『マッテオ・ダ・ペルージャ： ヴィルレ／バラード／カッチャ』
Perusio: Virelais - Ballades - Caccia
パウル・ファン・ネーヴェル指揮／ウエルガス・アンサンブル
Huelgas Ensemble/Paul Van Nevel
CD: Sony Records/Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
Sony Classical／ヴィヴァルテ・シリーズ
SRCR 2382 (1999)
定価￥2,520（税抜価格￥2,400）
帯文：
「謎の作曲家ペルージャの幻想的な作品の数々を、美しく奏で上げる――」
帯裏文：
「パウル・ファン・ネーヴェル指揮するウエルガス・アンサンブルによる「マッテオ・ダ・ペルージャ作品集」。ペルージャは、15世紀イタリアで活躍した作曲家であるが、その生涯は殆ど知られていない。1402～1416年にかけての記録が残っているのみである。それによると1402年にミラノ大聖堂の第1楽長になり、1407年にはパヴィア、1409年にはボローニャに移り、1414年には再びミラノの大聖堂で聖歌隊長を勤めた。1416年以降のことは現在には伝わっていない。このアルバムでは、彼の残した宗教音楽を演奏、透明な美しいハーモニーでその魅力を今に伝える。」
マテウス・デ・ペルージオ
Matheus de Perusio
(† ca. 1418)
1．おお、四月 7：55
Helas Avril (Three-part virelai)
Cécile Roovers, Marie-Claude Vallin, Els Van Laethem: cantus
2．めでたし、聖なる世界の救い - 神の子羊 2：23
Ave, sancta mundi salus - Tenor: Agnus Dei
Cécile Roovers, Marie-Claude Vallin, Ellen Van Gam, Els Van Laethem, Katelijne Van Laethem: cantus
Eitan Sorek, Stéphane Van Dijck: tenor
3．死がかくも無残に 11：38
Puisque la mort (Three-part ballade. Elegy on the death of Eleanor of Aragon)
Marie-Claude Vallin, Katelijne Van Laethem: cantus
Eitan sorek, Harry Van Berne, Stéphane Van Dijck: tenor
Willem Ceuleers, Harry van der Kamp: bassus
4．グローリア：霊魂、そして孤児たちの慈悲深き守護者 5：27
Gloria: Spiritus et alme (Four-part section, troped)
Marie-Claude Vallin, Els Van laethem: cantus
5．おお、私は今何をなすべきか 6：28
Heylas que feray (Three-part virelai)
Marie-Claude Vallin: cantus
Harry Van Berne: tenor
6．グローリア 2：09
Gloria (Three-part canonic mass section in caccia style)
Cecile Roovers, Marie-Claude Vallin, Ellen van Ham, Els Van Laethem, Katelijne Van Laethem: cantus
7．すでに愛のわなから 6：00
Già da rete d'amor (Three-part Italian ballata)
Harry Van Berne: tenor
Willem Ceuleers, Harry van der Kamp: bassus
8．私は安らぎを見出さない 8：29
Trover ne puis (Three-part rondeau in commixtio style)
Eitan Sorek: tenor
Harry van der Kamp: bassus
9．殉教者の桂冠はつねにあおく 9：13
Laurea martirii - Conlaudanda est (Three- and four-part isorhythmic motet in praise of Saint Lawrence)
Cécile Roovers, Marie-Claude Vallin, Ellen van Ham, Els Van Laethem, Katelijne Van Laethem: cantus
Total Time: 61710
パウル・ファン・ネーヴェル指揮
Paul Van Nevel, conductor
ウエルガス・アンサンブル
Huelgas Ensemble
Cécile Roovers, Marie-Claude Vallin, Ellen van Ham, Els Van Laethem, Katelijne Van Laethem
Eitan Sorek, Harry Van Berne, Stéphane Van Dijck
Willem Ceuleers, Harry van der Kamp
Trompette de ménestrel: Wim Bécu
Recorders: Bart Coen, Peter Declercq
Fiddle: An Van Laethem
Vièle & Shawm: René Van Laken
Producer/Recoring Supervisor: Wolf Erichson
Recording Engineer/Editing/mastering: Markus Heiland (Tritonus)
Assistant Engineer: Karsten Renz (Tritonus)
Recording: Doopsgezinde Kerk, Haarlem, The Netherlands, November 6-8, 1996
Philological Advice: Eugène Green
Transcriptions: Kurt von Fischer, Paul Van Nevel
Art Direction: Lisa Hamilton
Cover Art: "Das Paradies" by Hieronymus Bosch (ca. 1450-1516); Vienna, Akademie der Bildenden Künste; Courtesy: AKG
Booklet by Hamburg Editorial
For this recording, 20-bit technology was used to maximize sound quality. SBM
◆本CD解説（パウル・ファン・ネーヴェル）より◆
「マテウス・デ・ペルージオ（イタリア語名のマッテオ・ダ・ペルージャでも知られている）は、音楽史にわずかな足跡しか残さなかった。彼の人生と作品に関する事実は、1402年から16年にかけての期間についてしかわかっておらず、この時期の前後については時の霧のなかにのみ込まれたままである。」
「ペルージオの現存する作品数は30曲ほどであり、これに作曲家が決定できない7曲とほかの作曲家の作品に彼が付け加えたコントラテノールのパートいくつかを加えても、多くが残されているとはいえない。しかし、量的には少ないとしても、ペルージオの作品の質は優れたものであり、その独創性、大胆さそして変化に富んだ様式によって魅力的な存在である。アルス・スブティリオールの作曲家たちのなかでマテウス・デ・ペルージオは、例えばその同時代人であるヨハンネス・チコーニア（1370年頃―1411）とは対象的に折衷主義的な立場を取っている。（中略）彼の作曲家としての影響力は無視できるものであるが、彼の頑固さ（間違いなく彼が当時の音楽界で孤立していた理由の一つである）は、その決定的なまでに個性的な様式としばしば使われている独特の記譜法（中略）において現れている。」
「彼の作品は、アルス・ノーヴァからアルス・スブティリオールを経て、デュファイの世代へとかかる橋となっているのである。」
訳注より：
「アルス・スブティリオール（繊細な芸術）とは、アルス・ノーヴァ後期において特にアヴィニョンを中心に行われたある種のマニエリスティックな様式のことである。ラテン語の用語であるが、フィリップ・ド・ヴィトリの書名にちなむアルス・ノーヴァとは異なり、より一般的な用語であるマニエリスムと区別するために、ゲッティンゲン大学のウルズラ・ギュンター教授によって提唱され、その後広く用いられるようになった現代の用語である。」
◆本CDについて◆
ブックレット（全24頁）にパウル・ファン・ネーヴェルによる解説「マテウス・デ・ペルージオ：アルス・スブティリオールの折衷的個人主義者」（訳：石川陽一）、歌詞対訳（訳：石川陽一）、楽譜図版（モノクロ）1点。ブックレット裏表紙に図版（カラー）1点。
★★★★★
Virelais · Ballades · Caccia
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