幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『マーラー:交響曲「大地の歌」』  テンシュテット 

マーラー交響曲大地の歌」』 
テンシュテット 

Mahler 
"Das Lied von der Erde" 
Agnes Baltsa - Klaus König 
London Philharmonic Orchestra 
Klaus Tennstedt 

EMI CLASSICS 決定盤 1300 61 


CD:EMI Classics/東芝EMI株式会社 
TOCE-13061 (2004年) 
定価1,300円(本体1,238円) 

 


帯文: 

マーラーの音楽の美しさを徹底的に追及したテンシュテットの比類ない芸術。」


帯裏文: 

マーラーの音楽の美しさを徹底的に追及したテンシュテット。その深い表現はいつまでも色褪せない永遠の名演です。」


マーラー 
MAHLER 

交響曲大地の歌」 
DAS LIED VON DER ERDE 

1.第1楽章:「現世の悲しみを歌う酒宴の歌」 
1st Movement: Das Trinklied vom Jammer der Erde 
2.第2楽章:「秋の日に独りありて」 
2nd Movement: Der Einsame im Herbst 
3.第3楽章:「青春の歌」 
3rd Movement: Von der Jugend 
4.第4楽章:「美しきものを歌う」 
4th Movement: Von der Schönheit 
5.第5楽章:「春の日を酔いて暮らす」
5th Movement: Der Trunkene im Frühling 
6.第6楽章:「告別」 
6th Movement: Der Abschied 


アグネス・バルツァ(アルト)([2][4][6]) 
AGNES BALTSA, alto 
クラウス・ケーニッヒ(テノール)([1][3][5]) 
KLAUS KÖNIG, tenor 

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 
LONDON PHILHARMONIC ORCHESTRA 
指揮:クラウス・テンシュテット 
cond. by KLAUS TENNSTEDT 

Recorded: December 1982 & August 1984, No. 1 Studio Abbey Road 
Producer: John Willan 
Balance Engineer: Michael Sheady 
Remastering Engineer: Yoshio Okazaki 


◆本CD解説(岡俊雄)より◆ 

「1907年にマーラーは友人のテオベルト・ポラックから「シナの笛」と題された詩集をおくられた。ハンス・ベートゲによる漢詩の独訳を集めたものであったが、そのなかのいくつかの詩にひきつけられたマーラーはひじょうに大きな感銘をうけた。若いときから死についての意識にとらわれてきたマーラーにとって、東洋の詩の異国情緒ばかりでなく、その自然観賞のありかたや諦観にふかく共感するところがあった。(中略)彼が「シナの笛」からえらんだテキストの配列を見ると現世の哀歓をうたいあげた末に、生への告別をもってむすんでいることはまったく意味ふかいものがある。
 「大地の歌」のタイトルは、この曲の第1楽章に引用された李太白の詩のなかの18行目以降の、Das Firmament blaut ewig, und die Erde / Wird lange fest steh'n und aufblühn im Lenz. / Du aber, Mensch, wie lang lebst denn du? (天は永遠に青みわたり、大地はゆるぎなく立って、春くれば花咲く。だけど人間はどれだけ生きられるというのだ?)の節から来たものとされている。このマーラーの大地への想念は、さらに第6楽章の最後のパラグラフ、DI絵ィ江部Erde allüberall / Blüht, auf im Lenz und grünt aufs neu! / Allüberall und ewig blauen licht die Fernen! / Ewig......ewig...... (なつかしい大地には、春がくれば、いたる所に花がひらき、新たな緑が萌え出るのだ! 見はるかす限り、どこもかしこも、永遠に青く輝くのだ! 永遠に……永遠に……)という、大地の讃歌で彼の現世への告別の歌をうたいあげているのである。
 全曲は6つの楽章から成っている。そして、奇数楽章はテノール、偶数楽章はアルト(またはバリトン)でうたわれる。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全20頁)にトラックリスト&クレジット、浅里公三「クラウス・テンシュテットの魅力」、岡俊雄による解説、演奏者紹介(「1998年3月発売のCDより転載しました。」)、歌詞対訳(訳:西野茂雄)。

テンシュテット大地の歌は頽廃的でありながらも駘蕩としているのでよいです。印象的なジャケ絵(ややレオノーラ・キャリントンふう)はスコットランドのポップ・シュルレアリスムの画家マーク・バナーマン(Mark Bannerman)によるもので、
バナーマンはマドンナのシングル「Bedtime Story」(MVレメディオス・バロやキャリントン、フリーダ・カーロなど女性シュルレアリストへのオマージュになっています)のリミックス限定盤にイラストを提供しています。

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