『タイの古典音楽 ― ベンチャロン・タナコーセート、チャルーム・ムアンプレシー』

『タイの古典音楽 ― ベンチャロン・タナコーセート、チャルーム・ムアンプレシー』
Classical Music of Thailand: Benjarong Thanakoset, Chaloem Muanphresi
ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 9  


CD: キングレコード株式会社 
KICW 85014/5 (2008年) 2枚組 
定価¥2,800(税抜価格¥2,667) 

 

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帯文: 

「アユタヤ、スコターイ王朝を彩ったタイの古典音楽決定盤。
弓奏のソー・ウー、ソー・ドゥアンやタイの琴チャケーなど雅な世界。」


帯裏文: 

「タイの古典音楽の魅力は、インドシナ独特の音階とたゆたうようなテンポ感覚でしょう。特にソー・ドゥアンとソー・サムサーイ、二人の国宝級奏者の見事な演奏は、本国でもなかなか聴くことの出来ないものです。王様にも作曲者を持つという王宮文化の豊かさが伺えるアルバムです。チャケーも聴きもの。」
「★1991年発表の
KICC-5125、
1992年発表の
KICC-5158と
同内容です。」


Disc 1 

1.チャケー独奏 Jakhe Solo 23:19 
カメーン・サイヨーク Khamen Saiyok 
カメーン・パーイ・ルア Khamen Phai Rua 
カメーン・クロム・ルーク Khamen Klom Luk 
スコータイ Sukhothai 
カメーン・ピー・ケオ Khamen Pi Kaeo 
ラーオ・ペーン Lao Phaen 
2.クルアン・サーイ合奏 Khruang Sai Ensemble 29:34 
ホームローン・アイヤレート Homrong Aiyaret 
ラーオ・シアン・ティアン(タオ) Lao Siang Thian (Thao) 
ラーオ・レック・タット・ソイ Lao Lek Tat Soi 
ラーオ・レン・ナーム Lao Len Nam 

チャケー: ニパー・ソーパーサムリット(1,2) 
ソー・ドゥアン: ペンチャロン・タナコーセート(2) 
ソー・ウー: チャルーム・ムアンプレーシー(2) 
Jakhe: Nipha Sophasamrit
So Duang: Benjarong Thanakoset
So U: Chaloem Muangphresi


Disc 2

1.ソー・ドゥアン独奏 So Duang Solo 22:10 
悲しみの王 The Sad King 
ケーク・モーン Kheak Moon 
うぐいす The Nightingale 
2.ソー・ウー独奏 So U Solo 20:17 
都を行く Going To The City 
サーラティ Sarati 
3.ソー・サムサーイ独奏 So Saamu Saai Solo 25:33 
6つの小節 Six Short Melodies 
アータン(ヴェーダー) Aatan (Weedaa)
高貴な子守歌 Aristocratic Cradle Song 

ソー・ドゥアン、ソー・ウー: ベンチャロン・タナコーセート(1,2) 
ソー・サムサーイ: チャルーム・ムアンプレシー(3) 
トーン、ラムマナー: ソムキアット・プルームプリーチャー(1,2,3) 
チン: タノン・チェムウィモン(1,2,3) 
So Duang, So U: Benjarong Thanakoset
So Saamu Saai: Chaloem Muangphresi
Thon, Rammana: Somkiat Plumpricha
Ching: Thanong Jemwimon


録音: 1991年3月19日、バンコック
Recorded: 19 March 1991, Bangkok 

Producer: Hoshikawa Kyoji 
Engineer: Matsubayashi Masashi 
監修: 千徳美穂 
Special Arrangement: Sentoku Miho 

Recorded by King Record Co., Ltd.

Cover Design: mitografico
Cover Photo: タイ・ラックシュマナ像(国立民族学博物館所蔵/富浦隆則撮影) 


◆本CD解説(アドゥン・カナンシン)より◆ 

「ヂャケー独奏
 3弦の鰐琴ヂャケーの独奏とトーン(片面太鼓)、ラムマナー(片面の鋲打ち太鼓)、チン(シンバル)の伴奏によるメドレー。ヂャケーのトレモロの響きが印象的である。カメーン(カンボジア風)という曲調の、ゆったりした曲が3曲、ポーズなしに続いて演奏されている。
i カメーン・サイヨーク 
 「戦場に架ける橋」で知られるカンチャナブリーにあるサイヨークの滝の美しさを称える、タイではとてもポピュラーな古典曲。作曲はチュラロンコン王の弟にあたるナリス王子(1863‐1947)。(中略)
ii カメーン・パーイ・ルア 
 パイルアは、舟を漕ぐという意味
iii カメーン・クロム・ルーク 
 子守歌
iv スコータイ 
 (中略)古典音楽の師として敬愛されるモントリー・トラモート(1908‐1995)の作曲。(中略)スコータイ王朝に関する考古学的資料に基づき作ったという。
v カメーン・ピー・ケオ 
 19世紀後半、チョーイ・スンタラワティンによって作られた名曲。ピー(オーボエ)の美しい響きを描いている。
vi ラーオ・ペーン 
 ラーオ(ラオス風)という、ゆったりしているが、カメーンよりは抑揚のある曲調の古曲。」

「クルアン・サーイ合奏 
 タイ古典音楽の合奏形態は、旋律打楽器を中心としたピパート、弦楽器中心のクルアンサーイ、ピパットとクルアン・サーイの中間的な構成のマホーリーという3つの編成がある。これらの演奏形態はスコータイ王朝時代(13‐15世紀前半)にはできあがっていたといわれていて、カンボジアラオスにもみられるアンサンブルである。」
「i ホームローン・アイヤレート 
 ホームローンは公演の始めに演奏される“前奏曲”のことでさまざまな曲がある。アイヤレートは象という意味。
ii ラーオ・シアン・ティアン(タオ) 
 タイ音楽の巨匠ルアン・プラディットパイロ(1881‐1954)の代表作。(中略)
 タオとは、基本的旋律を拡大・縮小し、3段階の変奏をする、タイの古典曲にはよくみられる形式。この曲は、1933年にプラディットパイロが、既存の基本旋律に変奏部分を作曲した。
iii ラーオ・レック・タット・ソイ~ラーオ・レン・ナーム 
 ラーオ風の小曲2曲。」

「ソー・ドゥアン独奏 
1)悲しみの王: ウェーサンドーン王(仏陀の前世)、マットスィー(その妻)とその子供たちが都から追い出される場面など、高貴な人の悲しみの場面で演奏される曲。
2)ケーク・モーン: モン族スタイルの有名な古曲の一つ。(中略) 
3)うぐいす: 本来歌曲として作られたものとも言われている。」
「ソー・ウー独奏 
1)都を行く: ルアン・プラディット・パイロ(ソーン・スィンラバ・バンレーン)作曲。偉大な作曲家で、宮廷音楽の指導者でもあった。1915年、ラーマ6世随行し、南タイの都市ナコーン・スィ・タムマラートを訪れた際に、カメーン・カウキェーウという曲を元にこの曲を作った。(中略)
2)サーラティ: タイ古典音楽のチャー(ゆっくりしたリズムの曲)というジャンルの、ルアンスタイルの曲。ルアンとは、舞踊劇の中などで、物語の展開に合わせ、いくつかの独立したメロディをメドレーで演奏して、一つの曲を構成する技法をいう。」

「ソー・サムサーイ独奏 
1)6つの小節: グロム・プラヤー・ナコーンサワン・ウォーラビニット(ポリパット・スクム王子)作曲。(中略)舞踊劇“イナオ物語”では、イナオ王子の恋人ブッサバーがイナオを思い、悲しむ場面で演奏される。
2)アータン(ヴェーダー): タイ古典音楽のタップ・ルアンというスタイルの曲。アユッタヤー時代に作られた曲である。“イナオ物語”では、イナオが花園で美しい女性に思いを馳せる、恋の歌として使われ、スントンプ―作“ブラ・アパイマニー(アパイマニー物語)”では、ブラックマジックの場面で使われている。
3)高貴な子守歌: 1920年代に、ルアン・ブラディット・パイロ(ソーン・スィンラパ・バンレーン)が作った曲。イナオ王子が恋人ブッサバーを寝かしつける場面で使われる。」


◆本CDについて◆ 

ブックレットに解説(アドゥン・カナンシン)と英訳、写真図版(モノクロ)4点、「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」CDリスト。

本CDは旧「ワールド・ミュージック・ライブラリー」の『アユタヤの栄華~タイの古典音楽』(KICC 5125、1991年、本CDディスク1)と『アユタヤ追想~タイ古典音楽の巨匠』(KICC 5158、1992年、本CDディスク2)を二枚組にまとめたものです。解説文も旧リリースのものがそのまま転載されています。1999年の「ワールド・ミュージック・ライブラリー」シリーズに編入された『タイの古典音楽―アユタヤの栄華』(KICW 1030)は、この二枚からの編集盤で、「ソー・ドゥアン独奏」から「悲しみの王」、「ソー・ウー独奏」から「都を行く」、「ソー・サムサーイ独奏」から「高貴な子守歌」、「チャケー独奏」から「カメーン・サイヨーク」「カメーン・パーイ・ルア」「カメーン・クロム・ルーク」、「クルアン・サーイ合奏」から「ホームローン・アイヤレート」が収録されています。

★★★★★ 


The sad king; Kheak moon & The nightingale

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