, accordion, timpani, glockenspiel, chorus 
太田惠資 Ohta Keisuke: 
violin, chorus 
桜井芳樹 Sakurai Yoshiki
electric guitar, Irish bouzouki, lap steel guitar, banjo, reverb tank, chorus 
坂本弘道 Sakamoto Hiromichi: 
cello, music-saw, cello-cymbal, chorus 
関島岳郎 Sekijima Takero: 
tuba, trombone, recorder, chorus 
上村正弘 Kamimura Shoukou: 
drums (except tr.3), big bass drum (tr.1), chorus 

川口義之 Kawaguchi Yoshiyuki: 
alto sax, baritone sax, soprano sax, chorus 
サム・ベネット Samm Bennett: 
drums (tr.3), percussion, turntable, toys 


Produced by 大熊ワタル(Ohkuma Wataru) 
Engineered by 笹原与志一(Sasahara Yoshikazu) 
Assistant engineering by 
中島次郎(Nakajima Jiro) Recording, 
伊藤隆文(Itoh Takabumi) Mixing 
Recorded at サウンド スカイ スタジオ 
Mixed at 音響ハウス 
Mastered by 小鐵徹(Kotetsu Tohru) at JVCマスタリングセンター 
Designed by 坂村健次(Sakamura Kenji) 
Photograph by 大久保義高(Ohkubo Yoshitaka) 
except 
Artist Photography by こぐれみわぞう(Kogure Miwazō) 
Mountain Photograph by 大熊ワタル 


◆本CD曲目解説(大熊ワタル)より◆ 

「1) 東京ヂンタ」
「冒頭の見事な呼び込みは、秩父夜祭で見かけた見世物小屋「団子家興行」のご主人佐藤義雄さんであるが、残念ながら今年の始めお亡くなりになってしまった(享年73歳)。
 この偶発的な街頭録音部のみ収録は99年12月。」

「2) 急な坂」
「リズムパターンはかなりバルカン(ルーマニア)ぽく聞こえるかもしれないが、ほとんど自動記述のようにできた曲で、見ていた風景は天王山だったり六甲だったりする。」

「3) デコボコ/The Lowest Suddle」
「副題は「最低の鞍部」。峠の最も低い部分とか。その語感により、僕のなかでここ何年か外に出たくてうずうずしていた言葉だが、意味というよりはイメージがこの曲に結びついた。」

「4) ある道化師の週末」
「妙に標題曲っぽいタイトルであるが、まあ酔っ払ったような曲という程度のイメージ。」

「5) 青い花のコパニッツァ」
「「コパニッツァ」はこの4+3+4の11拍子の踊り・リズムパターンのルーマニアでの呼び名。」

「6) 好きになってごめんなさい」
「トルコ俗謡。関鼎さんの『アジア諸民族の民謡』という本のなかにメロディー譜がある。」

「7) ドーン・チョレチャ・バリエーション(i)」
「タイトルは前作でも触れたネパールのシンデレラ物語「プンク・マインチャ」に出てくる不思議な動物にちなんでいる。」

「8) ベッサラビアン・ホラ(クレズマー古曲)」
「クレズマー・クラリネットの巨匠デイブ・タラス(Dave Tarras 1897~1989)に敬意を捧げつつカバー。ベッサラビアンはルーマニアの東、現モルダビア共和国あたりのこと。」

「9) ブルガリアンリズム」
「原曲はバルトーク・ベラ(1881~1943)のピアノ練習曲集『ミクロコスモス』113番。(中略)なお副声部は僕が“ねつ造”した。」

「10) アルバート・アイラー・メドレー」
「いうまでもなく60年代フリージャズの立役者、アルバート・アイラーAlbert Ayler 1936~1970)の名曲メドレー。」

「11) ジェリー・ロール(ストレンジ)モーション」
「口直しのような感じ、と思っていたが、やっぱり濃くなったかもしれない。」

「12) もっと急な坂」
「本来「急な坂」と同時に出てきた曲想で自分にとって双子のような存在ではある。」


◆本CDについて◆ 

透明ジュエルケース。二つ折りブックレットにトラックリスト&クレジット。ポスター(巻三つ折クロス二つ折)に曲目解説。帯内側に「ディスコグラフィー」。

アヴァンギャルド・チンドン・ジャズ・ロック・バンド「シカラムータ」の第二作です。ドラムの「上村正弘(かみむら・しょうこう)」は植村昌弘(うえむら・まさひろ)の変名だとおもいますが、なにゆえ変名かは謎です。次作『ゴースト・サーカス』(2004年)ではドラムが吉田達也にチェンジしています。
なお、本CDの「Special Thanks to」欄にサムラ・ママス・マンナのラーシュ・ホルメルの名が挙げられていますが、同年リリースのポチャカイテ・マルコの1stの「Special Thanks to」にもやはりホルメルの名が挙げられていました。当時ホルメルは日本のミュージシャンと積極的に共演していて、2001年9月に日本で録音されたアルバム『空(SOLA)』では大熊&坂本&吉田、そしてポチャ1stにゲスト参加していた伏見蛍と共演しています。

★★★★★ 


急な坂