幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

佐藤豊彦 『スペイン風変奏の芸術(スペイン・ビウェラ作品集)』

佐藤豊彦 『スペイン風変奏の芸術(スペイン・ビウェラ作品集)』
The Art of Spanish Variations
"Conde Claros" and other Spanish Vihuela Music
Philips Digital Classics


CD: 日本フォノグラム
PHCP-179 (1991年)
税込定価2,800円(税抜価格2,718円)

 

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アロンソ・ムダラ Alonso Mudarra (before 1520―1580)
1. 「クラロス伯爵」の変奏曲 Diferencias sobre el Conde Claros 3:09
2. ルドゥビコの手法によるハープ風ファンタジー Fantasia que contrahaze la harpa en la manera de Ludovico 2:12
3. 「牛を見張れ」のロマネスカ風変奏曲 Romanesca: Guardame las Vacas 1:50
アントニオ・デ・カベソン Antonio de Cabezón (ca. 1500―1566)
4. ロマンス:「私の気持ちを誰に訴えよう」 Romance: Para quien crie yo cabellos 3:29
エンリケス・デ・バルデラバノ Enriques de Valderrábano (16th C.)
5. 「クラロス伯爵」の変奏曲〈二重奏〉Conde Claros (para dos Vihuelas) 2:26
6. グラウンドによる変奏曲〈二重奏〉Discantar sobre un punto (para dos Vihuelas) 3:24
7. 「牛を見張れ」の主題による7つの変奏 Siete diferencias sobre Guardame las Vacas 3:25
8. ロンバルト舞曲風ソネット Soneto lombardo a manera de dança 1:50
9. 「クラロス伯爵」の変奏曲 Diferencias sobre Conde Claros 10:04
ルイス・ミラン Luis Milán (ca. 1500―ca. 1565)
10. 第8旋法によるファンタジー Fantasia del octavo tono 3:46
11. 第4旋法によるファンタジー Fantasia del quarto tono 2:24
ルイス・デ・ナルバエス Luis de Narváez (ca. 1500―ca. 1555)
12. 「クラロス伯爵」の変奏曲 Conde Claros con diferencias 4:51
13. 「牛を見張れ」の変奏曲 Diferencias sobre Guardame las Vacas 3:03
14. 皇帝の歌~ジョスカン・デ・プレの「果てしなき悔い」より Cancion del Emperador; sobre "Mille Regretz" de Josquin des Prez 2:49
ディエゴ・ピサドール Diego Pisador (ca. 1509―ca. 1560)
15. 宗教祭の歌:「コーティザン」(高級娼婦)Villanesca: La Cortesía 2:16
16. 「クラロス伯爵」の変奏曲 Conde Claros con cierta diferencias 7:50

Total Playing Time 60:11


佐藤豊彦(ビウェラ)
Toyohiko Satoh: vihuela
アイリーン・トーマス(セカンド・ビウェラ)
Ireen Thomas: second vihuela

録音: 1989年10月、オランダ、ハーレム(Doopsgezinde Kerk, Haarlem)
デジタル録音

Production: CHANNEL CLASSICS STUDIO
Executive Producer: C. Jared Sacks
Producer, Recording Engineer: Bert van der Wolf

Instrument: Seven-course vihuela, copying 16th century models, built by Bert Kwakkel in 1989, Dieren, Holland.


◆本CD解説「『スペイン式変奏の芸術』ビウェラ曲集」(佐藤豊彦)より◆

「サラセン人の大移動と共にリュート(ウード)がスペインへ持ち込まれて700年も経った1492年、同年にスペインに残っていた最後の回教王国グラナダが陥落して、スペインは事実上全土がキリスト教の支配地となる。(中略)リュートが突然その時点から異教徒の楽器となってしまったのである。かと言ってすでにヨーロッパに深く根付いたリュートを放棄する訳にもいかない。そこで考えらえたのが変身である。つまりイタリアではすでに15世紀に流行していた撥弦ヴィオラ(viola da mano)にリュート調弦法を用いれば良い訳で、ギターの形をしたリュートが生まれる。称して撥弦ビウェラ(Vihuela de mano)である。」
「しかしこれだけがビウェラの生まれた理由ではなかった。(中略)スペインは実は一般庶民にとっては貧しい国であった。製作の面からしてもビウェラはリュートよりもずっと安上りで、それが理由で一般庶民はビウェラの方を多く用いたであろうと思われる。
 いずれにせよルイス・ミランの作品集が1536年に出版されてアントニオ・デ・カベソンの1578年の出版までのわずかに40数年間がスペインのビウェラ音楽の黄金時代であった。その中で1538年のルイス・デ・ナルバエスの作品中に初めて『ディフェレンシアス(Diferencias)』というタイトルが見られる。これがいわゆる『変奏曲(Variation)』の始まりで、音楽史上画期的な出来事である。とりわけその中でも『クラロス伯爵(Conde Claros)』と『牛を見張れ(Guardame las Vacas)』の2曲が有名で、大変に流行した。このCDでも“クラロス伯爵”が5曲、“牛を見張れ”が3曲取り上げられた。」


◆本CDについて◆

ブックレット(全8頁)に解説(佐藤豊彦)と演奏者紹介「佐藤豊彦について」。
オランダの「Channel Classics」からも「Toyohiko Satoh 3」としてリリースされています。

★★★★★


from Libro de música de Vihuela: Conde Claros Con Cierta Diferencias

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