幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

Christian Vander  『Ẁurdah Ïtah』

Christian Vander 
『Ẁurdah Ïtah』 
musique originale du film d'Yvan LAGRANGE 
Tristan et Iseult 

クリスチャン・ヴァンデ 
『トリスタンとイゾルテ~地球の終焉』 


CD: SEVENTH Records 
SEVENTH REX IX (1989) 
Made in France by MPO 

輸入・発売元:株式会社キングインターナショナル 
販売元:キングレコード株式会社 
KKCP 211 (2001年) 
Made in France, Printed in Japan 

 

f:id:nekonomorinekotaro:20220325093938p:plain

文字とマークは金で印刷されています。


帯文: 

「これはマグマそのものだ!!
[来日記念盤]
クリスチャン、ステラ、ヤニック・トップ、クラウス・ブラスキスの4人編成による
マグマの本質に迫る74年の問題作。」


ẀURDAH ÏTAH 

1. MALAWËLËKAAHM (INCANTATION)  3:37 
呪文 
2. BRADÏA DA ZÏMEHN IËGAH (L'INITIE A PARLE)  2:17 
秘伝を授し者の語り 
3. MANËH FUR DA ZËSS (ENSEMBLE POUR LE MAITRE)  1:37 
支配者の為のアンサンブル 
4. FUR DIHHËL KOBAÏA (POUR LA VIE ETERNELLE)  4:55 
永遠の生命に捧ぐ 
5. BLÜM TENDIWA (L'AME DU PEUPLE)  3:25 
民衆の魂 
6. ẀOHLDÜNT MΛëM DËẀËLËSS (MESSAGE DANS L'ETENDUE)  3:31 
無限からの託宣 
7. ẀAÏNSAHT !!! (EN AVANT)  2:29 
前進!! 
8. ẀLASÏK STEUHN KOBAÏA (ASCENSION VERS L'ETERNEL)  2:47 
永遠へのアセンション 
9. SËHNNTËHT DROS ẀURDAH SÜMS (LA MORT N'EST RIEN)  3:25 
死は虚無に非ず 
10. C'EST LA VIE QUI LES A MENES LA !  5:00 
命に導かれし者達 
11. ËK SÜN DA ZËSS (QUI EST LE MAITRE ?)  2:16 
支配者の名は? 
12. DE ZEUHL ÜNDAZÏR (VISION DE LA MUSIQUE CELESTE)  2:41 
聖なる音楽のヴィジョン 

Deuxième mouvement de THEUSZ HAMTAAHK 

Paroles et musique de : CHRISTIAN VANDER 
Personnel : 4 membres de la "ZEUHL WORTZ" 
KLÖTSZ ZASPÏAAHK 
Chant, Percussions 
TAUHD ZAÏA 
Chant 
ẀAHRĞENUHR REUĞEHLEM ΛeSTEH 
Basse 
ZÉBËHN STRAÏN DË ĞEUŠTAAH 
Piano, piano électrique, batterie, chant 

Pochette: UNIWERIA ZEKT GRAFIK 
Christian VANDER, Georges BESNIER and Studio DOUBLE EXPRESS 

Enregistré et mixé les 4, 5 et 8 avril 1974 à Paris, Studio de Milan. 
Ingénieur : Jean-Pierre BAMEULLE. 
Réalisé par Laurent THIBAULT (NAU EKTILAH). 
Editions THELEME / BARCLAY. 


クリスチャン・ヴァンデ(ピアノ、ドラムス、ヴォーカル) 
ヤニック・トップ(ベース) 
クラウス・ブラスキス(ヴォーカル、パーカッション) 
ステラ・ヴァンデ(ヴォーカル) 

録音:1974年 


松本修一による解説より◆ 

「本作、WURDAH ITAHはYvan LAGRANGEのフィルム、トリスタンとイゾルテのサウンドトラックとして1974年4月に録音されたが、丁度この1ヶ月前に『コンタルコス』のレコーディングセッションが行われた。
 本作は連作トゥーザムタークの第2部を成し、そしてマグマによる叙事詩的作品であるMEKANIK DESTRUKTIW KOMMANDOHの録音は1年前に遡り、それは第3部、すなわち最終章を成すものである。
 本作は当時のマグマにおける中核的ミュージシャン、クリスチャン・ヴァンデ(ピアノ、ドラムス、ヴォーカル)、ヤニック・トップ(ベース)、クラウス・ブラスキス(ヴォーカル、パーカション)そしてステラ・ヴァンデ(ヴォーカル)によって演奏された。
 WURDAH ITAHはマグマの音楽の本質を露呈した如き作品といえよう。
 それはMDKの豪華なオーケストラパワーに対する完全な対比ともいえるが、しかしながらここには大いなる躍動力と驚愕せしめる声の叙情性が有り、疑いなくマグマの刻印がしるされている。

 上記はセブンスレコーズの公式サイト上での作品紹介であるが、ここで言及されている通り、このCDは実質マグマの作品群の一部であると同時に70年代より今日に至るまでの最重要のマスターピースと見做される。」

「オリジナルのバークレイ盤のLPのフロントに映画の場面の写真を見ることができるが、ここに写っているのが20歳そこそこの主演者であり同時に監督のYvan LAGRANGE本人である。」
「以下は当時フランスの雑誌に掲載されたこの映画についての紹介文である。

 普遍的主題である、運命、狂気、死、永遠についてのオペラ映画。
 トリスタンは氷山の中でイゾルテの愛を獲得しようと苦闘する。
 最初の死が彼を襲う。
 二人を引き裂こうとするもの達から逃れ森の中へ逃げ込んだ。
 やがてトリスタンは一人灼熱の沙漠へと向かい、そこで動物の様に暮らした。
 そして狂気と出会ったのち、2度目の死が彼を襲うが、イゾルテに救われる。
 ある日、それぞれ駱駝と馬に乗った騎士達が何処までも続く海岸で遭遇し、激しい戦闘が起こった。海は彼らの臓物で満たされてしまう。
 イゾルテは血と死体の中から遂にトリスタンを発見する。
 彼らは皮を剥がされた牛の内臓の中に横たわり、そして眠りに落ちた。
 やがて海は彼らを運び去り、彼らは海中の薔薇へと姿を変えた。(アルバムの表紙のスチール写真はこのラストシーンである。)」

「さて、昨年5月にマグマ生誕30周年の記念コンサートがおこなわれたことをご存知の方も多いと思うが、先日そのCDはフランスでリリースされたばかりだ。」
「ここにはトゥーザムターク3部作が完全収録されており、当楽曲がまったくみずみずしい息吹きをもって、演奏されているのを聞くことができる。」
「そして初めて、この楽曲についての短いコメント(中略)が付されたのでここに紹介したい。

WURDAH ITAH 
 敵対するものの本質を理解することなく、それに戦いを挑んだ人間の記録である。彼ら反乱者は深き森に潜んでいた。
 ある東方部にて、奇妙な霊気によって覚醒した人々は、立ち上がり、戦いへと赴くのだった。
 男、女、そして子供達までが行進を開始した。
 雪も風も、そして何人も彼らの衝動を抑止することはできず、それは全ての国を巻き込んだ。
 村から村へ、その長蛇の行進は歌いながら進み、遂に支配者に対峙した、がそこには何も存在しなかった!! 
 偏在する敵対者は不可視の領域にその身を潜ませるのだった。」


◆本CDについて◆ 

輸入盤国内仕様。原盤ブックレット(二つ折り)にトラックリスト&クレジット、LPジャケ図版(カラー)2点。別冊解説書(三つ折り)に松本修一による日本語解説。

★★★★★ 

 

 

 

Tristan et Iseult - Yvan Lagrange (1972)

https://youtu.be/Jlc2METUfp8