幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『ロビンは緑の森に去り~エリザベス朝のリュート音楽』  ポール・オデット

『ロビンは緑の森に去り~エリザベス朝のリュート音楽』 
ポール・オデット 

ROBIN IS TO THE GREENWOOD GONE 
ELIZABETHAN LUTE MUSIC 
PAUL O'DETTE - LUTE 


CD: Nonesuch/Warner Classics Japan 
発売元:wea japan, a warner music group company 
販売元:(株)ワーナーミュージック・ジャパン 
WPCS-5182 (1996年) 
¥1,800(税込)(税抜価格¥1,748) 

 


帯文:

「欧米で絶大な人気を誇るリュート奏者オデットが、ノンサッチ・レーベルに残した名盤」
「CD国内プレス、欧文・邦文解説付」


ROBIN IS TO THE GREENWOOD GONE 
ELIZABETHAN LUTE MUSIC 
PAUL O'DETTE - LUTE 


DANIELL BATCHELAR 
ダニエル・バチェラー 
1. Mounsier's Almaine (1610)  5:39 
ムッシュのアルメイン 

BALLAD TUNES 
バラッド・チューン 
2. Pakington's Pownde (Anon.)  1:21 
作曲者不詳:パキントンのパウンド 
3. Grimstock (Anon.)  0:46 
作曲者不詳:グリムストック 
4. Greensleeves (Anon.)  1:23 
作曲者不詳:グリーンスリーヴス 
5. Greensleeves (Francis Cuttinge)  1:00 
フランシス・カッティング:グリーンスリーヴス 
6. Goe from my window (Anon.)  3:31 
作曲者不詳:私の窓から出ておいき 
7. Kemp's Jigge / The Parlement (Anon.)  1:04 
作曲者不詳:ケンプ氏のジグ 
8. Carman's Whistle (John Johnson d. 1595)  2:40 
ジョン・ジョンソン:御者の口笛 

EARLY ELIZABETHAN MUSIC 
エリザベス朝初期の音楽 
9. Anthony Pavyn (Anthony de Countie? d. 1579)  2:15 
アントニー・ド・カウンティ?:アントニー・パヴァン 
10. A Downe (Anon.)  1:07 
作曲者不詳:ア・ダウン 
11. Chi Passa (Anon.)  1:00 
作曲者不詳:キ・パッサ 
12. Dump philli (Philip's Dump) (Philip van Wilder? d. 1557)  3:58 
フィリップ・ファン・ヴィルダー?:ダンプ・フィリ(フィリップスのダンプ) 

SCOTTISH MUSIC 
スコットランドの音楽 
(Anon. c. 1620) 
(いずれも作曲者不詳)
13. A Scots Tune  0:46 
ア・スコッツ・チューン 
14. Corne Yards  0:44 
コーン・ヤーズ 
15. A Scots Tune  0:36 
ア・スコッツ・チューン 
16. Gypsies Lilt  1:12 
ジプシーのリルト 
17. A Scots Tune  0:56 
ア・スコッツ・チューン 
18. A Scots Tune  1:16 
ア・スコッツ・チューン  

ANTHONY HOLBORNE (d. 1602) 
アントニー・ホルボーンの作品 
19. The fairy rownde  1:25 
妖精の輪舞 
20. A Paven  3:50 
ア・パヴァン 
21. Galliard to the paven before  1:17 
前のパヴァンのためのガリアード 
22. Walsingham  0:48 
ウォルシンガム 
23. Muy linda  1:20 
麗の女(うるわしのひと) 

GREGORY HUWET 
フレホリオ・フエト 
24. Fantasie (1595)  4:43 
ファンタジー 

THOMAS ROBINSON 
トーマス・ロビンソンの作品 
25. Lantero (1603)  0:45 
ランテロ 
26. The Spanish Pavin  2:21 
スペイン風パヴァン 
27. Robin is to the greenwood gone  2:20 
ロビンは緑の森に去り 


ポール・オデット(リュート) 

8-course lute after Hans Frei by Klaus Jacobsen, London 1984 
6-course lute after Dieffopruchar by Paul Thomson, London 1984 (#9-12) 

Produced by Christel Thielmann 
Recorded November 1985 in the Fountain Court, Memorial Art Gallery, University of Rochester, New York 
Engineer: Ros Ritchie 
Digital Editor: Tony DiBartolo 
Art Direction: Christoper Lione 
Cover Photography by Howard Bond. 

〔録音〕
1985年11月 ニューヨーク 


◆小川伊作による解説より◆

「このレコードはイギリス・リュート音楽のとりわけ民俗的側面に光を当てている点で、大変ユニークである。取り上げられている作品の多くが、何らかの形でバラッド等民衆的な歌から旋律を借用しており、ファンタジーなど標題を持たない作品はわずか4曲に過ぎない。またスコットランドリュート音楽が聴けるのも珍しく、イギリス・リュート音楽の奥深い世界を味わうのに絶好のアルバムと言えよう。」

「〔曲目について〕」
「バラッド・チューンについて」
「イギリスで16世紀以降流行した物語風の詩をバラッドといったが、最初は口頭伝承の歌曲として伝えられていった。しかし後にはその旋律のほうが有名になり、器楽曲に素材を提供するようになったものもあった。こうした旋律をバラッド・チューンと呼び、(中略)エリザベス朝の音楽家たちは好んでバラッド・チューンをとりあげ器楽独奏や合奏曲に編曲した。ここにはそうしたバラッドを素材にリュート独奏用に編まれた小品が取り上げられている。」
「エリザベス朝初期の音楽」
「ここでは正確に言えばヘンリー8世からエリザベス1世の時代のリュート音楽が取り上げられている。」
スコットランドの音楽」
「古来スコットランドにはゲール語スコットランド英語文化圏としての、イングランドとはことなる独自の民族音楽の伝統が存在した。また歴代のスコットランド王(中略)は皆リュートをたしなんだという。このようなスコットランド独自のリュート音楽の重要な集成として、今日エジンバラ大学の図書館に保存されている〈ロウアランの写本〉がある。1620年頃編纂されたこの写本はスコットランドの民謡・舞曲と共に、リュート曲を収めている。ここでとりあげられているリュート曲は、民謡の編曲、あるいは土着の踊りに基づいたものと思われるが、いずれも作曲者は不詳である。(中略)スコットランド特有の音階、スコッチ・スナップ、ドローンの多用、時に現れる大胆な不協和音などが新鮮な印象を与える。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット(英文)、Paul O'Detteによる解説(英文)。投げ込み(十字折り)にトラックリスト&クレジット(邦文)、小川伊作による解説(1987年9月)。

本CDは音量がやや小さめです。

★★★★★ 

 

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