『バルカン・大地の声~ブルガリアの音楽』
Music of Bulgaria
ワールド・ミュージック・ライブラリー 46
CD: キングレコード株式会社
KICC 5146 MONO (1991年)
税込定価¥2,500(税抜価格¥2,427)
帯文:
「合唱の概念を変えてしまったブルガリアの女性コーラス。
大地に根ざした、これぞ素朴で力強いブルガリアン・ヴォイス。」
帯裏文:
「合唱の概念を変えてしまったブルガリアの女性コーラス。そのベースとなった民謡をはじめ、大地に根ざした様々な伝統音楽を幅広く紹介する。今や聴くことのできなくなった貴重な音源も数多く収録されている。」
§ 牧童の笛“カヴァル”独奏
●Kaval Solo
1.コパニツァ・ホロ 2:32
Kopanitsa Horo
2.オブチャルスカ 1:05
Pvcharska
3.チェットヴォルノ・ホロ 1:47
Chetvorno Horo
4.パイドゥーシュコ・ホロ 1:05
Paidushko Horo
§ ヴァイオリンと歌
●Violin and Voice
5.民謡「今夜、恋人に逢いに行くよ」 3:07
Tonight, I'll See My Girl
6.ガンキノ・ホロ 2:08
Gankino Horo
7.民謡「どうしてうちの店で買わないのですか」 2:50
Why Don't You Buy at My Shop?
8.ルチェニッツァ・ホロ 1:08
Ruchenitsa Horo
§ ガドゥルカ独奏
●Gadulka Solo
10.人形の踊りの伴奏音楽 1:54
Music for a Puppet Dance
11.ラドミール民謡 1:30
Folksong of Radomir
12.黒いニワトリ 1:06
Horo Za Raka "Lile Lile"
13.セヴェルニャシュコ・ホロ 1:34
Severnyashko Horo
§ ガイダ独奏
●Gaida Solo
14.民謡の旋律 1:36
Folk Tune
15.民俗舞踊の旋律 1:11
Tune of Folk Dances
16.麦刈歌「牧童と娘」 1:50
Mowing Song "A SHepherd and a Girl"
17.麦刈歌「最も美人の娘」 0:48
Mowing Song "Maro le Maro"
18.ホロの歌「ペトルンコほどの娘は、多くの村を尋ねてもいない」 0:43
Song of Horo "Petrunko"
19.夜の仕事の歌「セデンキアにどんな娘が来てくれるだろう」 1:04
Song of Night Work "Sedenkia"
20.セデンキアの歌「娘が針仕事をしているとき、どんな青年が戸口からやって来るでしょう」 0:20
Song of Sedenkia "A Lad Is Coming In"
21.抒情歌「ロシアの助けがあるまで、ブルガリアは悲しみに沈んでいた」 1:07
Lyrical Song "Bulgaria Was Sad"
22.麦刈歌「ペトカナが云った、彼女の美しい兄弟は、ひとりで何でも仕事ができると」 1:54
Mowing Song "Petkana Said....."
23.麦刈歌「太陽が強く輝き」 1:31
Mowing Song "The Sun Is Shining"
24.クリスマスの歌Ⅰ 0:36
Song of Christmas I
25.クリスマスの歌Ⅱ 0:29
Song of Christmas II
26.野良に行くときの歌 1:58
Song for Going to the Fields
27.仕事の歌 1:37
Farming Song
28.麦刈歌「畠の麦、あなたひとりで全部刈ることができますか」 1:50
Mowing Song "Can You Cut All the Barley In the Fields?"
29.ホロの歌 13:28
Song of Horo
#1~4: カヴァル: メトディ・ヤンチェフ
Kaval: Metodi Yanchev
#5~9: ヴァイオリンと歌: ペーテル・イワーノフ・テーノフ
Violin & Sung by: Peter Ivanov Tenov
#11~13: ガドゥルカ: ヤンコ・ストイロフ・ボイロフ
Gadulka: Yanko Stoilov Bojilov
#10,14: ガドゥルカとガイダ: ヴァシル・ペトロフ・ミンチェフ
Gadulka & Gaida: Vasil Petrov Minchev
#15: ガイダ: ゲオルギ・ツベターノフ・ヤンチェフ
Gaida: Georgi Tsvetanov Yanchef
#16~20: 歌: ラザリナ・スタンコーヴァ(主唱者)/ネヴェナ・ミルチヴァ/イヴァンカ・ツヴェターノヴァ
Sung by Lazarina Stankova/Nevena Mirchva/Ivanka Tsvetanova
#21~22: 歌: ヴァシルカ・トドロヴァ
Sung by Vasilka Todolova
#23: 歌: ペトラ・ムアデノーヴァ(主唱者)/キルカ・ヨルダノーヴァ/トライカ・コレーヴァ
Sung by Petra Muadenova (Leader)/Kirka Yordanova/Traika Koleva
#28~29: 歌: ゲナ・チェコヴァ・ステファノヴァ
Sung by Gena Chekova Stefanova
監修: 小泉文夫・小柴はるみ
Cover Design: 美登英利
Cover Photo: ブルガリアの器(八百板洋子 提供)
「現地録音につき若干のノイズがあります。ご了承下さい。」
◆本CD解説(小泉文夫)より◆
「今回ここで紹介するブルガリア音楽は、ブルガリア独特の民俗楽器の独奏を中心とし、それに民謡の独唱や合唱を加えたものである。これらはいずれも芸術的に編曲し直したものではなく、現地の生活の中で行なわれているありのままの形であるため、それほど洗練され磨かれたものという印象は与えない。しかし、かえってそこにブルガリアらしい素朴で率直な表現がうかがえる。
始めにカヴァルの独奏が4曲ほど収められている。この楽器は日本の尺八によく似た縦笛で、西アジアで使われているナイまたはネイと呼ばれる葦笛を祖先としている。ブルガリアでは葦が生えないため木を用い、三つの部分が角で補強された関節で継がれている。」
「次にヴァイオリンとその伴奏による歌を5曲取り出してある。」
「ガドゥルカは共鳴弦のついた弓奏楽器で、これによく似たものがトルコではケマンチェ、ギリシアではリラと呼ばれている。」
「結婚式の踊りなどで用いられる民俗楽器は、ガイダと呼ばれているバグ・パイプである。これは非常に素朴な旋律パイプ1本とドローンパイプ(持続音)1本からなり、(中略)西ヨーロッパに見られるような数本のドローンを持つものに比べて、非常に簡素な楽器で、山羊または羊の皮袋を小脇に抱えて演奏する。
さて、ブルガリア音楽で注目すべき大きなジャンルは声楽である。声楽もベルカント的な発声法によるものと、ブルガリア本来の地声によるものの2種類がある。(中略)ここで紹介しているのは後者の民謡で、これは地方によって数種類に分かれている。」
「歌を録音したシメオノーヴォ村やボイアナ村はどちらも首都ソフィアからあまり遠くないところにある。ブルガリアの民謡の特徴は野良で歌われるものによく現われている。これはまず1人で歌うということはほとんどなく、必ず最低3人の人間が合唱する。そして(中略)1人が主唱者となり他は助唱者もしくはドローン、平行オルガヌムの役割を果たしており、和音的には短2度がぶつかり合うようなこともあって、非常に鋭く強い響きになることが多い。」
◆本CDについて◆
古いモノラル音源(LPクレジットによると1964年8月現地録音)で、一部テープの劣化(?)による聞き苦しい部分があります。
ブックレットに「楽曲解説」(小泉文夫)、英文解説、写真図版(モノクロ)1点、「ワールド・ミュージック・ライブラリー」CDリスト、地図2点。
1978年にLP「世界の民俗音楽シリーズ」『ブルガリアの音楽』(GXC-5007)としてリリースされ、1988年に「エスニック・サウンド・コレクション 24」『バルカン・大地の声~ブルガリアの音楽』(K30Y-5124)としてCD化、本CDを経て、1999年の「ワールド・ミュージック・ライブラリー 96」『ブルガリアの音楽―バルカン・大地の歌』(KICW-1096)、2008年の「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 91」『ブルガリアの音楽』(KICW-85127)。
★★★★☆
ところで、上に引用したトラックリスト&演奏者クレジットは原文通りですが(上記すべてのリリースでの表記も本CDのものと同一です)、やや疑義があるので、おそらくこうでもあろうと想定されるものを以下に再構成しておきます。
§ 牧童の笛“カヴァル”独奏
1.コパニツァ・ホロ 2:32
2.オブチャルスカ 1:05
3.チェットヴォルノ・ホロ 1:47
4.パイドゥーシュコ・ホロ 1:05
§ ヴァイオリンと歌
5.民謡「今夜、恋人に逢いに行くよ」 3:07
6.ガンキノ・ホロ 2:08
7.民謡「どうしてうちの店で買わないのですか」 2:50
8.ルチェニッツァ・ホロ 1:08
§ ガドゥルカ独奏
10.人形の踊りの伴奏音楽 1:54
§歌
11.麦刈歌「畠の麦、あなたひとりで全部刈ることができますか」 1:30
12.ホロの歌「黒いニワトリ」(?) 1:06
§ ガドゥルカ独奏
13.セヴェルニャシュコ・ホロ 1:34
14.民謡の旋律 1:36
15.民俗舞踊の旋律 1:11
§歌
16.麦刈歌「牧童と娘」 1:50
17.麦刈歌「最も美人の娘」 0:48
18.ホロの歌「ペトルンコほどの娘は、多くの村を尋ねてもいない」 0:43
19.夜の仕事の歌「セデンキアにどんな娘が来てくれるだろう」 1:04
20.セデンキアの歌「娘が針仕事をしているとき、どんな青年が戸口からやって来るでしょう」 0:20
21.抒情歌「ロシアの助けがあるまで、ブルガリアは悲しみに沈んでいた」 1:07
22.麦刈歌「ペトカナが云った、彼女の美しい兄弟は、ひとりで何でも仕事ができると」 1:54
23.麦刈歌「太陽が強く輝き」 1:31
24.クリスマスの歌Ⅰ 0:36
25.クリスマスの歌Ⅱ 0:29
26.野良に行くときの歌 1:58
27.仕事の歌 1:37
§ ガイダ独奏
28.ラドミール民謡 1:50
29.Horo Za Raka "Lile Lile" 13:28
#1~4: カヴァル: メトディ・ヤンチェフ
#5~9: ヴァイオリンと歌: ペーテル・イワーノフ・テーノフ
#10: ガドゥルカ: ヴァシル・ペトロフ・ミンチェフ
#11,12: 歌: ゲナ・チェコヴァ・ステファノヴァ
#13~15: ガドゥルカ: ヤンコ・ストイロフ・ボイロフ
#16~20: 歌: ラザリナ・スタンコーヴァ(主唱者)/ネヴェナ・ミルチヴァ/イヴァンカ・ツヴェターノヴァ
#21~22: 歌: ヴァシルカ・トドロヴァ
#23: 歌: ペトラ・ムアデノーヴァ(主唱者)/キルカ・ヨルダノーヴァ/トライカ・コレーヴァ
#24~27: 歌(男声): 不明
#28~29: ガイダ: ゲオルギ・ツベターノフ・ヤンチェフ
Sitno Severnyashko Horo
Horo Za Raka "Lile Lile"
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