ジョアン・ジルベルト
『三月の水』
João Gilberto
CD: Polydor
制作:ユニバーサル クラシックス&ジャズ
発売元:ユニバーサル ミュージック株式会社
販売元:ビクターエンタテインメント株式会社
UCCU-5052 (2003年)
シリーズ:Universal Jazz the Best
定価¥1,995(税抜価格¥1,900)
帯文:
「ボサ・ノヴァ最大のシンガー/ギタリスト、
J・ジルベルトの代表傑作。
究極のリラクゼーション音楽。」
「ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド
書き下ろしエッセー付
日本語解説付」
帯裏文:
「‟ボサ・ノヴァの法王”と呼ばれるジョアン・ジルベルトの1970年代の傑作。ジョアンのヴォーカルとギター、あとはシンバルのみの伴奏で、静かでビューティフルな音楽が綴られている。アントニオ・カルロス・ジョビン作の「三月の水」は、ブラジルの秋の訪れを描いた名曲。秋のような物静かな時間が流れるアルバムだ。」
「●おことわり:曲によりお聴き苦しい箇所がございますが、マスター・テープに起因するものです。予めご了承くださいますようお願い致します。」
JOÃO GILBERTO
ジョアン・ジルベルト/三月の水
1.三月の水 5:26
ÁGUAS DE MARÇO (Antonio Carlos Jobim)
2.ウンディユ 6:39
UNDIU (João Gilberto)
3.バイーア(靴屋の坂道で) 4:43
NA BAIXA DO SAPATEIRO (A. Barroso)
4.夜明けのベランダ 4:30
AVARANDADO (Caetano Veloso)
5.偽のバイーア娘 3:44
FALSA BAIANA (Geraldo Pereira)
6.喜びのサンバ 4:46
EU QUERO UM SAMBA (Haroldo Barbosa / Janet De Almeida)
7.バイーア生まれ 5:52
EU VIM DA BAHIA (Gilberto Gil)
8.ベベウ 3:32
VALSA (COMO SÃO LINDOS OS YOUGUIS) (BEBEL) (João Gilberto)
9.許してあげよう 5:09
É PRECISO PERDOAR (Carlos Coqueijo / Alcivando Luz)
10.イザウラ 5:27
IZAURA (H. Martins / R. Roberti)
〈パーソネル〉
Personnel:
ジョアン・ジルベルト(vo, g)
Joao Gilberto (g, vo)
ソニー・カー(per)
Sonny Carr (per)
ミウシャ(vo) on 10
"IZAURA" - Miucha (background vo)
Engineered by W. Cartos
Produced by Rachel Elkind
◆中原仁による解説より◆
「このアルバム『三月の水』(オリジナル・タイトル『ジョアン・ジルベルト』)は、20年近い滞米生活中の73年に発表された。」
「決して多くはないジョアン・ジルベルトのアルバムの中でも、『三月の水』には際立った特徴と聴きどころがある。まず、きわめて控えめなパーカッションにサポートされた、限りなくギター弾き語りに近いフォーマットでのレコーディングであること。」
「この時代、妻としてジョアンとの日常を共有していたミウシャは、次のように証言している。
「ジョアンほど仕事に打ち込む人間を、私は他に知りません。(中略)1曲のハーモニーをつけるために、18時間ぶっ通しでギターを弾き続けたことも何度もありました」」
「ジョアンは63年の渡米以降、‟ボサ・ノヴァのスタンダード・ナンバー”と呼ばれている楽曲(中略)を、実はほとんどレコーディングしていない。『三月の水』の選曲もそうだ。ジョアンはデビュー当時から、ボサ・ノヴァ時代以前に作られたサンバの古典を好んで歌い、そうした楽曲の比重は年を追うごとに増えていった。ここでは[3][5][6][10]がそれに当たる。
もうひとつ、ここでの選曲には興味深いポイントがある。それはジョアンの故郷であるバイーアに関連した曲、およびバイーア出身者の曲が、[3][4][5][7][9]と全体の半数を占めていることだ。広くとらえれば、彼のオリジナル曲[2]もそうだ。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、高井信成/中原仁による解説、歌詞(原文のみ)。ブックレット表紙&裏表紙はオリジナルLPジャケ&裏ジャケのデザインを踏襲しています。
自分は恒常的にやや重篤なうつ状態なので部屋を暗くして寝込んでいることが多いですが、うっかりするとわけのわからない罪悪感に責めさいなまれたりしがちなので、お薬がわりに本作をきいてみました。
爪弾いて、呟く、それだけのことでこのような豊饒な音の世界が誕生してしまうというのは奇跡に近いかもしれないです。
★★★★★
許してあげよう