『バリ|幻影 バリ影絵芝居』
Music for the Balinese Shadow Play
Gendèr Wayang from Teges Kanyinan, Pliatan, Bali
CD: (株)ワーナーミュージック・ジャパン
シリーズ:ノンサッチ・エクスプローラー50
WPCS-10709 (2001年)
定価¥1,260 (税抜価格)¥1,200
Made in Japan
帯文:
「幻想的なバリの夜に繰り広げられる神秘的な人形影絵芝居の伴奏音楽をリアルに収録!」
帯裏文:
「様々な芸能が華麗に息づく神々の島バリで、世界中から訪れる人々を魅了してやまない人形影絵芝居。このアルバムは、その影絵芝居を幻想的な雰囲気に彩る魅力的な音楽グンデル・ワヤンを、現地の名手たちの協力を得て臨場感豊かに録音することに成功した魅力の高い1枚です。」
幻影~バリ影絵芝居
Music for the Balinese Shadow Play
採録:ロバート・E・ブラウン
Recorded by Robert E. Brown
1.プンムカー 17:20
Pemungkah
2.レボン 4:13
Rébong
3.スカティ 3:05
Sekati
4.スカール・スンサン 3:12
Sekar Sungsang
5.スカンディ 4:58
Sekandi
6.メセム 3:23
Mèsem
7.バテル 2:36
Batèl
8.ルンダー 4:17
Rundah
9.タブー・チャリ 0:41
Tabuh Gari
マデ・グリンダム、ノーマン・グリンディング、ワヤン・ニャンプー、マデ・ロチャン
Made Grindam, Norman Grinding, Wayan Nyampuh, Made Lochang
[現地録音] 1969年7月 採録:ロバート E・ブラウン
「現地録音のため、一部に収録時のノイズ等がありますがご了承ください。」
◆本CD解説(ロバート E・ブラウン)より◆
「ここに聴くバリの人形芝居ワヤンの伴奏音楽グンデル・ワヤンは、プリアタン村のタガス・カニュイナン地区にある寺院のあずまやで録音された。(中略)グンデル・ワヤンは常に4人の奏者によって演奏されるが、ここで演奏しているのは最高のグンデル・ワヤン・クァルテットの1つ。(中略)これまで西洋で聴くことのできたグンデル・ワヤンの録音あるいはライヴ演奏は、ガムラン・ゴン・クビャールの奏者たちがグンデル・ワヤンの一例として演奏される短い曲が大半だった。ガムラン・ゴン・クビャールとグンデル・ワヤンでは、必要な演奏テクニックもかなり違う。(中略)今回の録音によって、これまでほとんど知られていなかった音楽の素晴らしいレパートリーを体験してもらえることだろう。」
「4人の演奏家は、祭礼の準備で忙しい合間をぬって、1969年7月25日に行われたこの録音のために時間を割いてくれた。」
「ワヤンはたいてい夜を徹して続けられる。そのストーリーは、インドの壮大な叙事詩『マハーバーラタ』をバリ化した素材を中心に多種多様。時には『ラーマーヤナ』に基づいた物語が展開されることもある。その場合は、影絵芝居全体の伴奏を務める4つの旋律打楽器グンデルに数個の小型ゴングと太鼓が加わって戦いのシーンに迫力を添える。芝居はダランと呼ばれる1人の人形師によって演じられる。ダランは小さな布製の幕の前に足を組んで座って人形を操作する。」
「ワヤンの伴奏に使用される楽器はジャワでもバリでも使われているグンデルと呼ばれる打楽器。薄い青銅の音板(鍵)を木琴状に並べ、各鍵のピッチに合わせて注意深く調律されている。ワヤンの伴奏には2台ずつ2組のグンデルが使われ、一方はもう一方とわざとピッチをわずかにずらして調律してある。それによってバリの音楽の大きな特色であるゆらゆらと揺らめく音のうなり(ビート)が生じる。」
「グンデル・ワヤンには、バリのほとんどの合奏音楽と同様に5音音階が使われる。ただし他の大部分のバリの音楽とは違って、際立って広い音程と際立って狭い音程が使われることはなく、従ってその調律法はジャワのガムラン・ゴン・クビャールの5音音階ペロッグよりむしろジャワのスレンドロに非常に近い。こうしたバランスのとれた調律法が音楽のバランスのよさに結び付いているのは間違いないだろう。ただし、楽器はセットごとに別個に調律されること、そしてセットによってはペロッグの調律法に近い場合があることはここで指摘しておきたい。ここにも、細かいところでの多様性と個性を重んじるバリ人気質が表れている。」
◆本CDについて◆
二つ折りブックレット内側にトラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)3点。裏表紙にLP裏ジャケット縮小再現。投げ込み(十字折り)に解説「グンデル・ワヤン:バリ島の影絵芝居のための音楽/バリ島プリアタン村タガス・カニュイナンのグンデル・ワヤン」(ロバート E・ブラウン/訳:栗田洋、「このライナーノーツは、オリジナルLP発売時の解説の翻訳です。」)。
オリジナルLPは米Nonesuch「Explorer Series」H-72037としてリリースされました。
影絵芝居を音だけできくのもあれですが、これはこれでエスニックテクノポップだとおもいます。
★★★★★