『ジャワ/スンダの音楽 ― トゥンバンとドゥグン』
Sundanese Classical Music:
Tembang and Degung
ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 72
CD: キングレコード株式会社
KICW 85101/2 (2008年) 2枚組
定価¥2,800(税抜価格¥2,667)
帯文:
「西ジャワ・スンダ地方は東南アジアで最も典雅な音楽を開花させた宮廷文化。歌曲トゥンバンとガムラン・ドゥグンを収録したスンダ音楽決定盤。」
帯裏文:
「懐かしさを感じる音楽の筆頭がスンダ。カチャピ・スリンを伴奏にした歌曲、トゥンバン:スンダは最高。エナ・スカエナとディディン・S・バジュリという当代きっての二大歌手に、ジャイポンガン創始者でもあるルバッブのナンダン・バルマヤという豪華メンバー。グントラ・マディヤのドゥグンも収録。」
「★1999年発売の
KICW-1073、
1988年発売の
K30Y-5122と
同内容です。」
Disc 1
1.トゥンバン: スンダ・ムカール~クナ・サリ~パパテット~ムプ・クンバン~スマランバ 13:15
Tembang: Sunda Mekar, Kuna Sari, Papatet, Mupu Kembang and Sumarambah
2.カチャピ・スリン: パニルカン~バンジャラン 9:00
Kacapi Suling: Panyileukan and Banjaran
3.トゥンバン: キナンティ・トゥンガラ~クンタール・チアサット~ジャンジ・アシ 7:45
Tembang: Kinanti Tunggara, Kentar Cisaat and Jangji Asih
4.カチャピ・スリン: スモレアン~ラユン・サリ 9:34
Kacapi Suling: Sumorean and Layung Sari
5.トゥンバン: ウダン・マス~ウダン・イリス~スカール・マニス 7:54
Tembang: Udan Mas. Udan Iris and Sekar Manis
6.トゥンバン: パンガウバン~パクアン~トゥプン・ムンガラン 8:42
Tembang: Pangauban, Pakuan and Tepung Munggaran
Disc 2
トゥンバン: トゥンバン・ムラン〔回帰のうた〕
Tembang: Tembang Mulang
1.ブブカ・アラン 2:28
Bubuka Arang
2.パパトッ・ラトゥ~パヨ~ニマン(子守唄) 4:29
Papatet Ratu - Payo - Nimang
3.マング・マング~シノム・ドゥグン~トロポンガン 7:35
Mangu Mangu - Sinom Degung - Toropongan
4.プチュン・ドゥグン~チャンドラ・ウラン~ゴヨン~ソロポンガン 9:46
Pucung Degung - Candra Wulan - Goyong - Soropongan
5.バユブ 2:16
Bayubud
6.ガムラン・ドゥグン: ランダンガン~ジパン・ロンタン 3:05
Gamêlan Degung: Landangan - Jipang Lontang
7.ガムラン・ドゥグン: パジャジャラン~ブングル 11:27
Gamêlan Degung: Pajajaran - Bungur
8.ガムラン・ドゥグン: マヤ・スラス~プスピタ 12:59
Gamêlan Degung: Maya Selas - Puspita
歌: エナ・スカエナ(Disc 1 #1,3,5,6, Disc 2 #1-5)
歌: ディディン S. バジュリ(Disc 1 #1,3,5,6, Disc 2 #1-5)
ルバッブ: ナンダン・バルマヤ(Disc 1 #1,3,5,6, Disc 2 #1-5)
スリン: アハマド・スワンディ(Disc 1、Disc 2 #1-5)
カチャピ・インドゥン: コマル・ルクマナ(Disc 1, Disc 2 #1-5)
カチャピ・リンチック: リスコンダ(Disc 1, Disc 2 #1-5)
Voice: Enah Sukaenah, Didin S. Badjuri
Rebab: Nandang Barmaya
Suling: Achmad Suwandi
Kacapi Indung: Komar Rukmana
Kacapi Rincik: Riskonda
グループ: グントラ・マディヤ(Disc 2 #6-8)
Group: Gentra Madya
1986年10月19日、東京、CBS/ソニー・スタジオにて録音
Recorded Oct. 19, 1986 at the CBS/SONY Studio, Shinanomachi, Tokyo
Producer: Morishige Yukitoshi
Engineer: Baba Tetsuo
Licensed by the Inter Music
Cover Design: mitografico
Cover Photo: カチャピ(国立民族学博物館所蔵/富浦隆則撮影)
◆本CD解説(川口明子)より◆
「このスンダの地には、隣接するジャワやバリとはひと味もふた味も違う独自の音楽文化が多彩に花開いている。活力溢れる舞踊音楽ジャイポンガン jaipongan や軽快なポップ・スンダ pop Sunda、こじんまりした上品な趣のガムラン・ドゥグン gamelan degung、そして忘れてはならないのがスンダ人の心の琴線に触れる歌トゥンバン・スンダ tembang Sunda。その静かで哀調を帯びた調べを聴くと、日本人でも不思議と懐かしい想いに誘われる。」
「トゥンバンで用いられる音階には、沖縄音階にも似たペロッグ pelog、都節を想わせるソロッグ sorog、1オクターブを5等分したと言われるサレンドロ salendro の3種の5音音階がある。「トゥンバンの夕べ」では、夜が更けるとともに高貴な趣のペロッグから憂いを秘めたソロッグへ、さらに生命力溢れるサレンドロへと移り変わり、昔は明け方近くまで歌われたと言う。このような時の流れと音との連鎖性は、人生や宇宙の流転にも通じる世界観・自然観を表出するものと言えよう。今日でもスンダの人は言う、「忙しい時にトゥンバンを歌っても調子が出ない。」」
「トゥンバン・ムラン(回帰のうた)
12曲の様々な様式の小品から成る「うたの花輪」である。この作品は今回の演奏のためにスンダの中心都市バンドン在住のアプン・ウィラトマジャ氏に委嘱、編成された詩を用いている。その多くは既製のものであるが、人間の生と死をテーマに、詩と音楽が見事な感性で凝縮されている。
「録音: 1986年10月14-17日に東京・青山で催されたコンサート「金香花頌」のプログラムの一部をスタジオ録音したもの。」
◆本CDについて◆
ブックレットに Disc 1 「解説」(川口明子)と英訳、歌詞(森山幹弘・訳/訳文のみで原文は掲載されていません)。Disc 2 「解説」(田村史)、歌詞対訳(田村史)、英文注記。写真図版(モノクロ)4点、「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」CDリスト。
本作は旧「ワールド・ミュージック・ライブラリー」の『古雅の調べ~スンダの古典音楽』(KICC 5131、1991年、本CDディスク1)と「エスニック・サウンド・コレクション」の『金香花頌(きんこうかしょう)~スンダ(西ジャワ)の古典音楽』(K30Y-5122、1988年、本CDディスク2)を二枚組にまとめたものです。
★★★★☆
Tembang: Sunda Mekar, Kuna Sari, Papatet, Mupu Kembang, Sumarambah
Gamelan Degung: Maya Selas - Puspita
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