幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『ひまわりの海~セヴラック:ピアノ作品集』  舘野泉 

『ひまわりの海~セヴラック:ピアノ作品集』 
舘野泉 

SUNFLOWER SEA 
Piano Works by Déodat de Séverac 
IZUMI TATENO 


CD: Finlandia Records 
(株)ワーナーミュージック・ジャパン 
WPCS-11028/9 (2001年) [2枚組] 
定価¥3,990(税抜価格¥3,800) 

 


帯文:

「「とても素敵な大地の香りがする」――ドビュッシー 
南仏ラングドックの抒情が香るセヴラックの魅力が全開!」
舘野泉演奏生活40周年記念盤・2枚組特別価格」


帯裏文:

「スペイン音楽やフランス印象派に通じる色彩と響き、そして自然の中の人間の暮らしと祈り――。ドビュッシーが「とても素敵な大地のような香りがする」と評したセヴラックは南仏の農村地帯に生まれ、パリに出て高い評価を得ましたが、故郷に戻って創作を続けました。1955年以来構想を暖めて来た舘野泉が満を持して45年来の宿願を果たした、素晴らしい音楽、そして素晴らしい録音です。」


セヴラック 
Déodat de SÉVERAC (1872-1921) 


[CD 1] (72:32) 

大地の歌》 ・・・7部からなる農事詩 
LE CHANT DE LA TERRE (1900) 
1.序曲:大地の魂 1:57 
 Prologue 
2.Ⅰ. 耕作 5:17 
 I. Le Labour 
3.Ⅱ. 種蒔き 4:31 
 II. Les Semailles 
4.間奏曲:夜のおとぎ話 4:11 
 Intermezzo (Conte à la Veillée) 
5.Ⅲ. 雹 4:25 
 III. La Grêle 
6.Ⅳ. 刈り入れ時 2:12 
 IV. Les Moissons 
7.エピローグ:婚礼の日 2:55 
 Epilogue (Le Jour des Noces) 

《ラングドック地方にて》 
EN LANGUEDOC - Suite pour piano (1903-4) 
8.Ⅰ.祭りの日の畑屋敷をさして 8:30 
 I. Vers le Mas en fête 
9.Ⅱ. 沼で、夕べに 5:53 
 II. Sur l'étang, le soir 
10.Ⅲ.牧場における乗馬 3:38 
 III. A cheval dans la prairie 
11.Ⅳ. 春の墓地のひと隅 7:54 
 IV. Coin de cimetière au printemps 
12.Ⅴ.農家の市の日 6:13 
 V. Le jour de la Foire, au Mas 

13.《水の精と不謹慎な牧神(ダンス・ノクターン)〉 7:08 
LES NAÏADES ET LE FAUNE INDISCRET (1908) ("Danse Nocturne") 

14.《日向で水浴びする女たち》 6:51 
BAIGNEUSES AU SOLEIL (1908) ("Sauvenir de Banyuls sur Mer") 

[CD 2] (71:56) 

《セルダーニャ》 ・・・5つの絵画的習作 
CERDAÑA - Études pittoresques pour Piano (1908-11) 
1.Ⅰ. 二輪馬車で 6:56 
 I. En Tartane (L'arrivée en Cerdagne) 
2.Ⅱ.祭り 7:21 
 II. Lse Fêtes (Souvenir de Puigcerda) 
3.Ⅲ. 村のヴァイオリン弾きと落穂拾いの女たち 5:49 
 III. Ménétriers et Glaneuses (Souvenir d'un pelerinage a Fontromeau) 
4.Ⅳ.リヴィアのキリスト十字架像の前のラバ引きたち 7:37 
 IV. Les Muletiers devant le Christ de Llivia (Complainte) 
5.Ⅴ.ラバ引きたちの帰還 4:55 
 V. Le retour des Muletiers 

《休暇の日々から》 第一集 (全8曲) 
EN VACANCES 1er Recueil - 8 Petites pièces romatniques (1912) ("Au Château et dans le Parc précédé de Invocation à Schumann") 
6.シューマンへの祈り 2:50 
 Invocation à Schumann 
7.Ⅰ. お祖母様が撫でてくれる 2:53 
 I. Les caresses de Grand'Maman 
8.Ⅱ.小さなお隣さんたちが訪ねてくる 1:13 
 II. Les petites voisines en visite 
9.Ⅲ.教会のスイス人に扮装したトト 2:13 
 III. Toto déguisé en Suisse d'Église 
10.Ⅳ.ミミは公爵夫人の扮装をする 2:32 
 IV. Mimi se déguisé en "Marquise" 
11.Ⅴ.公園でのロンド 1:32 
 V. Ronde dans le Parc 
12.Ⅵ.古いオルゴールが聴こえるとき 1:16 
 VI. Où l'on entend une vieille boîte à musique 
13.Ⅶ.ロマンティックなワルツ 3:30 
 VII. Valse Romantique 

《休暇の日々から》 第二集 (全3曲) 
EN VACANCES 2e Recueil - 3 Petites pièces romatniques (1921)
14.Ⅰ.ショパンの泉 6:30 
 I. La Fontaine de Chopin 
15.Ⅱ.鳩たちの水盤 4:45 
 II. La Vasque aux Colombes  astering: (œuvre posthume terminée par Blanche Selva) 
16.Ⅲ.二人の騎兵 1:49 
 III. Les Deux Mousquetaire (indications d'exécution par Blanche Selva) 

17.《ポンパドゥール夫人へのスタンス》 7:07 
STANCES À MADAME DE POMPADOUR 


舘野泉 (ピアノ) 
Izumi Tateno, piano Steinway D 466410 

[エグゼクティヴ・プロデューサー] ヤリ・ティエサロ 
[録音プロデューサー] ヴィーヴェ・マエメツ&舘野泉 
[録音エンジニア] エンノ・マエメツ 
[録音データ] 2001年6月5日~8日 コッコラ(フィンランド)、スネルマン・ホール 
[写真] 舘野泉 

24BIT DDD RECORDING: 
Sneliman Hall, Kokkola, Finland, 5.-8.6.2001 
Recording engineer: Enno Maemets 
Digital editing: Viive Maemets and Antti Saukko 
Recording producers: Viive Maemets and Izumi Tateno 
Cover photo: "Sunflower Sea" by Izumi Tateno 
Design & layout: Pirkko Huttunen 
Mastering: Finnvox / Pauli Saastamoinen 
Executive producer: Jari Tiessalo 


◆キンモ・コルホネンによる解説より◆

「伝統的には、重要なフランス人作曲家はすべて――生地がどこだろうと――パリで地位を確立し、パリに暮らした。それに対してセヴラックは生涯の大半を故郷の南フランスで過ごし、南仏の香りと気分、光と色彩を作品の中にも色濃く滲ませた。彼の芸術は、むしろそうした地域性に対する強烈な執着によって、普遍的な高みにまで到達できたのである。」
「セヴラックの手法は印象主義者のそれ(つかの間の一瞬の印象を記録に留める)に似たところがあり、その側面はセヴラックの即興的な創意工夫や音楽のドラマ性によってさらに強調されている。ただしセヴラックは、ドビュッシー風のテクスチュアや全音音階、平行和音などを含む音楽を書きながらも、ドビュッシー的な印象主義の枠外に留まった。彼は基本的には後期ロマン主義者だった。彼の作品の最高のものは、アルベニスラヴェルの影響を示しつつ、非常に響きの豊かなテクスチュアを持っている。」


◆本CDについて◆

二枚組用ジュエルケース(10mm厚/透明トレイ)。ブックレット(全24頁)にトラックリスト&クレジット、キンモ・コルホネンによる解説(訳:栗田洋)、舘野泉「セヴラックへの想い」、演奏者紹介、「舘野泉 フィンランディア・レーベル ディスコグラフィ」、写真図版(カラー)5点、アーティスト写真(カラー)1点。インレイにトラックリスト&クレジット、インレイ内側に写真図版(カラー)1点。

セヴラックはじわじわと再評価がすすんではいるものの、録音はまだまだ少ないです。そこそこ入手し易いチッコリーニの3枚組はやや潤いや深みに欠けるし、バルビエの名演を1枚に収録したディスクは現在入手困難。そんな中、舘野泉氏による質量ともに充実した2枚組の存在はありがたいです。舘野氏撮影によるセヴラックの故郷の写真図版がカラーで掲載されているのもよろこばしいです。

「八月がなかば影にひたされるとき 
高原は海よりも芳香を放ち 
草刈りびとの利鎌のさきから淡いしぶきが飛びたってゆく 
熟したひかりを鱗粉のようにまぶして」
有田忠郎「セヴラックの夏」より)

★★★★★


《セルダーニャ》 Ⅳ.リヴィアのキリスト十字架像の前のラバ引きたち