『《ブルガリア》 ブルガリアのヴィレッジ・ミュージック 収穫、牧羊、婚礼の調べ』
Village Music of Bulgaria - A harvest, a shepherd, a bride
Collected in Bulgaria & produced by Ethel Raim & Martin Koenig
CD:ワーナーミュージック・ジャパン
シリーズ:Nonesuch Explorer 50+
WPCS-16070 (2013年)
定価¥945/税抜価格¥900
Made in Japan
帯文:
「ブルガリアの情景が目に浮かぶ、ほのぼのとしたコーラスと演奏」
帯裏文:
「ブルガリアに伝わる収穫や牧羊の時の歌、婚礼などの儀式の歌は、世界的な大ヒットとなった“ブルガリアン・ヴォイス”により、すでにお馴染みの音楽となっています。
このアルバムは、そのルーツをたどり、ブルガリアの山村で現地録音を行ったもの。
喜びに満ちた音楽が、より豊かな臨場感を持って響きます。」
ブルガリアのヴィレッジ・ミュージック
―収穫、牧羊、婚礼の調べ
A Harvest, a Shepherd, a Bride
VILLAGE MUSIC OF BULGARIA
Songs and Dances from the Regions of Pirin-Macedonia (Southwest), Rhodope (South), Thrace (Southeast), and Shope (Midwest)
[現地録音] プロデュース:エセル・レイム&マーティン・ケーニヒ
Collected in Bulgaria & produced by Ethel Raim and Martin Koenig
1.風が吹く 0:33
Vetar vee
Vasilka Andonova, Kremena Stancheva, singers
2.カヴァルのソロ 1:58
Triti pùti
Shtiliyan Tihov, kaval
3.私は山へ行きたい 1:21
Ta shto mi e miloj, mamo
Nadezhda Georgieva Klicherova, Gena Ivanova Bodenova, Nadezhda Georgieva Palestova, singers
4.クリヴォ・ホロ 1:48
Krivo Horo
Bitov Orchestra (Atanas Vulchev, gadulka, Rumen Sirakov, tambura, Gospodin Stanev, kaval, Nicola Atanasov, gaida, Simeon Georgiev, tupan)
5.秘密の約束 5:43
Potajno Rada godiya
Lina Gekova Gergova, Menka Ilieva Aronova, singers
6.この悲しい森で 4:00
Zhaina goro, zhai mi e za tebe
Bozhurka Tupankova, singer, Borislav Vassilev, kemene (gadulka)
7.ハイドゥクのデリョが 4:59
Izlel je Delyo hajdutin
Valya Balkanska, singer, Lazar Kanevski, Stephan Zahmanov, kaba gaidi
8.わが子、ディミトロよ 1:22
Dimitro, sino Dimitro
Smolyan Folk Ensemble, Atanas Kapitanov, director
9.お母さん、お願い
Molih ta, majcho i molih
Smolyan Folk Ensemble, Atanas Kapitanov, director
10.ルチェニツァの踊り歌 2:25
Lichkoljo glaven Lichkoljo
Stephan Zahmanov, singer & kaba gaida
11.緑濃い森で 1:43
Lisna, goro spushi sa
Valya Balkanska, singer
12.スヴォルナート――バイドゥシュコ 4:15
Svornato-Pajdushko
Lazar Konevski, Stephan Zahmanov, kaba gaidi
【録音】 1968年 ブルガリア
「現地レコーディングのため、一部に収録時のノイズ等がありますがご了承下さい。」
◆本CD解説(江波戸昭)より◆
「このレコードの取材対象地とされているブルガリア南部の山岳地帯のロドピ山地、その西方のピリン山地、西北方のショピ地方、そしてギリシア・トルコにかけて連なるトラキア地方は、トルコの影響が多く残されており、山間地ということもあって、伝統的な歌や踊りがみられる民俗芸能の宝庫とされるところである。そのような土地柄に目をつけたエセル・レイムとマーティン・ケーニヒが1968年、ブルガリア科学アカデミー、国際文化交流委員会の協力を得て採録したのがこのレコードである。
ブルガリア音楽で最も特徴的なものは、そのリズムと拍子の多様性にある。器楽においても、民謡においても、一般的な2拍子と3拍子、4拍子に加えて、2拍子と3拍子とをいろいろに組み合わせた複合拍子のものや、無拍節的なものが多くみられるのである。このレコードの中だけでも、パイドゥシュカ5/16、スヴォルナート9/16をはじめ、ルチェニツァ7/16、クリヴォ11/16などが収められている。」
◆本CDについて◆
二つ折りブックレット内側にトラックリスト&クレジット(英文)、裏表紙にLP裏ジャケット縮小再現。投げ込み(十字折り)に江波戸昭による解説(「この解説はLP発売時(’83年2月)の解説に一部補筆しています。」)とオリジナル楽曲解説(英文)&歌詞(原詞と英訳)。
オリジナルLPは米Nonesuch「Explorer Series」H-72034としてリリースされました。
本CDは様々なタイプの曲が収録されていてよいです。歌唱&演奏も力強いです。
★★★★★
Vetar vee
解説(江波戸昭)より:
「ショピ地方の収穫の歌を2人の女性が民族発声で歌う。自由拍節的な歌で、この地方に典型的なディアフォニックな歌唱例で、終りにプロヴィクヴァーニャと呼ばれる独特な叫び声がつけられている。」
Krivo Horo
解説(江波戸昭)より:
「ホロはブルガリアで最もポピュラーな輪舞である。(中略)2拍子系が基本だが、しばしば複合リズムが用いられ、それぞれ独自の名がつけられている。クリヴォ・ホロは“いびつな踊り”を意味し、古くはガンキノ・ホロと呼ばれた2+2+3+2+2の11拍子である。」
Izlel je Delyo hajdutin
解説(江波戸昭)より:
「ハイドゥクは東欧一帯に共通する義賊のことで、権力に抗して山岳地帯にこもり、民衆の支持を得てゲリラ活動をつづけた。(中略)ロドピの名歌手ヴァリャ・バルカンスカのソロに、カバ・ガイダが2本で伴奏をしている。」