『バリのガムラン2~ガムラン・スマル・パグリンガン』
採録:ロバート・E・ブラウン
ノンサッチ民族音楽シリーズ 8
Gamelan of the love god
Gamelan Semar Pegulingan
Recorded in Bali by Robert E. Brown
(Nonesuch Explorer Series)
CD: Nonesuch
(株)ワーナーミュージック・ジャパン
シリーズ:ノンサッチ民族音楽シリーズ
WPCS-5208 (1997年)
定価¥1,529(税抜価格¥1,456)
帯文:
「芸能の島バリを彩る
沸き立つようなガムランの響き」
帯裏文:
「彩りの島バリでは、目的に応じた様々なスタイルのガムランが演奏されていました。このアルバムで聴くことができるスマル・パグリンガンは、王の私的な生活を慰めるために演奏されてきたもので、スマルは愛の神を、パグリンガンは寝所を意味し、午後から夜にかけて、王宮の中庭で典雅に演奏されていました。」
バリのガムラン2
~ガムラン・スマル・パグリンガン
Gamelan Semar Pegulingan
[現地録音]採録:ロバート・E・ブラウン
1.タブ・ガリ 6:21
Tabuh Gari
2.ガンバン 3:09
Gambang
3.タブ・ピサン 5:28
Tabuh Pisan
4.バロン 5:34
Barong
5.シノム・ラドゥラン 6:25
Sinom Ladrang
6.レゴン・クラトン―プラヨン 14:03
Legong Kraton - Playon
バリ島プリアタンにて収録
録音:ロバート・E・ブラウン
Recorded in Teges Kanyinan, Pliatan, Bali
by Robert E. Brown
Total timing: 41'11''
「現地レコーディングのため、一部に収録時のノイズ等がありますがご了承下さい。」
◆田村史子による日本語解説より◆
「作曲家コリン・マクフィーが、古いレコードに収められたスマル・パグリンガンの音に魅せられて、バリ島に足を踏み入れた1931年、この繊細な響きのガムランは、より近代的でダイナミックなガムラン・クビャルの攻勢の前に、滅びつつあった。失われゆく美しい物に対する哀惜から、それを記録しておきたいという熱意にかられ、彼は島中で一番美しい楽器を自分の住む村に運ばせ、音楽家達を招いてグループを作り、練習とデータの収集を行った訳である。」
「1939年に彼が島を去った後、グループは解散し、楽器は風化するままになっていたが、再び不死鳥の如く、このレコードの中に、蘇った。」
「インドネシアの近代化と共に衰亡の途を辿ったバリ島の幾つかの王宮で、かつての栄光の日々、ガムランを含む諸芸術が、いかに奨励され、宮廷生活のいかに重要な部分になっていたかは、想像を絶するものがある。(中略)王様自らも、先頭に立って技を競い合った。
ガムランも、機能に応じて五つの違ったタイプのものが、常設され、各々別々の演奏家グループを擁していた。それらは、ゴング・グデ、スマル・パグリンガン、ガンブ、グンデル・ワヤン、ブボナンガンで、ゴング・グデは、王の公式の儀式用、スマル・パグリンガンは、王の私的生活を慰めるために、ガンブは、舞踊劇の伴奏に、グンデル・ワヤンは、影絵芝居の伴奏に、ブボナンガンは、様々なパレードの伴奏に、それぞれ、用いられた。
スマル・パグリンガンの、スマルは愛の神を、パグリンガンは寝所を意味し、午後から夜にかけて、王宮の中庭スマラバク(愛の神の居場所)にて奏された。」
◆本CDについて◆
二つ折りブックレット内側にトラックリスト&クレジット、ブックレット裏表紙にオリジナルLP裏ジャケ画像(Robert E. Brown and Philip B. Yampolskyによる原盤解説、モノクロ写真図版7点)。投げ込み(十字折り/片面印刷)にトラックリスト&クレジット、田村史子による解説(「このライナーノーツは、LP初発売時の解説からの流用です。」)。
スリン(縦笛)がそよそよ、青銅のガムランがチリンチリン。何かとても懐かしいです。
★★★★★
タブ・ガリ