幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

佐井好子  『胎児の夢』+『蝶のすむ部屋』

佐井好子 
『胎児の夢』+『蝶のすむ部屋』 


CD: Solid Records 
CDSOL-0020~21 (1999年) [2枚組] 
¥3,200(税抜価格) 
Made in Japan 

 

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帯文: 

「幻の名作を初CD化」
「70年代の日本で最も特異な才気を発揮していた女性ミュージシャンは間違いなく彼女だ。
あの時代で、女性で、彼女でなければありえなかった珠玉の名作群。
その歌声と言葉は禁断の聖域に確実に触れていた。――田口史人」
佐井好子未発表イラストをカラー収録 オリジナル・レコード・ジャケットをリバーシブルで再現」
「DISC.1 
サード・アルバム『胎児の夢』 
1977年発表 全10曲 全編曲:大野雄二 
DISC.2 
ラスト・アルバム『蝶のすむ部屋』 
1978年発表 全11曲 全編曲:山本剛 
全作詞・作曲:佐井好子」 


DISC.1 

『胎児の夢』 

1.ヒターノ 
2.アルハンブラの青い壜 
3.ある晴れた夜 
4.波止場 
5.春の夢 
6.海の沈黙 
7.青いガラス玉 
8.遍路 
9.白日夢 
10.胎児の夢 

全作詞作曲:佐井好子 
全編曲:大野雄二 

「1977年9月25日発表 レコード番号 LX-7021-A 
オリジナル・レコードでは1~6までA面7~10までB面に収録されていました。」

Producer: Akira Sasajima 
Director: Shun Ohki 
Engineer: Tomiji Iyobe 

Art Director: Kazuhiro Saitoh 
Cover Illustration: Yoshiko Sai 
Illustration: Tsuyoshi Takigaito 
Photographer: Jin Komine 
Layout: Takashi Wakabayashi 

Management: Viento Songs 

Musicians 
Drums: Yasushi Ichihara 
Electric & Acoustic Guitar: Tsunehide Matsuki 
Gut Guitar: Kiyoshi Sugimoto 
Electric Bass: Kenji Takamizu (1,2,4,5,9,10), Akira Okazawa (3,6,7,8) 
Acoustic Piano: Masahiko Satoh 
Electric Piano, Solina, Spinet & Synthesizer: Yuji Ohno 
Percussion: Lary Sunaga 

原盤 株式会社フジパシフィック音楽出版 


DISC.2 

『蝶のすむ部屋』 

1.とべとべ飛行船 
2.母さまへ 
3.耳のない仔猫 
4.夜の窓 
5.淋しい印度人 
6.蝶のすむ部屋 
7.ねこのこねこ 
8.日曜日 
9.あの青い空には神様がすんでる 
10.鬼づくし 
11.白い鳥

全作詞作曲:佐井好子 
全編曲:山本剛 

弦・フルート・パーカッション編曲:いしだかつのり(1,2,6,8,9)  

「1978年12月25日発表 レコード番号 LX-7058-A 
オリジナル・レコードでは1~5までA面、6~11までB面に収録されていました。」

プロデュース P.M.P 笹島斌 
アシスタント・プロデュース P.M.P 柿崎譲二 
制作担当 日本コロムビア(株) 大木舜 
エンジニア 伊豫部富治 
フォトグラフ 古峯人、金子幹夫 
カバーデザイン担当 日本コロムビア(株) 西藤和弘 
レイアウト担当 日本コロムビア(株) 若林孝 

ミュージシャン 
山本剛トリオ 
山本剛(pf) 
川畑利文(B) 
岸田恵士(Dr) 

佐井好子Perc) 
  
原盤 株式会社フジパシフィック音楽出版

「クレジットはオリジナル・レコードジャケットより転載しました。」


スタッフ 
制作 高護(ソリッド・レコーズ)/入嵩西利子(ソリッド・レコーズ)/桑原綾子(ソリッド・レコーズ) 
イラストレーション 佐井好子/滝垣内剛 
デザイン 久保田浩樹(ワン・プラス・ワン・グラフィックス) 
リマスタリング 菊地功(ワーナーミュージック・ジャパン) 
協力 伊藤賢(佐井好子評価委員会) 


◆本CD歌詞より◆ 

「ある晴れた夜」より:

「次の日の夜 庭にでてみた 月明り 
金いろ糸を 首にまきつけ 死んでいた 
あたしの影は 風ふいて 宙返り」

「波止場」より:

「あたしの小指を ギロチンにかけて 
ためしに一度 落してごらんよ 
紅い血がでるか 青い血がでるか」

「海の沈黙」より:

「昨日夢みた お魚の 
赤いお腹に 灯をつけて 
あたしを生んだ この夜の 
沈黙(しじま)の海へ 舟出する」

「薔薇のかをりに 酔ひしれて 
時の流れを さかのぼる」

「青いガラス玉」より:

「たとえば 青いガラス玉 
見知らぬ国より 流れつき 
あたしの暗い 海になれ」

「遍路」より:

「闇から生まれて 闇へとかえる」

「地獄の淵で 淵で 
土に埋めた お魚抱いて 
沈黙の国へ かえる」

「胎児の夢」より:

「生まれる前に見た夢の 
   その静かなる 風景 

狂えばこの世に 花が咲く 
それとてかなわぬ 夢ならば 
あたしの心とざして あのメロディ」


◆本CDについて◆ 

佐井好子の3rd&4thアルバム。LPは1977、78年に日本コロムビアからリリースされました。

2枚組用ジュエルケース(10mm厚)。二つ折りブックレット外側に『胎児の夢』『蝶のすむ部屋』LPジャケット、内側にイラストレーション(カラー)。別冊ブックレット(全16頁)にトラックリスト&クレジット、歌詞、解説(湯浅学)。インレイ外側に『胎児の夢』LP裏ジャケット、インレイ内側(トレイ部分)に『蝶のすむ部屋』LP裏ジャケット。帯内側にイラスト(モノクロ)1点。

佐井好子作品の初CD化は1975~78年にリリースされた4枚のアルバムを2枚組CD×2(「萬花鏡+密航」&「胎児の夢+蝶のすむ部屋」)に収録したものでした。その後、2008年にそれぞれ独立した形で紙ジャケCD再発され、さらに2021年には全作LP復刻、2008年にCDリリースされた5作目『タクラマカン』もLP化されています。

『胎児の夢』はピアノで佐藤允彦が参加、音の方はフュージョンっぽいです。『蝶のすむ部屋』は山本剛トリオの伴奏でストリングスも入ってジャズっぽいです。

★★★★★ 


耳のない仔猫 


淋しい印度人

 

あの青い空には神様がすんでる


「あの青い空には 神様がすんでる 
一日中眺めてたら 金色の雲がゆく 
にぎやかすぎる 都会の朝も 
さわがしいうたも 聞きたくはない 
今は眠りたい 今は眠りたい 

あの青い空には 神様がすんでる 
一日中眺めてたら 空がコトンとつぶやいた 

あの青い山には 神様がすんでる 
一日中眺めてたら 山が少し動いた 
優しくなった 都会の人は 
ねぼけまなこで 年老いてゆく 
飛んでゆきたいよ 逃げてゆきたいよ 

 あの青い空には 神様がすんでる 
 一日中眺めてたら 金色の雲がゆく ………」