幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『中部ジャワの室内楽ガドン』

『中部ジャワの室内楽ガドン』 
Chamber Music of Central Java 
ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 123 


CD: キングレコード株式会社 
KICW 85161/3 (2008年) 3枚組 
定価¥3,500(税抜価格¥3,333)

 

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帯文: 

「高い演奏技術を要求される大曲を選抜された名手達だけで演奏する小編成ガムラン、ガドン。宮廷を中心に発展した中部ジャワのガムラン最高のエッセンス。」


帯裏文: 

「ガドンとは「おかずだけを食べる」という意味の、言葉どおり中部ジャワの総ての音楽のエッセンスともいえる小編成ガムラン。ルバブのサプトノをはじめとする7人の名手による、18世紀に書かれたという二つの名曲はソロの貴族の宮殿録音。名女性歌手トゥキヌムを迎えたスタジオ盤では声と楽器の官能的な響きが楽しめます。」
「★Disc 1=1999年発売のKICW-1076と同内容です。
★Disc 2=1996年発売のKICC-5211と同内容です。」


Disc 1 〈ルバブとグンデルが瞑想をさそう典雅な大曲〉 
1.グンデン ドノロジョ 
Gêndhing DANARAJA, slendro sanga
2.グンデン リモン 
Gêndhing RIMONG, pelog barang

Disc 2 〈女性歌唱も加わった古典の名曲〉 
1.グンデン スンボルアダス~トンボオヌン~クタワン パンコル 
Gêndhing SÊMBURADAS~minggah TOMBOHONÊNG~Kêtawang PANGKUR, pelog lima
2.グンデン ラルルムングン~ラドラン トゥルトル~クタワン パンコル 
Gêndhing LALÊRMÊNGÊNG~Ladrang TLUTUR~Kêtawang PANGKUR, slendro sanga
3.グンデン バンデロリ~ラドラン エレンエレン~クタワン ムガトロ 
Gêndhing BANDHILORI~Ladrang ELING-ELING~Kêtawang MÊGATRUH, pelog barang

Disc 3 〈ポピュラーな小曲集〉 
1.ラドラン ウィルジュン 
Ladrang WILUJÊNG, slendro manyura
2.クタワン プスポワルノ 
Kêtawang PUSPAWARNA, slendro manyura
3.クタワン シノム・パリジョット 
Kêtawang SINOM PARIJATHA, slendro manyura
4.ラドラン スボシティ 
Ladrang SUBASITI, slendro sanga
5.ジヌマン ウルル・カンバン 
Jinêman ULÊR KAMBANG, slendro sanga
6.ジヌマン マリカングン 
Jinêman MARIKANGÊN, slendro sanga
7.ラドラン スリ・クルタル 
Ladrang SRI KRÊTARTA, pelog neom
8.クタワン シノム・パリジョト 
Kêtawang SINOM PARIJATHA, pelog nêm
9.ジヌマン ミジル 
Jinêman MIJIL, pelog nêm
10.ラドラン パンコル 
Ladrang PANGKUR, pelog barang


演奏: サラセアン・カラウィタン・スロカルト 
Sarasehan Karawitan Surakarta
サプトノ(ルバブ、クンダン)、スウィト(グンデル)、ワキジョ(クンダン)、ダリミン、タルノパングラウィ(スレン、ゴングデ)、KRT. ウィドドナゴロ(クト、クンピャン)、ワリディ(ルバブ)、ムルヨノ(グンデル)、トゥキヌム(シンデン/歌)他 
Saptono (rêbab, kêndhang), Suwito (gênder), Wakijo (kêndhang), Dalimin, Tarnopangrawit (suling), KRT. Widodonagoro, Walidi (rêbab, kêndhang), Mulyono (gênder), Tukinêm (sindhen) etc.

録音: Disc 1=1992年6月13日、インドネシア、ソロにて/Disc 2, 3=1995年7月18日、キングレコード第2スタジオにて 
Recorded: Disc 1=13、June, 1992, Solo, Indonesia / Disc 3=18, July, 1995 at Studio #2 King Record, Japan
監修: 田村史子 
Supervisor: Tamura Fumiko 

Cover Design: mitografico 
Cover Photo: ジャワ島ルバブ(国立民族学博物館所蔵/富浦隆則撮影) 

◆本CD解説(田村史子)より◆ 

「この三枚組みのCDには、中部ジャワの一般的なガムラン合奏の中の、一部の楽器のみを用いた、小規模な楽器編成による演奏がおさめられている。このような合奏形態は、ガドンと呼ばれる。ガドンという語は、ガド=ご飯を食べずにおかずだけ食べる、を語源とし、美味しい物、良い物だけの組み合わせ、というような意味合いをもつ。状況や必要に応じて編成の規模は少しずつ異なるが、そこには、ガムランの合奏のなかで重要な役割を果たしている楽器が選ばれ、いわば、ガムランのエッセンスを凝縮したような編成であるといえる。」

「DISC: Ⅰ ルバブとグンデルが瞑想をさそう典雅な大曲
 当CDは、歌を伴わない器楽合奏で、現在では演奏されることの稀な古典の大曲を、ほぼ完全な形で収録している。録音は、ソロ市内のかつての王族邸の、高い塀に囲まれた広大な庭の中央に立つ、伝統的なパビリオン風の建物で行われた。高床の石の床に高い吹き抜けの天井が太い柱で支えられ、奥に続く面を除いては壁のない、風通しの良い場所である。(中略)用いられている楽器は由緒のある古いもので、現在製造されているものに比べるとより重厚で深い響きがする。また、音の高さが少し異なる。」
「DISC: Ⅱ 女性歌唱も加わった古典の名曲 
 当CDには、それぞれ“音階と調”の異なる三曲の古典の名曲の演奏が収録されている。日本での公演のために来日した折に、東京のスタジオで録音された。DISC Ⅰ.にはなかった女性の歌シンデンが、2曲目のみ加わっている。」
「DISC: Ⅲ ポピュラーな小曲集 
 当CDには、最もポピュラーな小曲が19曲収められている。全曲に女性の歌シンデンが加わっている。Ⅱ.と同じく、東京のスタジオで録音された。」


◆本CDについて◆ 

ブックレットに解説(田村史子)と英訳、写真図版(モノクロ)13点、「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」CDリスト。ブックレット裏表紙に写真図版(カラー)1点。

本作は旧「ワールド・ミュージック・ライブラリー」の『ガムラン七重奏~中部ジャワのガドン』(KICC-5152、1992年、本CDディスク1/1999年の「ワールド・ミュージック・ライブラリー」では『中部ジャワのガドン~典雅のガムラン七重奏』と改題)と、同じく『古都・風雅頌~中部ジャワのルバブと歌』(KICC-5211、1996年、本CDディスク2)に、未発表音源を収録したディスク3を増補して三枚組にまとめたものです(3枚組用透明ジュエルケース(24mm厚)入り)。

★★★★★ 


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