幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

セクエンツィア 『《イベリアの声》第3集~賢王アルフォンソX世の歌』

セクエンツィア 『《イベリアの声》第3集~賢王アルフォンソX世の歌』
Sequentia
Vox Iberica III: El Sabio
Gesänge für König Alfonso X. von Kastilien und León (1221-1284)


CD: BMGビクター株式会社
BVCD-603 (1993年)
税込定価3,000円(税抜価格2,913円)

 

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1.われらがために聖なる御母よ (聖母マリアのカンティガ集 第250番) 2:08
Por nos, Virgen Madre (CSM 250)
2.聖処女の御名のように (第194番) 5:09
Como o nome da Virgen (CSM 194)
3.海の底にあまねく (第193番) 8:21
Sobelos fondos do mar (CSM 193)
4.想い起こしたまえ神の御母よ (第421番) 2:37
Nenbre-sse-te, Madre de Deus, Maria (CSM 421)
5.語れ、おお、トゥルバドゥールたちよ (第260番) 1:06
Dized', ai trobadores (CSM 260)
6.ほめ讃えぬ者は呪われてあれ (第290番) 3:38
Maldito seja quen non loara (CSM 290)
7.われを信ずるすべての者らは讃えよう (第120番) 3:03
Quantos me creveren loarán (CSM 120)
8.世にすぐれた女あるじを讃える者は (第160番) 6:01
Quen bõa dona querrá (CSM 160)
9.たとえ異教の不信の徒であろうとも (第181番) 6:46
Pero que seja a gente (CSM 181)
10.賤しく、罪深く、裏切られ、苦しんで (パリ国立図書館蔵 第248/44番) ギラウ・リキエ作 8:03
Humils, forfaitz, repres e penedens (PC 248, 44), (Guiraut Riquier, ca.1230-ca.1300)
11.聖なるマリア 真昼の星よ (第100番) 3:04
Santa Maria, strela do dia (CSM 100)
12.神が聖処女の御子となることを (第38番) 8:57
Pois que Deus quis da Virgen fillo (CSM 38)
13.たとえこれまで作った歌は少なくとも (第401番) 6:06
Macar poucos cantares acabei e con son (CSM 401)
14-17.〈ハルジャ〉[アラブ・アンダルシアの民謡]
"Kharjas" in the Andalusian style (Anon., 13th century)
 a) かあさま私はどうしましょう 1:19
 Que faray, mamma?
 b) 私のあるじイブラヒム 2:32
 Meu sīdī Ibrāhīm
 c) 話しておくれ、予言者よ 1:11
 Gar si yes devina
 d) 話してかわいい妹たち 2:12
 Garid vos ay yermanellas
18.いかなる所にもお力をお持ち (第168番) 4:13
Et todo logar á poder (CSM 168)
(CSM=Cantigas de Santa Maria)

セクエンツィア[中世音楽アンサンブル]
Sequentia, Ensemble für Musik des Mittelalters
指揮: バーバラ・ソーントン&ベンジャミン・バグビー
Barbara Thornton & Benjamin Bagby
歌:
女声歌手: バーバラ・ソーントン/エリザベス・グレン/デブラ・ゴメス/コーネリア・メリアン/シュザンヌ・ノラン/コンスエロ・サニュード
Barbara Thornton, Elizabeth Glen, Debra Gomez, Cornelia Melián, Susanne Norin, Consuelo Sañudo
男声歌手: ベンジャミン・バグビー/スティーヴン・グラント/エリック・メンツェル/ライムント・ノルテ/ベルンハルト・シュナイダー
Benjamin Bagby, Stephen Grant, Eric Mentzel, Raimund Nolte, Bernhard Schneider
Symphonia von/by Bernard Ellis
器楽奏者: ライナー・ウルライヒ (フィーデル、ラバーブ
Rainer Ullreich (Fiedel/fiddle, Rabab)
Benjamin Bagby (Harfe/harp, Laute/lute)
Eric Mentzel (Symphonia, Organistrum)

Aufgenommen: 11-14. 2. 1991 Seewen, St. Germanus
Produzent: Klaus I. Neumann
Aufnahme: Barbara Valentin
Schnitt: Dietrich Wohlfromm
Technik: WDR Köln

Total Time - 77:39


◆本CD「解説」より◆

「政治家としてのアルフォンソX世のありかたについて、イエズス会派の歴史家ファン・デ・マリアーナ Juan de Mariana は、1601年にこう要約している――「天界のことに思いをはせ、星ばかり眺めているうちに、彼は地上のことを忘れ己の王国を失った」と。」
「《聖母マリア頌歌集(カンティーガス・デ・サンタ・マーリア Cantigas de Santa Maria)》の編纂、その譜面および挿絵の制作は、賢王の最も成功した業績のひとつである。これは聖母マリアに関する奇蹟物語の歌(カンティーガ・デ・ミラグレ cantigas de miragre)を数多く集めた集成で、10曲ごとにまとめられ、通し番号の10で割り切れる番目の歌は[物語の筋を持たない]聖母への賛美の歌(カンティーガス・デ・ロール cantigas de loor)となっている。それらの歌詞は宮廷的なガリシア語(ポルトガル語の一方言)を用いており、一方、旋律には非常に多くの要素が活用された。(中略)我々のこの録音は、それらの頌歌から抜粋を行ったものであり――全曲録音には、少なくとも25枚のCDが必要になろう――、アルフォンソX世の宮廷において行われたであろうと思われるそれらの演唱方法の幾つかを、再現しようという意図に立っている。」


◆本CDについて◆

日本盤。原盤は独ハルモニア・ムンディ。
ブックレット(全40頁)に「解説」(ベンジャミン・バグビー&バーバラ・ソーントン/訳: 濱田滋郎)、歌詞及対訳(訳: 濱田滋郎)。ブックレット裏表紙に図版(カラー)1点。解説は日本語訳だけで、原文は掲載されていません。

セクエンツィアによる中世スペイン音楽シリーズ「イベリアの声」全三巻のうちの第三巻。
#1、3、12、14、15、17は女声合唱、#2、4~7は男声合唱、#8、9、11、18は混声合唱、#10、16は女声独唱、#13は男声独唱。楽器は#2にラバーブ、#11にフィーデル、#12にハープ、#6にフィーデルとシンフォニア、#9、18にフィーデルとリュート、#15、17にラバーブリュート、#8にオルガニストルムが使用されています。
#1~9、11~13、18はアルフォンソX世「聖母マリアのカンティガ集」より、#10は「最後のトルバドゥール」ギラウ・リキエが1273年にアルフォンソX世の宮廷で作った歌、#14~17は若い女性によって歌われたであろう「ハルジャ」と呼ばれるアラブ・アンダルシアの民謡を復元(reconstruct)したもの。

★★★★★


Pois que Deus quis da Virgen fillo

youtu.be


Garid vos ay yermanellas

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