幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

エッグ  『エッグ』 

エッグ 
『エッグ』 

Egg 


CD:デラムレコード/ポリドール株式会社 
シリーズ:Polydor Popular CD Nice Price Series 
POCD-1843 (1991年) 
税込定価¥2,000(税抜価格¥1,942) 
Made in Japan 

 


帯文: 

「幻のプログレッシヴ・ロック PROGRESSIVE ROCK」
「’73年3月(引用者注:原文のママ)発表。ブリティッシュ・ロック界屈指のキーボード・プレイヤー、
デイヴ・スチュワートを中心とするトリオ、エッグのデビュー作。
ロックとクラシックを融合したユニークなサウンド。」
「解説:デイヴ・スチュワート


エッグ 


1.電光一閃 
BULB (Gallen) 
2.ホワイル・グローイング・マイ・ヘア 
WHILE GROWING MY HAIR 
(Campbell/Stewart/Brooks) 
3.アイ・ウィル・ビー・アブソーブド 
I WILL BE ABSORBED 
(Campbell/Stewart/Brooks) 
4.フーガ 二短調 
FUGUE IN D MINOR 
(Bach/arr. Egg) 
5.僕がピアノを弾こうとしたら、みんなが笑った… 
THEY LAUGHED WHEN I SAT DOWN AT THE PIANO... 
(Campbell/Stewart/Brooks) 
6.臆病者マクギリキュディーの歌 
THE SONG OF McGILLICUDIE THE PUSILLANIMOUS (or DON'T WORRY JAMES, YOUR SOCKS ARE HANGING IN THE COAL CELLER WITH THOMAS) 
(Campbell/Stewart/Brooks) 
7.卵ぐつぐつ 
BOILK 
(Campbell/Stewart/Brooks) 

8.交響曲 第2番: 
SYMPHONY No. 2 
(Campbell/Stewart/Brooks) 
第1楽章 
MOVEMENT 1 
第2楽章 
MOVEMENT 2 
ブレイン 
BLANE 
第4楽章 
MOVEMENT 4 


Personnel: 
Dave Stewart (organ, piano, tone generator) 
Mont Campbell (bass, vocals) 
Clive Brooks (drums) 


「The music on this L.P. is not dancing music, but basically music for listening to. It is harmonically and rhythmically complex, designed to be as original as possible within the confines of the instrumental line-up; so it's pretty demanding on the listener's attention. 
"While growing my hair" exploits some of the rhythmic possibilities of the traditional 6/8, including the properties of syncopation which has made it a stock jazz rhythm. 
"I will be absorbed" has varied moods; the peacefully secure rhythms and harmonies in 9/4 and 7/4 contrast with the heavier, more neurotic 13/8 middle section with its chordal build-ups and anticlimaxes. The subject is the unattainable; the ideal, mysterious music that all true musicians seek. 
"Fugue". Some of the famous "Toccata and Fugue in D minor" (adapted) 
"McGillicudie the Pusillanimous etc." is a fast-moving improvisation song in 5/8 constructed on the chord of F minor. 
Symphony 2. 
Movement 1 is a vehicle for organ improvisation in different rhythms and harmonic bases, one of them the "Hall of the Mountain King" by Grieg, set off by a rhythmic/melodic figure in 9/4. 
Movement 2 is concerned with the treatment of a theme basically in tone generator. Movement 3 is taken from the "Danse des Adolescents" from Stravinsky's "Rite of Spring". The repeated chord effect is used on stage, continuing for several minutes, but this would obviously not have worked on record. The last movement is a framework for drum+bass solo in 7/4 with an atonal theme.」 


Produced by EGG 
Recorded at Landsdowne Studios 
Engineer: Peter Gallen; Asst. Engineer: Les Cunningham 
Recorded at Trident Studios 
Engineer: Roy Thomas Baker 
Tone generator made by Bill La Chenal 
Front cover photograph by David Wedgbury 
Construction by Peter Chapman 
Back cover photography by Rob bennet 

(P) 1970 The Decca Record Company Limited, London 


デイヴ・スチュワートによる解説より◆ 

「僕はシティ・オブ・ロンドン・スクールというパブリック・スクールへ通った。」
「その学校で僕は2人の変わり者に会った。それがスティーヴ・ヒレッジとヒューゴ・マーティン・モンゴメリー・キャンベル(以下モント)で、冴えない風貌で多少反抗的、勉強も駄目だが音楽には興味があるという、僕に似た連中だったわけだ。」
「僕らはクリームやヘンドリックス、ブルース、それにプログレやサイケに夢中だった……僕は特にナイスにね。」
「そして、メロディ・メイカーの広告でドラマーを見つけた(イースト・エンダー・クライヴ・ブルックス)。」
「僕らのバンド、ユリエル(URIEL)は何度かユース・クラブ・タイプのギグを演ったが、68年の夏に大きな挫折を味わうことになる。」
「その夏の終わりになって、スティーヴが大学へ行くためにバンドを抜けたいと言い出した。」
「トリオになったユリエルは、ブルースの曲をすべて捨て、モントの多調性なハーモニーと僕のエマーソン風の軽いクラシックの要素を取り入れた、よりクラシカルなサウンドを発展させていくようになる。(中略)コヴェント・ガーデンにあったサイケデリック・クラブ‟ミドル・アース”で、僕らは2週間ごとにキャプテン・ビーフハート&ラヴ・スカルプチャーのようなグループのサポートを務めた。ミドル・アースのマネージャーをしていたデイヴとポールとかいう連中がエージェント業を始め、僕らのマネージメントをしたいと申し出たのだが、ひとつ条件があった。それはバンド名を変えることだ。‟ユリエル(URIEL)”では奇妙過ぎたし、‟しびん(URINAL)”に響きが似すぎていた!」
「このようないきさつでエッグが生まれた。」
「その頃までには、ストラヴィンスキーホルストなどから多少は盗んだ部分があるにせよ‟オリジナル”をやるようになり、オルガン・トリオであることにも満足してきた。」
「デッカでファースト・アルバム(中略)をレコーディングした頃は、すべて順調だったし、バンドも人気を獲得し始めていた。その後1年ぐらいは上手くいったが、『優雅な軍隊』をレコーディングした後で、デッカはそれをリリースしたくないと告げてきた。」
「最終的にデッカは考えを変えたが、この件はバンドの意気を消沈させ、それと符合するようにギグも減っていった。」
「サード・アルバムを作るのに十分なマテリアルはあったが、契約はなくギグもほとんどなくなった。そして、モントが抜けると言い出した。」
「そしてバンドは解散してしまったんだ。」
「1974年、僕らは『ザ・シヴィル・サーフェイス』のためにエッグ再結成の機会を得て、『優雅な軍隊』以降の作品を手際よく完成させることができた。(中略)僕は大好きな「エニアグラム」をレコーディングできて嬉しかった。この曲は、僕らがオープニング・ナンバーとして使っていた曲だ。」
(First Published in "Ptolemaic Terrascope" in England)


◆本CDについて◆ 

ブックレット(二つ折り)内側にオリジナルLPライナーノーツ再録、裏表紙に写真図版(モノクロ)3点。インレイにトラックリスト&クレジット。投げ込み(巻三つ折りクロス二つ折り)にDAVE STEWARTによる回想文の日本語訳(同時発売の『優雅な軍隊』と共通)、松中康夫による解説(91年9月)、歌詞対訳(落流鳥)。

キース・エマーソン&ザ・ナイスの影響下に、#4ではバッハ、#8ではグリーグをアレンジしたりしていますが、同じフレーズの執拗な繰り返しやトーン・ジェネレイターによるアヴァンギャルドな音響表現などもキース・エマーソンの影響でしょう。その一方で、複雑な楽曲構成や独特の屈折したユーモア感覚は、後のハットフィールド&ザ・ノースへの布石になっています。

★★★★☆ 


The Song Of McGillicudie The Pusillanimous (Or Don't Worry James, Your Socks Are Hanging In The Coal Cellar With Thomas)


 

 

 

 

 

 

 

キース・ティペット  『ユー・アー・ヒア・アイ・アム・ゼア』 

キース・ティペット 
『ユー・アー・ヒア・アイ・アム・ゼア』 

The Keith Tippett Group 
You Are Here... I Am There 


LP: ポリドールレコード/ポリドール株式会社 
ロック・コレクターズ・シリーズ第2集 
23MM 0196 (1982年) 
¥2,300 
Manufactured by Polydor K.K., Japan KA 8209 

 

向かって右からキース・ティペット、マーク・チャリグ、ニック・エヴァンス、エルトン・ディーン。

帯文: 

キング・クリムゾンへの参加で広く知られるイギリスのジャズ・ピアニスト、キース・ティペットの初リーダー作。」
「《国内盤初登場》」
「マスター・テープの状態が良くない為
お聞き苦しい箇所がありますが御了承下さい。」


Side 1 

1.昨年のような今晩 9:09 
This evening was like last year (To Sarah) 
2.アイ・ウィッシュ・ゼア・ウォズ・ア・ノーホエア 14:08 
I wish there was a nowhere 


Side 2 

1.サンキュー・フォー・ザ・スマイル 2:03 
Thank you for the smile (To Wendy and Roger) 
2.7月の午後 4:14 
Three minutes from an afternoon in July (To Nick) 
3.バッテリー・ポイントからのながめ 2:02 
View from Battery Point (To John and Pete) 
4.ヴァイオレンス 4:03 
Violence 
5.ステイトリー・ダンス・フォー・ミス・プリム 6:51 
Stately dance for Miss Primm 
6.昨年のような今晩(ショート・ヴァージョン) 4:11 
This evening was like last year - Short version 


Personnel: 
Mark Charig: Cornet 
Elton Dean: Alto Sax 
Nick Evans: Trombone 
Jeff Clyne: Bass and Electric Bass 
Alan Jackson: Drums and Glockenspiel 
Keith Tippett: Piano and Electric Piano 
Giorgio Gomelsky: Bells 


All numbers written and arranged by Keith Tippett 
Engineer: Eddie Offord 
Producer: Giorgio Gomelsky 
Photography: Steve Hiett 


北村昌士による解説より◆ 

「昨年の暮、再編成されたキング・クリムゾンを率いて日本の土を踏んだロバート・フリップが、記者会見の席上非常に印象的な発言をした。それは「クリムゾンに参加したミュージシャンの中であなたが最も重要と考えている人は誰ですか」という意味の質問に答えてであったが、その時フリップは何の躊躇も見せることなく、例の落ち着き払った口調でこう言ったのだ。「キース・ティペットとジェイミー・ミューアです」
 1969年から74年までの約5年間、イギリスの伝説的なロック・グループ、キング・クリムゾンに参加したミュージシャンは述べ18人を数える。アルバム1枚の発表、あるいはコンサート・ツァー1回を消化するたびに、メンバーの脱退、解散、オーディションが相次いだ。この異常なまでのめまぐるしく大規模な人々の変動のなかにあって、唯一のオリジナル・メンバー、ロバート・フリップは、そうした出来事を至極オーガニックで必然的なグループの発展的成長と考えていた。そしてその発展の過程において、音楽的に決定的役割を果たした人物としてキース・ティペットとジェイミー・ミューアの名を挙げているのである。ロバート・フリップ、キース・ティペット、ジェイミー・ミューア………この3人のミュージシャンは、それぞれ音楽的資質、形態、理念こそ異なるが、70年代のブリティッシュ・ミュージック・シーンを考える時、とりわけ重要な、また孤高の存在としてあまねく知られている。いわゆる天才と言い切ってしまうこともこの3人に限っては別に誇張気味の形容ではない。大きな時代の流れと、個人の限りない創造力が、ある特定の音楽ジャンルを越えてひとつの音楽として結実した、それが70年代におけるキング・クリムゾン・ミュージックだったのであろう。
 多くの人々がそうであるように、70年代の初頭、当時ブリティッシュ・ジャズというものに余り慣れ親しんでいなかった私が、最初にキース・ティペットの名前とそのプレイを耳にしたのも、確かキング・クリムゾンにおいてであったように思う。たぶん、‟Cat Food”あたりが初めてのキース・ティペットとの出会いだったに違いない。このビートルズ・ナンバー(特にジョン・レノンの作風に通じる)を粉々に解体して、より高度な音楽理論に基づいて再び組み立て直したような小品におけるキース・ティペットのピアノ・プレイには非常な衝撃を蒙った。目の眩むようなアブストラクトなジャズ・ノートを駆使しながらも、その生き生きとしたラディカルさが音楽自体の構造的な次元で見事に一体化した、まさに構築美と破壊美の入り乱れた奇妙な音楽体験には目のさめるような鮮烈さと、今もはっきり覚えているが、大へんに恐ろしい感じがした。
 それ以降、キース・ティペットのピアノは私の音楽観の中で特異な位置を占めるようになったことはいうまでもない。もちろん当時彼が、ブリティッシュ・ジャズ・シーンにおいて誰もが認める若手No.1プレイヤーであったことなどついぞ知る由もなかったが……。」

「ところでキース・ティペット・グループはその活動期間中に2枚のアルバムを発表している。最初の1枚は今あなたが手にしている本アルバム『You Are Here…I am There』、そしてもう片方が前述した『Dedicated To You, But You weren’t Listening』である。どちらの作品も、当時のキース・ティペットの力量ばかりでなく、英国のジャズ・シーンとロック・シーンがどれだけの高いエネルギーを持ち、相互の創造的な交流がその後のシーンの発展に大きな力を発揮しているかを端的に教えてくれる実にダイナミックなアルバムである。とりわけ本作は原盤著作権を所有するマーマレイド・レーベルの倒産からリリースが大幅に遅れ(70年10月)、また発売枚数が極端に少なかったことから今では殆んど入手不能のコレクターズ・レコードと化してしまい、久しく一般には耳にすることの出来なかったといういわくつきの貴重盤の1枚で、そんなことからもたぶん今回の再発を喜んでいるのは決して日本のファンばかりではないだろうと思われる。
 おそらく我国で最もブリティッシュ・ジャズに精通する人物のひとりであろう指田英二氏は、このアルバムについてこう書いている。「アメリカ・ジャズの影響とアングロ・アヴァンギャルド色に集約されるブリティッシュ・ジャズにあっては珍しく、反面単一和音の固執や不整重奏が用いられ、近代/現代クラシックの影響も強く打出しており、英国の土壌が育んだ新ジャズの香りが濃い」(フールズ・メイト20号)
 これは当時のジャズ・シーンから輩出された諸作品と本アルバムとの質的な差異について言及した箇所であるが、確かに1面1曲目の‟This Evening”における指田氏の言う「伝承メロディーによる牧歌風ののどかさ」や2)1‟Thank You For The Smile”におけるビートルズの‟ヘイ・ジュード”のメロディーの挿入される部分など、あるいは全体の構成やアンサンブルをトータルに貫く各パートの感情的な関係にしても、どこか気品と格調を感じさせるヨーロッパ的な色彩がある。また指田氏は‟This Evening”が、キング・クリムゾンの『Island』における1曲‟Formentera Lady”の音楽的原型であることを断言してはばからないが、のみならずクリムゾンの音楽に内在する雄大な空間の拡がり、繊細かつダイナミックなリズム・パターンやアンサンブルとソロの関係など、このアルバムの方法論とオーバーラップする箇所のことのほか多いことには氏のみならず、これを耳にした誰もが率直に驚かざるを得ないだろう。」

「ここに参加したミュージシャンたちがこの後の70年代のジャズ・ロック・シーンの先導的な役割を果たしていることを考えるならば、この作品はあくまでその出発点にあたるものだろう。しかしそれでも、このアルバムの若竹のようにすらりと伸びた初々しく鮮烈な音楽は、今も私たちを魅了してやまないのである。ややもすると、それは時と共に輝きを一層増してゆくような、そんな性質の音楽なのかもしれない。」


◆本LPについて◆ 

E式シングルジャケット。裏ジャケにChristopher Birdによる英文ライナーノーツ。インサート(片面印刷)にトラックリスト、北村昌士による解説(82年6月)。

本LPは出たときに購入して長いあいだ愛聴していましたが、今はレコードを再生できる環境が整っていないのでYouTubeで久しぶりにきいてみました。今はCDなど購入しなくてもすきなだけYouTubeで音楽をきける世の中になったのでありがたいです。それはそれとして久しぶりにきいた本作はやはり名盤だったのでCDで再購入したくなりました。というか今思い出したのですがこれと『Septober Energy』は’90年代初頭に出回った盤起こしのブートレッグCDで持っています。

★★★★★ 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Alan Gowen / Phil Miller / Richard Sinclair / Trevor Tomkins  『Before a Word Is Said』

Alan Gowen / Phil Miller / Richard Sinclair / Trevor Tomkins 
『Before a Word Is Said』 

ゴーウェン/ミラー/シンクレア/トムキンス 
ビフォー・ア・ワード・イズ・セッド 


CD: Europa Records / Voiceprint 
VP130CD (1995) 
Made in Austria 

MSI/Tokyo 
MSIF 3354 
¥2,500(税込)/¥2,427(税抜) 

 


帯文:

ギルガメッシュ、ナショナル・ヘルスのキーボード奏者、アラン・ゴーウェンの遺作となったジャズ/プログレッシヴ・ロックの傑作」


BEFORE A WORD IS SAID 


1. Above and  Below (Miller) 
アバヴ・アンド・ビロウ 
2. Reflexes in the Margin (Gowen) 
リフレクセス・イン・ザ・マージン 
3. Nowadays a Silhouette (Miller) 
ナウアデイズ・ア・シルエット 
4. Silver Star (Gowen) 
シルヴァー・スター 
5. Fourfold (Miller) 
フォーフォールド 
6. Before a Word is Said (Gowen) 
ビフォー・ア・ワード・イズ・セッド 
7. Umbrellas (Sinclair) 
アンブレラス 
8. A Fleeting Glance (Miller) 
ア・フリーティング・グランス 


Alan Gowen: Keyboards 
Phil Miller: Guitar 
Richard Sinclair: Bass & Vocals 
Trevor Tomkins: Drums 


「The music on this album is very much a result of the combined energies of musician, engineer and producer. 

Conceived initially by the respective musicians, the piece were contributed to during rehearsals by all four musicians and developed during recording. This demanded an understanding of the writing and improvising which resulted in the co-operative and encouraging atmosphere that existed between the six people involved.」

Recorded at Trinity Road on April 25th - 27th & may 2nd - 4th 1981. 
Produced by Jean-Pierre Weiller 
Engineered by Peter Ball for Tri-Arts Associates Ltd. 
Cover Drawing by Alan Gowen. 


(C) Voiceprint 1995 
(P) Europa 1981 


◆フィル・ミラーによる「アラン・ゴーウェン、および『ビフォー・ア・ワード・イズ・セッド』について」(島本範之訳)より◆ 

「私がアランに初めて会ったのは、1968年ハーロウでのことだった。(中略)1973年には音楽面での初めての共同作業をアランのバンド、ギルガメッシュと私の居たハットフィールド・アンド・ザ・ノースの共演という形で行っている。この時はアランが特別に書き下ろしたダブル・カルテット用の曲を演奏した。その後、アランは私とキーボード奏者のデイヴ・スチュアートを誘ってナショナル・ヘルスを結成し、1975年から1980年の6年間に渡って参加している。(中略)私はアランと一緒にアルバムを作るという話をすでに交わしており、1981年の4月、トレヴァー・トムキンス(元ギルガメッシュ)、リチャード・シンクレア(元ハットフィールド)という優れたリズム・セクションを伴って『ビフォー・ア・ワード・イズ・セッド』を録音した。かつてのギルガメッシュとハットフィールドの共同作業の名残りとでも言うべきだろうか。
 録音は南ロンドンにあったアランのマンションで行っている。そこはかつてギルガメッシュやナショナル・ヘルスが様々な編成で何年ものあいだリハーサルを繰り返した場所だった。(中略)この録音の時にはバンドは奥の寝室で演奏し、エンジニアのピート・ボールが機材をアランの作業場に設置。試行錯誤の末、ようやく部屋の音響を調整することに成功した。このアルバムはアランとその奥さん、セリアの親しい知人であるジャン・ピエール・ウェイラーの設立したヨーロッパ・レーベルより制作費の提供を受け、同レーベルより発売されている。」


◆本CDについて◆ 

輸入盤国内仕様。原盤ブックレット(全8頁)に「Notes on ALAN GOWEN & Before A Word Is Said」(Phil Miller, London, April 1995)、「The musical times of ALAN GOWEN (born 1947)」(年譜)、クレジット、写真図版(モノクロ)6点。投げ込み(十字折り/片面印刷)にトラックリスト、「アラン・ゴーウェン、および『ビフォー・ア・ワード・イズ・セッド』について(フィル・ミラー/訳:島本範之)、赤岩和美による日本語解説。

淡々とした演奏が続きます。リチャード・シンクレアのスキャット・ヴォーカルも(控え目ですが)入っています。

★★★★☆ 

 

B


 

 

 

 

 

 

 



Gilgamesh  『Another Fine Tune You've Got Me Into』

Gilgamesh 
『Another Fine Tune You've Got Me Into』 


CD: Esoteric Recordings / Cherry Red Records 
ECLEC2126 (2009)
Made in the EU 

 


1. Darker Brighter (Gowen)
2. Bobberty / Theme for Something Else (Gowen/Lee)
3. Waiting (Lee)
4. Play Time (Gowen)
5. Underwater Song (Gowen)
6. Foel'd Again (Hopper/Gowen)
7. T.N.T.F.X. (Gowen)


Alan Gowen: keyboards
Phil Lee: guitars
Trevor Tomkins: drums
Hugh Hopper: bass guitar


「The music on this album was written during 77-78- some of it when I didn't know who was going to be in the band apart from Phil and some after Hugh and Trevor had joined. I always like to write for specific musicians as their playing is all important in shaping the style of a group. Writing in a vacuum has never appealed to me. So, when the opportunity to use two synthesisers arose, I started to use them to enlarge the sound of the band. Consequently there are very few overdubs on this record. The band sounds as it does live. 
  Everyone has contributed to the composition of the pieces either in rehearsal or during the session, so that the direction of the improvising has taken new turns as the writing was moulded to suit the individuals. As a writer my aim is to produce music in which it is impossible to tell what's written and what is improvised. *Alan Gowen*」


Session Details 
Recorded at Foel Studios, Llanfair, Caerinion, Wales. Engineer: Dave Anderson
Remixed at Riverside Studios. Remix Engineer: Anthony David. 
'Waiting' recorded by Peter Ball 
Thanks to Dave Stewart 
Produced by Gilgamesh 

Cover painting: 'The Ghost of a Flea' by William Blake, reproduced by permission of the Tate Gallery 


(P) 1978 Licensemusic.com ApS, An original BYG Music recording 
This remastered edition (C) 2009 Cherry Red Records Ltd. under license from Licensemusic.com ApS 

2009 CD reissue researched and co-ordinated by Mark Powell 
24-bit remastering by Paschal Byrne at The Audio Archiving Company, London 
CD Package by Becky Stewart at Hi Hat Design 


◆本CDについて◆ 

アラン・ゴーウェン(エレピ、シンセ)率いるブリティッシュジャズ/カンタベリーロックの「ギルガメッシュ」2nd『アナザー・ファイン・チューン・ユーヴ・ゴット・ミー・イントゥ』。オリジナルLPは英Charly Recordsより1978年にリリースされました。

透明ジュエルケース。ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、Sid SmithによるCDライナーノーツ(April 2009)、Alan GowenによるオリジナルLPライナーノーツ、写真図版(モノクロ)4点。

#3はアコギ小曲。全体的にユーロピアンでハイセンスなフュージョンです。ジャケ絵はウィリアム・ブレイク「蚤の幽霊」。

★★★★★ 

 

 

 

 

 

 

 

Gilgamesh  『Arriving Twice』 

Gilgamesh 
『Arriving Twice』 

ギルガメッシュ 
アライヴィング・トゥワイス 


CD: Cuneiform Records 
Rune 140 (2000) 
Made in the USA 

Arcàngelo 
ARC-2140 
税込価格¥2,625(税抜価格¥2,500) 

 


帯文: 

「’75年のアルバム「Gilgamesh」制作時のスタジオ・レコーディング音源、完全未発表曲で綴られた、キーボーディスト、アラン・ガウエンの生涯!」


帯裏文: 

「あふれ出る才能を持ちながら、若くしてその生涯を閉じたミュージシャン/キーボード奏者、アラン・ガウエン。本作は、彼の人生そのものだったと言っても良いグループ、Gilgameshの、ファースト・アルバム制作時のスタジオ・セッションを収めた、まさに究極の発掘音源集である。完全未発表曲も含む、カンタベリー・ミュージック・ファンにとっては信じられない様な、狂喜のリリースだ!」


ALAN GOWEN: piano/electric piano/synths [all tracks] 
PHIL LEE: guitars [all tracks] 
MIKE TRAVIS: drums [all tracks] 
NEIL MURRAY: bass [1/2] 
PETER LEMER: electric piano/synths [3/4] 
STEVE COOK: bass [3/4] 
JEFF CLYNE: bass [5/6/7/8] 


1) With Lady and Friend  4:25 
2) You're Disguised / Orange Diamond / Northern Gardens / Phil's Little Dance / Northern Gardens  17:52 
3) Island Of Rhodes / Paper Boat / As If Your Eyes Were Open  6:52 
4) Extract  9:27 
5) One End More / Phil's Little Dance / Worlds Of Zin  9:11 
6) Arriving Twice  1:41 
7) Notwithstanding  4:21 
8) Lady and Friend  4:06 


Tracks 1)-2) recorded Autumn, 1973 at Pathway Studios, London, UK 
Tracks 3)-4) recorded Autumn, 1974, London, UK 
Tracks 5)-8) recorded Autumn, 1975, London, UK 

All tracks composed by Alan Gowen except: 
Island Of Rhodes (Alan Gowen/Steve Cook/Phil Lee) 
Worlds Of Zin (Phil Lee) 
Notwithstanding (Alan Gowen/Steve Cook/Phil Lee) 
Lady and Friend (Alan Gowen/Jeff Clyne) 

Liner notes and general expertise: Aymeric Leroy 
Photography: Geoff Davenport, Clive Merredew & unknown 
CD mastering by Matt Murman/SAE 
Cover painting, design and layout by Bill Ellsworth 
Release coordination, editing and direction by Steven Feigenbaum 


◆坂本理による日本語解説より◆ 

「ジェイミー・ミューアとの活動が挫折したことで、ガウエンは自分のバンドを計画し、ギタリストのリック・モアクームとギルガメッシュを結成する。最初のメンバーは、ほかにジェフ・クライン(b)、マイク・トラヴィス(d)、アラン・ウェイクマン(sax)という面子だった。」
「しかし、数回のリハーサルでクラインが去り、1972年10月にスタートしたばかりのハットフィールド・アンド・ザ・ノースのリチャード・シンクレア(b)がヘルプでギグに参加。逆にガウエンがハットフィールドのオーディションを受けたと言うが、結局元エッグのデイヴ・スチュワート(kb)がハットフィールドに参加し、ガウエンは引き続きギルガメッシュを率いて行くことになる。続いてモアクームとウェイクマンがバンドを離れ、1973年2月にニール・マレイ(b)とフィル・リー(g)が加わり、漸くギルガメッシュは活動を軌道に乗せる。」
「数ヶ月のリハーサルの後、ガウエンの友人であるマイケル・ファインシルヴァー(元クレイジー・ワールド・オヴ・アーサー・ブラウン)の所有するパスウェイ・スタジオでデモ・レコーディングを行なう。これが今回初めて発掘された音源で、1~2曲目に当たる。1973年11月にギルガメッシュはハットフィールド・アンド・ザ・ノースとステージを共にし、その中で両バンドは合同演奏を行なう。その時用意されたのがガウエン作曲の‟The Double Quartet”と呼ばれる40分に及ぶ組曲で、その曲の一部が今回‟Extract”としてギルガメッシュのみの演奏で収録されている。
 このギグの直後に(中略)マレイが脱退し、1974年には(中略)スティーヴ・クックが加入。」
ギルガメッシュは1974年9月、10月に立て続けにラジオ番組に出演。(中略)ピーター・リーマーをゲストに迎えてのレコーディングが行なわれ、それがアルバムの3~4曲目に収録されている(リーマーはその後、フィル・ミラー率いるイン・カフーツに参加した)。
 この直後にクックが脱退。替わって元エッグのモント・キャンベル(b)が加わるが、ほどなく脱退し、ニール・マレイが暫く手伝った後、1975年3月にジェフ・クラインが復帰する。5月にVirgin傘下のCarolineレーベルと契約したギルガメッシュは(中略)アルバムの制作を行なう。こうしてできあがったのがアルバム『Gilgamesh』(75)だった。本CDに収録された残りの5~8曲目はおそらくこの時の(中略)アウトテイクスではないだろうか。」


◆本CDについて◆ 

輸入盤国内仕様。原盤ブックレット(全16頁)に「The Epic of Gilgamesh and the early years of Alan Gowen's career」(関係者の証言による年譜)、写真図版(モノクロ)7点、ブックレット裏表紙に写真図版(カラー)1点。インレイにトラックリスト&クレジット。別冊ブックレット(全16頁)に坂本理による日本語解説、「ギルガメッシュ叙事詩、そしてアラン・ガウエンの半生」(原盤ブックレット記事の日本語訳、訳者名表記なし)。

原盤ブックレットの日本語訳で、ちょっと気になったのは、ドラマーのMike Travisの発言で、
「様々な事柄において私とDave Stewartの意見は食い違っていました。彼はお金の為ならばどんなことでもやる、という考えの持ち主で…言い換えれば、200マイルの道程をかけて演奏に行き、たいした報酬も得られない、そんな仕事があったとしたら、『そうか、じゃあ君がその仕事をやりなよ。僕はそういったことに全然興味ないね。僕には面倒を見なくてはならない家族がいるんだよ!』そんな風に言う人物なのです。」
とあるのですが、原文は、
「I had differences of opinion with Dave Stewart about policy over different things... He was of the opinion that you do any work anywhere for any money... In other words, you can go travel two hundred miles and not get paid at the end of it. And he said, yes, you have to do it. That wasn't my thinking at all - I had a small family to bring up, you know!」
デイヴ・スチュワートは私とは多くの点で異なる意見の持ち主でした。彼に言わせると(自分の音楽を演奏する機会さえ与えられるならば)どんなお金にならない遠方のギグでもやる、つまり、一銭にもならないギグのためにわざわざ200マイル先まで出かけて行くべきだと主張するのです。とんでもない――私は家族を養っていかなければならなかったんですよ)
で、まったく逆になっています。
※「When you're really in love with a band and its music, you will go anywhere and do anything for the chance to play」――Dave Stewart「National Health - The Inside Story」より(『National Health Complete』、East Side Digital、1990)。

#2&4は未発表曲、他は1st『Gilgamesh』収録曲。音質はあまりよくないですが、演奏はよいです。

★★★★☆ 

 

Notwithstanding 


 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ  『ギルガメッシュ』

ギルガメッシュ 
ギルガメッシュ』 

Gilgamesh 


CD: Virgin/東芝EMI株式会社 
シリーズ:Virgin/Charisma Paper Sleeve Series 
VJCP-68689 (2004年) 
定価2,548円(本体2,427円)

 


帯裏文:

「古代バビロニア叙事詩よりその名をとった、今は亡きアラン・ガウエン率いるギルガメッシュのデビュー作。3つの組曲を究極のアンサンブルで聴かせるブリティッシュ・ジャズ・ロックの神髄と言える作品。」


1. a) ONE END MORE  [10:18] 
ワン・エンド・モア 
(Gowen) 
b) PHIL'S LITTLE DANCE 
フィルズ・リトル・ダンス 
(Gowen) 
c) WORLD'S OF ZIN 
ワールズ・オブ・ジン 
(Lee) 

2. LADY AND FRIEND  [3:40] 
レイディ・アンド・フレンズ 
(Gowen / Clyne) 

3. NOTWITHSTANDING  [4:43] 
ノットウィズスタンディング 
(Gowen / Cook / Lee) 

4. ARRIVING TWICE  [1:34] 
アライヴィング・トゥワイス 
(Gowen) 

5. a) ISLAND OF RHODES  [6:37] 
アイランド・オブ・ローデス 
(Gowen) 
b) PAPER BOAT 
ペーパー・ボート 
(Gowen) 
c) AS IF YOUR EYES WERE OPEN 
アズ・イフ・ユア・アイズ・ワー・オープン 
(Gowen) 

6. FOR ABSESNT FRIENDS  [1:08] 
フォー・アブセント・フレンズ 
(Lee) 

7. a) WE ARE ALL  [7:44] 
ウィ・アー・オール 
(Gowen) 
b) SOMEONE ELSE'S FOOD 
サムワン・エルシーズ・フード 
(Gowen) 
c) JAMO AND OTHER BOATING DISASTERS - FROM THE HOLIDAY OF THE SAME NAME 
ジャーモ・アンド・アザー・ボーティング・ディザスターズ 
(Gowen) 

8. JUST C  [0:47] 
ジャストC 
(Gowen) 


Phil Lee 
Electric, acoustic 
12 string and classical, 
guitars 

Alan Gowen 
Piano, Electric piano, 
clavinet, synthesiser, 
mellotron 

Jeff Clyne 
Double bass and bass 
guitar 

Michael Travis 
Drums and percussion 

Amanda Parsons 
Voice 


Recorded and mixed at the Manor - May 1975 
Engineer - Steve Cox 
Produced by Gilgamesh and Dave Stewart 
Vocal arrangements on 'Jamo' by Dave Stewart and Alan Gowen 
Cover design and artwork by Celia Welcomme 
Back cover photographs by Clive Merredew 
Paper boat by Doris Lee 

Thanks to Neil Murray, Steve Cook, Peter Lemer, Steve Borrill, Simon Draper, Dave Vandyl, Penny, Barbara, Steve, and all at the Manor. 

A redious enterprises (marine division) production 

P. Virgin Records Ltd. 1975 


◆本CDについて◆ 

紙ジャケット(E式シングル)仕様。投げ込み(十字折り)にトラックリスト&クレジット、松井巧による解説、「Virgin/Charisma 紙ジャケット・シリーズ」(CDリスト/モノクロ図版8点)。

カンタベリー系の重要バンド「ハットフィールド&ザ・ノース」のキーボードのオーディションを受けたアラン・ゴーウェン(ガウエン)でしたが、その座は元「エッグ」(1970年1st&2nd、1974年3rdリリース)のデイヴ・スチュワートに奪われ、自身のバンド「ギルガメッシュ」に専念することになって1975年にリリースしたのが本作(1st)ですが、その後ハットフィールド&ザ・ノース(1974年1st、1975年2ndリリース)をやめたデイヴ・スチュワートギルガメッシュに加入、しかし程なくギルガメッシュは消滅して、その代わりに誕生したのがWキーボードの「ナショナル・ヘルス」(1978年1stリリース)でした。本作リリース後一旦消滅したギルガメッシュは1978年に2ndアルバム録音のために再結成しています。このうちハットフィールド&ザ・ノースの2枚とエッグの3rd、ギルガメッシュの1st、ナショナル・ヘルスの1stにアマンダ・パーソンズが参加しています。アマンダこそカンタベリー界の裏の顔役だったのかもしれないです。
ところでギルガメッシュのギタリストは「フィル・リー」で、ハットフィールド&ザ・ノースのギタリストは「フィル・ミラー」ですが、わたしは物おぼえがわるいので、どっちがリーでどっちがミラーだったかごっちゃになりがちです。「リー・ミラー」といえば20世紀を代表する女性写真家ですが、それはどうでもいいです。
アラン・ゴーウェンの奥さんが手掛けた、バンド活動にまつわる「あるある」すごろく(snakes & ladders)ジャケもよいです。

★★★★★ 

 

We Are All / Someone Else's Food / Jamo And Other Boating Disasters


 

 

 

 

 

The Keith Tippett Group  『Dedicated To You, But You Weren't Listening』 

The Keith Tippett Group 
『Dedicated To You, But You Weren't Listening』 

ザ・キース・ティペット・グループ 
デディケイテッド・トゥ・ユー 


CD: Vertigo Records / Repertoire Records 
REP 4449-WP (1994) 

MSI/TOKYO 
シリーズ:MSI Presents Collector's Choice 
MSIF 7229 
¥2,500(税込)/¥2,427(税抜) 

 


帯文: 

「英ジャズ界最強にして最先鋭のキース・ティペットが、ロックへの接近を図った窓口がロバート・フリップだったことが、双方の著しい質的向上を再認識させてくれる、70年発表の2ndアルバム。」


1. This Is What Happens (Evans)  4:57 
ディス・イズ・ホワット・ハプンズ 
2. Thoughts To Geoff (Tippett)  10:15 
ソーツ・トゥ・ジェフ 
3. Green And Orange Night Park (Tippett)  8:07 
グリーン・アンド・オレンジ・ナイト・パーク 
4. Gridal Suite (Dean)  6:09 
グライダル・スウィート 
5. Five After Dawn (Tippett)  5:16 
ファイヴ・アフター・ドーン 
6. Dedicated To You, But You Were'nt Listening (Hopper/Charig/Dean)  0:33 
デディケイテッド・フォー・ユー、バット・ユー・ワーント・リスニング 
7. Black Horse (Evans)  5:54 
ブラック・ホース 


Keith Tippett, Piano/Hohner Electric Piano 
Elton Dean, Alto/Saxello 
Marc Charig, Cornet 
Nick Evans, Trombone 
Robert Wyatt, Drums 
Bryan Spring, Drums 
Phil Howard, Drums 
Tony Uta, Conga Drums/Cow Bell 
Roy Babbington, Bass/Bass Guitar 
Neville Whitehead, Bass 
Gary Boyle, Guitar 


Engineer: Dave Voyde 
Produced by Pete King for Ronnie Scott Directions 
Cover designed and drawn by Roger and Martyn Dean 


(P) 1971 Vertigo Records 
(C) 1994 Repertoire Records 
Made under license from RDA Music 


◆本CDについて◆ 

ブックレット(三つ折り)にトラックリスト&クレジット、Marc BrennanによるCD解説、Richard Williams(The Melody Maker)によるオリジナルLPライナーノーツ再録。投げ込み(十字折り)に市川哲史音楽と人)による日本語解説、「MSI Presents Collector's Choice 第Ⅰ期&第Ⅱ期」(CDリスト)。

キース・ティペット・グループ第2作。オリジナルLPは英Vertigoレーベルから1971年にリリースされました。

ブラザーフッド・オブ・ブレスふうの明快でダイナミックなブリティッシュ・ジャズ#1で始まって、ハード・ドライヴィングな#2、哀愁と熱情のモード・ジャズ#3、ドラムが強力なフリー・ジャズ#4、サウンド・コラージュ(笑い声)を交えたエクスペリメンタルな#5、本CDタイトル曲(ソフト・マシーン『Volume 2』収録曲)をアルト&コルネットでちょっとだけ演奏する#6、ファンキーな(?)ブルース形式の#7。静謐かつクールな印象だった1stに比べて全体的にエネルギッシュかつカオティックな演奏が展開されています。ロジャー&マーティン・ディーン兄弟によるドグラマグラなジャケ絵(想像妊娠?)もよいです。

★★★★★