マル・ウォルドロン  『マル・ウォルドロン・プレイズ・エリック・サティ』 

マル・ウォルドロン 
マル・ウォルドロン・プレイズ・エリック・サティ』 
Mal Waldron Plays Eric Satie


CD: Baybridge/Teichiku Records Co. Ltd. Japan 
TECP-20949 (1991) 
税込定価2,000円(税抜価格1,942円) 

 

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帯文: 

「特異な音の空間。サティへの憧憬と理解が
生みだしたマル近年の最高傑作!」


マル・ウォルドロン・プレイズ・エリック・サティ 
Mal Waldron Plays Eric Satie 


1. せつなさ 6:22 
Desespoir agreable 
2. ハーモニー 6:39 
Harmonies 
3. 最初の思想とバラ十字架会の鐘 8:22 
Premiere pensee rose+croix 
4. エッセイー 9:29 
Essais 
5. いたずらっ子 4:24 
Le vilain petit vaurien 
6. ジムノペディー 8:08 
3 Gymnopedies No.1 

Total Time 43:38 

 
マル・ウオルドロン Mal Waldron (p) 
ジー・ワークマン Reggie Workman (b)
エド・ブラックウェル Ed Blackwell (ds)

All compositions by Eric Satie

Produced by Takeo Yokota
Engineered by Shuichi Kikuchi
Degital Recordors Courtesy of Technics Professional Degital Audio System 
Cover Illustration by Yasuo Ohkuma 
Recorded at Teichiku Suginami Studio, December 8, 1983 

Re-Issue produced & prepared for compact disc by Mika Fujita & Masaaki Onuki 
Digitally remastered direct from the original digital master tape by Masao Nakazato at Onkio Haus, Tokyo 
Director of engineering: Mac Onuki 
Art work: Akiko Tanaka 

Originally released on Baybridge LP FEX-27, June 21, 1984 


◆本CD解説(小川隆夫)より◆ 

マル・ウォルドロンは1983年11月から12月にかけて日本公演を行った。彼はその際、テイチクにおいて2枚の注目すべきレコーディングを残している。1枚目はボーカリスト与世山澄子との共演で、(中略)そしてもう1枚がこの「エリック・サティ作品集」である。」
「ところでサティの音楽的特徴としてまず挙げるべきは、繰り返しの美学とも呼べるほどひとつのフレーズを大切にしている点だ。(中略)加えて強弱を強調したリズミックなシンコペーション。」
「一方マルの小宇宙を思わせるピアノ世界も、独自のシンコペーションを基調としたモールス信号的ピアノ奏法が大きな特徴となっている。彼もサティ同様ひとつのフレーズを執拗なまでに繰り返すことで、更なるインパクトと印象を演奏に与えたのだった。」
「本作ではマル・ウォルドロンという個性的なピアニストが、エリック・サティの世界に没入することで、新たな境地を切り開く姿が窺える。それは全く異なるルーツを持った2人の出会いでもあった。」
「サティもそうであったように、マルもまた幅広い音楽に適したピアニストだ。幅広い音楽という意味は、幅広い音楽性ということではない。すなわちマルは音楽がスイング・ジャズであろうが、ビ・バップであろうが、フリー・ジャズであろうが、自分のスタイルを全く変えることなく、その音楽に適合することのできる稀な資質を持ったピアニストである。彼は共演するミュージシャンが例えアート・ファーマーであろうとスティーブ・レイシーであろうと、あるがままの自分でプレイし彼らと音楽的交感が持てるのだ。」
「本作は、マル・ウォルドロンが全くマル・ウォルドロンでありながら、なお限り無くエリック・サティ的であるという両面性を持ち合わせた非常にユニークな作品集だ。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全8頁)にトラックリスト&クレジット、小川隆夫による解説(「84年に発売されたアナログ盤解説を加筆再構成しました」)。

エリック・サティの「Erik」が「Eric」になっているのは、かつて共演したエリック・ドルフィーの「Eric」が入り込んでしまったのでしょうか。ドルフィーは一時期サティの音楽に夢中になっていたとシモスコ&テッパーマンの『エリック・ドルフィー』にありました。
それはそれとして、取り上げられている曲は、「6つの小品」より「快い絶望」(1908年)、「ハーモニー」(1905年)、「バラ十字教団の最初の思想」(1891年)、「エスキースクロッキーの手帖」(1897-1914年)より「エッセイ」、「新・子供の音楽集」(1913年)より「横着者の小さなろくでなし」、「ジムノペディ第1番」(1888年)で、テーマに基づいてアドリブしています。ジムノペディはピアノのソロから始まって、途中からベースが入ります。後半のアルコベースがよいです。その後で三回ほど聞こえる飛行機が通り過ぎるような音を出しているのがエド・ブラックウェルなのでしょうか。

★★★★★ 


Mal Waldron - Three Gymnopedies, No. 1


Erik Satie - Harmonies 


Mal Waldron - Harmonies