幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『《麗しのアマリッリ》 カッチーニ: 新しい音楽』 モンセラート・フィゲーラス/ホルディ・サバール

『《麗しのアマリッリ》 カッチーニ: 新しい音楽』
Giulio Caccini: Le Nuove Musiche
モンセラート・フィゲーラス/ホルディ・サバール 
Montserrat Figueras/Hopkinson Smith/Robert Clancy/Jordi Savall/Xenia Schindler


CD: BMGビクター株式会社 
BVCD-1804 (1992年) 
税込定価¥1,800(税抜価格¥1,748) 

 

f:id:nekonomorinekotaro:20210801085041p:plain

 

《麗しのアマリッリ》 カッチーニ: 新しい音楽
ジューリオ・カッチーニ
Giulio Caccini (c. 1550-1618)
「新しい音楽」(1601年フィレンツェ) 
「新しい音楽と新しい書法」(1614年フィレンツェ)より
Le Nuove Musiche, Firenze 1601*
Nuove Musiche e Nuova Maniera di Scriverle, Firenze 1614**

1.愛の神よ、何を待つのか? 2:20 
Amor ch'attendi**
2.愛の神よ、我去りゆかん 3:14 
Amor, io parto*
3.翼あらば 3:07 
Tu ch'hai le penne**
4.天にもかほどの光なく 2:33 
Non ha'l ciel cotanti lumi**
5.気高き至福の光よ 3:29 
Alme luci beate**
6.我は見ん、我が太陽を 3:36 
Vedrò'l mio sol*
7.ひねもす涙して 6:52 
Tutto'l di piango**
8.いとど優しき溜息の 5:38 
Dolcissimo sospiro*
9.東の門より 1:54 
Dalla porta d'oriente**
10.麗しのアマリッリ(アマリリ美わし) 2:13 
Amarilli mia bella*
11.憐れみの心動かし 2:22 
Movetevi à pietà*
12.麗しき真紅のばらよ 2:31 
Belle rose proporine*
13.この苦き涙よ 4:15 
Queste lagrim'amare*
14.ああ、戻り来れ 3:48 
Torna, deh torna**
15.輝く麗しの瞳もて 1:56 
Con le luci d'un bel ciglio**

Total Time - 50:48


モンセラート・フィゲーラス(ソプラノ) 
Montserrat Figueras, Gesang 
ホプキンソン・スミス(リュートバロック・ギター) 
Hopkinson Smith, Laute (Joel van Lennep, Boston 1974, nach italienischem Vorbild), Barockgitarre (Joel van Lennep, Boston 1971, nach italienischem Vorbild)
ロバート・クランシー(バロックギター/キタローネ) 
Robert Clancy, Barockgitarre (nach französischem Vorbild), Chitarrone (nach italienischem Vorbild, Peter Biffin, Murrurundi)
ホルディ・サバール(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 
Jordi Savall, Viola da Gamba (Barak Norman, London 1697)
クセニア・シンドラー(ハープ) 
Xenia Schindler, Harfe (diatonische Harfe, sanderson & Taylor, Edinburgh)

Produzent/Producer: SCB, Meinrad Schweizer
Aufnahme/Recording: Pere Casulleras
Technik/Engineering: Tritonus, Stuttgart
Aufgenommen/Recorded: 27.-29. I. 1983. Kirche/Church Amsoldingen/Kanton Bern
Titlebild/Front cover picture: "Allegorie der Musik", aus : Georg Philipp Hardörffer, Frawenzimmer - Gesprächsspiele, Vierter Theil, Nürnberg 1644


◆本CD解説(礒山雅)より◆ 

「伴奏付独唱というのは音楽のごく基本的な形態であるように思えるけれども、自覚的な技法として見るかぎり、始まったのはそう古いことではない。それは、次のような事情によって成立したものである。1670年代の半ば、フィレンツェのジョヴァンニ・デ・バルディ伯爵邸において、一連の学者、詩人、音楽家たちが会合をもつようになった。この人たち(のちに「カメラータ」とよばれた)は、人文主義の理念に基づいて、古代ギリシャの音楽を、当時に復興させることをめざした。そのさい彼らがとくに重視したのは、語と音の緊密な関係の追求、いいかえれば、歌詞に対してもっともふさわしい音楽を付けることによって、歌詞の意味や内容を正しく伝達することである。そのためには、複数の旋律が同時進行する従来のポリフォニーは、廃棄されなくてはならなかった。こうして登場してきたのが、通奏低音の和声的な伴奏を背景とし、独唱声部が歌詞を半ば語るように歌っていくという新しいスタイル(モノディ様式)である。これは当時の人々にきわめて強い印象を与え、オペラ、オラトリオ、カンタータ等の諸ジャンルを派生させて、音楽の様相を大きく塗り変えてしまった。これがすなわち、ルネサンスに代わる、音楽史上のバロックの開始である。
 こうした動きの中心にいた音楽家のひとりが、ジューリオ・カッチーニだった。カッチーニは、1602年(フィレンツェ暦では1601年)、モノディ様式による初期の独唱曲を集めて、『新しい音楽 Le Nuove musiche』と題する曲集を発表する。」
「このディスクは、この『新しい音楽』、および、その続篇たる『新しい音楽と新しい書法 Nuove musiche e nuova maniera di scriverle』(1614)から代表的な15曲を選び、誕生したばかりの独唱歌曲のフレッシュな魅力を、生き生きと現在によみがえらせている。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)に礒山雅による解説、Lorenz Welker (SCB) による「The Texts of Caccini's Songs」(英文)、歌詞対訳(増山暁子)、「バーゼル・スコラ・カントールム・ドクメンタ」シリーズについて(紹介文とCDリスト)。
1984年にDHM(ドイツ・ハルモニア・ムンディ)からLPでリリースされたもののCD化です。

★★★★☆ 


Amor, io parto

youtu.be

 

nekonomorinekotaro.hatenablog.com