幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

Phew  『ニューワールド』

Phew 
『ニューワールド』 
A New World 


CD: felicity/SSNW 
FCT UNITED SOUNDS OF MIND '15 
PECF-1130/felicity cop-244 (2015年) 
定価:¥2,700+税 
Manufactured by SPACE SHOWER MUSIC 
Distributed by SPACE SHOWER NETWORKS INC. 
Made in Japan 

 


帯裏文:

「伝説のパンク・バンド「アーント・サリー」でデビュー以降、革新的な音楽で時代を彩ってきたドイツのCAN、DAFノイバウテンのメンバーとのアルバム制作やバンド「MOST」など時代の音と唯一響きを持つ声で我々を驚かし続けてきた日本が誇るパンク・レジェンドPhew
ソロ名義のオリジナル・アルバムとしては20年ぶりとなる新作「ニューワールド」がここに完成。常に新次元に突入し、世代問わず新たなリスナーを虜にし続ける彼女が2015年という時代に選び出した全9曲。揺るぎ無い響きが詰め込まれた他の追随を許さない希代の傑作に心を震わせる時がきました。」


1.A New World ニューワールド (Phew) [6:22] 
2.Where Are You? どこにいるの (Phew) [5:46] 
3.Finale 2015 終曲2015 (Phew) [6:26] 
4.Spark スパーク (Lyrics: Phew/Music: Phew, Hiroyuki Nagashima) [4:41] 
5.An Acoustic New World ニューワールド・アコースティック (Phew) [1:50] 
6.Chinese Rocks チャイニーズ・ロックス (Dee Dee Raone, Johnny Ramone and Joey Ramone) [6:22] 
7.My Waltz わたしのワルツ (Phew) [2:25] 
8.See You Again また会いましょう (Lyrics: Phew/Music: Phew, Hiroyuki Nagashima) [5:24] 
9.浜辺の歌 浜辺の歌 (林古渓/成田為三) [5:48] 


Phew: Vocals, Synthesizers, Electronics 
Hiroyuku Nagashima (Dowser): Synthesizers, Electronics 
John Dietrich: Guitars on Track 2, 4, 6, 8 
Yuriko Mukoujima: Accordion on Track 5, 6, 9, Viola, Violin on Track 8, Piano on Track 9 

Recorded at My Place, John's House 
And Gok Sound by Naoyuki Uchida (Tracks 5, 6, 8, 9) 
Sound Designed by Hiroyuki Nagashima (Dowser) 
Mastered by Hiroyuki Nagashima (Dowser) 
Produced by Phew 

Design: Yutaka Kimura (Central 67) 
Photography: Tomoko Yoneda 
Cover Photo: KIMUSA 12, 2009 


◆本CD歌詞より◆

「膨大な電気エネルギーの集中 
いわば流動コンデンサーのようなもの

わたしはひとつの穴になる
やっとぐっすり眠れます」
(「ニューワールド」より)

「仲良くなりたかった
声が遠ざかる
話がしたかった
ずっと見ていたいの
もう少しここにいたいの
話がしたかった
ずっとここにいたかった」
(「どこにいるの」より)

「もう誰もいないから
何も聞こえないから
誰かに逢いにいこう
ここで歌いましょう

電波人形がゆらゆら
見えないダンスを踊る  電子の?
みんな一緒にこわれた
わたしもここで踊りましょう

世界が忘れたように
わたしも忘れましょう
生まれてきたことも
生きていることも」
(「終曲2015」より)

「生まれなかったもの 眠っている光 闇です
生きているあなた 眠れない闇 光です

静寂の真空 電子が生まれる
安堵には音がある
夢の場所から聞こえてきます」
(「スパーク」より)

「さようなら
ゆったりとした幸せな気分 だ」

「返事をする必要のない 呼びかけ
完全な穏やかさ まひ 完璧な幸福」

「いいねいいね
また会いましょう

さようなら

もう存在しない星からの光に照らされている
わたしたち」
(「また会いましょう」より)

「あした浜辺を さまよえば
昔のことぞ しのばるる
風の音よ 雲のさまよ
寄する波も 貝の色も」
(「浜辺の歌」より)


◆本CDについて◆

見開き紙ジャケット(A式)仕様。裏ジャケにトラックリスト、中ジャケにアーティスト写真。ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、歌詞。

1980年のシングル「終曲/うらはら」(坂本龍一プロデュース)、1981年の1st『Phew』(CANのメンバーが参加、コニー・プランクのスタジオでのドイツ録音)、1987年の2ndロック系歌もの名作『View』、1991年のヒーリング系歌ものミニアルバム『Songs』、1992年のアヴァンロック/プログレッシヴな3rd『Our Likeness』(ノイバウテンDAFのメンバーが参加)、1995年、自らのレーベルAlidaからの歌もの名作4th『秘密のナイフ』、2010年のカバー・アルバム名作5th『Five Finger Discount』に続く2015年作6th。一時期はプレスリージュリエット・グレコのような「歌手」になりたいと思ったこともあったと『Phew Video』(2001年)のインタビューで語っておられましたが、本作以降は原点に戻ったような、エレクトロニクスと声(ハナウタ)をメインにした音作りになっています。
特に#2、3、4は1stシングル/1stアルバムをさらに稠密&ハードにしたような楽曲になっています。#8は『Our Likeness』っぽいです。#6、9は前作に引き続いてのカバー曲、#6はラモーンズのカバーで、アーント・サリーでも「電撃バップ」をカバーしていたので原点回帰ですが、エレクトロニクスをバックにカタカナ英語で呟き朗詠するスタイルは、現今の猫も杓子も「歌うま」をめざす風潮に対する「否」であって、まさにパンクそのもの、多様性のあるべき姿です。#9はほぼ100年前に作られた曲ですが、エレクトロニクスによる自然回帰=母胎回帰であり、フェミニズムの極北かもしれないです。

★★★★★


Spark


Phew "A New World / ニューワールド" (Official Music Video)