ディフェランス 『アフィニティ』
DIFFERANCE / AFFINITY
CD: SSE Communications
SSE4043CD (1995年)
¥3,090(Inc. Tax)
帯文:
「THE GREATEST ROCKMUSIC FROM WORLDSIDE OF RISING SUN. FEATURING 10 TRACKS」
"AFFINITY" PROCEED TO THE MAIN LINE OF ROCK MUSIC ON ALL TRACKS BY "DIFFERANCE"
001. THE FRANKENHOOKER'S JUST ALIVE (Difference) 7:21
002. YOU DON'T KNOW...... (Kitamura) 2:11
003. C'MON EVERYBODY (Cochran & Capehart) 4:43
004. HOW CAN I GET TO BREAKTHROUGH ? (Kitamura) 9:11
005. ALL ALONG THE NIGHT I FLY (Nambu & Kitamura) 6:20
006. WARGUS (Kitamura) 4:01
007. YOU DON'T KNOW (FLASH BACK) (Kitamura) 2:18
008. SCARECROW (Kitamura) 10:38
009. PILLET (Junko) 11:05
010. AFFINITY (Kishizawa & Nambu) 4:01
TOTAL TIME, 62 MIN 51 SEC.
PRODUCED BY DIFFERANCE. ALL DIRECTED BY SSE COMMUNICATIONS.
RECORDED AT TRIADE 1994~95. ENGINEERING BY KOKADO MANABU. DIGITAL MASTERING OPERATION AT TOKYO CD CENTER. MASTERED ENGINEERING BY ABE KENJI.
001. KITAMURA MASASHI/Voice & Guitar, OKANIWA NOBORU/Bass, KISHIZAWA MITSUMASA/Drums, JUNKO/Voice, NAMBU HIROSHI/Guitar, KOKADO MANABU/Keyboard.
002. KITAMURA/Guitar & Voice, OKANIWA/Bass, KISHIZAWA/Drums, JUNKO/Voice, KOKADO/Keyboard, NAMBU/Guitar.
003. KISHIZAWA/Drums, NAMBU/Guitar, KITAMURA/Voice & Guitar, JUNKO/Voice, OKANIWA/Bass.
004. KISHIZAWA/Drums, OKANIWA/Bass, KITAMURA/Voice & Guitar, NAMBU/Guitar, JUNKO / Voice, KOKADO/Keyboard.
005. JUNKO/Voice, NAMBU/Guitar, OKANIWA/Bass, KOKADO/Keyboard, KITAMURA/Voice & Guitar, KISHIZAWA/Drums.
006. KITAMURA/Voice & All Instruments.
007. JUNKO/Voice, KOKADO/Keyboard, KITAMURA/Voice.
008. KITAMURA/Guitar, Bass & Voice, KISHIZAWA/Drums, KOKADO/Keyboard, JUNKO/Voice.
009. JUNKO/Voice & Percussion, NAMBU/Guitar, OKANIWA/Bass, KOKADO/Keyboard, KISHIZAWA/Drums, KITAMURA/Guitar & Mellotron.
010. JUNKO/Voice, NAMBU/Guitar, KISHIZAWA/Drums, KITAMURA/Voice & Mellotron, OKANIWA/Bass, KOKADO/Keyboard.
◆本CDについて◆
ジュエルケース(白トレイ)。ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、モノクロ図版12点、カラー図版8点、ブックレット裏表紙にカラー図版1点。
YBO²の北村昌士の’90年代ロック・ユニット「ディフェランス」(ドラムはアサイラムの岸沢光正氏)による第2作。
映画『フランケンフッカー』その他よくわからないキッチュな画像をコラージュしたブックレットの最後の2点はピーター・ハミル『フールズ・メイト』&スコーピオンズ『復讐の蠍団』のジャケ部分拡大図。そうすると「All Along The Night I Fly」の歌詞に「飛行船が私を乗せて」云々とあるのは『フールズ・メイト』収録曲「Imperial Zeppelin」への言及かもしれないですが、タイトル曲「Affinity」のギターとドラムはレッド・ツェッペリン「カスタード・パイ」風味。’80年代インディーズと’70年代ハード・ロックと’60年代トラッド・フォークがPファンクと混在しています。
#3はエディー・コクランの’50年代ロックンロール曲のカバー(タイトルに「YBO」が入っています→「C'mon everYBOdy」)、#9はヴォイスのJUNKO氏のバンドMENSUの1991年作『Menstruation』収録曲のカバーです。
本作の聴き所はなんといっても10分超の大曲#8「Scarecrow」と北村ソロ曲#6「Wargus」で、ディフェランス版「アキレス最後の戦い」&「限りなき戦い」といってもよいです。#6のタイトルになっている「Wargus」に関しては阿部謹也『甦える中世ヨーロッパ』に以下のような記述があります。
「中世において教会の略奪や死者の略奪、加害呪術その他の夜間の重窃盗、放火、強姦、村の境界を犯す境界侵犯などの重い罪を犯した人間は、平和喪失の宣告をうけたのです。平和喪失の宣告とは、誰でもその人間を殺してもかまわない、つまり彼を守る者は誰もいないという状態におかれることで、国の中に住むところがなくなるのです。つまり小宇宙に住むことが許されず、森に逃げていかねばならないのです。このような平和喪失者を当時の言葉でヴァルグス Wargus といいますがこれは狼を意味し、狼のように人間に追い立てられ、誰が殺してもかまわない存在になったことを示しているのです。」「平和喪失の宣告をうけることは死の宣告に等しかったのです。この時代の判決では平和を失った人間に対して、「汝の妻を寡婦とし、子どもを孤児とする」とあって「人間世界に住むこと」を禁じています。彼は小宇宙をはなれ、その瞬間に死者の世界に足を踏み入れるのです。ときには狼の頭をかぶせられて追放された例もあります。「人間狼」は小宇宙から大宇宙へ追放された人間なのです。」
ジャケ画像はデューラー「メランコリアⅠ」の犬(Canis lupus familiaris)ですが、メランコリックな人類最良の友は己のDNAに棲む「Wargus」=Canis Lupusの夢をみているのかもしれないです。
★★★★★