アストル・ピアソーラ／オラシオ・フェレール
『ブエノスアイレスのマリーア』
Maria de Buenos Aires
発売元： （株）オーマガトキ
販売： （株）新星堂
SC-3115～6 （1991年） ［2枚組］
税込定価￥3,800／税抜価格￥3,689
帯文：
「歴史的に不朽の価値をもったアルバムとして、タンゴを愛する人、オペラ、ミュージカルに関心を持つ人に推薦したい名作名盤。
――野口久光」
帯背文：
「アルゼンチン・タンゴの至宝ピアソーラの最高傑作タンゴ・ミュージカルのオリジナル・キャスト・アルバム初CD化。」
『ブエノスアイレスのマリーア』
MARIA DE BUENOS AIRES
DISC 1）
1．アレバーレ（合図） 6:13
Alevare
2．マリーアのテーマ 4:20
Tema de Maria
3．狂ったオルガニートへのバラード 7:25
Balada para un organito loco
4．カリエーゴ調のミロンガ 5:17
Milonga carrieguera
5．フーガと神秘（演奏） 3:11
Fuga y misterio (Instrumental)
6．ワルツによる詩 2:46
Poema valseado
7．罪深いトッカータ 4:35
Toccata rea
8．キザな懺悔の歌 6:03
Miserere canyengue
DISC 2）
1．葬儀のコントラミロンガ 5:00
Contramilonga a la funerala
2．暁のタンガータ（演奏） 4:51
Tangata del alba (Instrumental)
3．街路樹と煙突に寄せる手紙 3:03
Carta a los arboles y a las chimeneas
4．精神分析医たちのアリア 8:35
Aria de los analistas
5．小悪魔のロマンサ 5:30
Romanza del duende
6．アレグロ・タンガービレ（演奏） 2:50
Allegro tangabile (Instrumental)
7．受胎告知のミロンガ 3:05
Milonga de la anunciacion
8．タングス・デイ（神のタンゴ） 9:50
Tangus dei
アストル・ピアソーラ（作曲）
Astor Piazzolla (Música)
オラシオ・フェレール（作詞）
Horacio Ferrer (Letra)
主要キャスト：
Interpretado:
アメリータ・バルタール（歌）
Amelita Baltar: canto
エクトル・デローサス（歌）
Hector de Rosas: canto
オラシオ・フェレール（語りと小悪魔）
Horacio Ferrer: recitado
アストル・ピアソーラ（バンドネオン）
Astor Piazzolla: bandoneón
演奏者たち：
Con los músicos:
ハイメ・ゴーシス（ピアノ）
Jaime Gosis: piano
アントニオ・アグリ（バイオリン）
Antonio Agri: violin
ウーゴ・バラーリス（バイオリン）
Hugo Baralis: violin
ネストル・パニック（ビオラ）
Néstor Panik: viola
ビクトル・ポンティーノ（チェロ）
Victor Pontino: cello
キチョ・ディアス（ベース）
Kicho Diaz: contrabajo
カチョ・ティラーオ（ギター）
Cacho Tirao: guitarra
アルトゥーロ・スナイデル（フルート）
Arturo Schneider: flauta
ホセ・コリアーレ（パーカッション）
José Corriale: percusión
ティト・ビシオ（ビブラフォン、シロフォンおよびカンパネッリ）
Tito Bisio: vibrafón, xilofón y campanelli
パーソネル：
Personal:
制作： アルフレド・ラドシンスキー
Producción: Alfredo Radoszynski
ディレクター： オスカル・ロペス・ルイス
Director de grabación: Oscar López Ruiz
美術装丁： オスカル・サラテ
Diagramación general de arte: Oscar Zárate
ジャケット 表紙： エルメネヒルド・サバト
Dibujo de la portada: Hermenegildo Sabat
録音ミキサー： オスバルド・アセード／フアン・カルロス・マノーハス
Tecnicos de grabación: Osvaldo Acedo/Juan Carlos Manojas
マスタリング： ルイス・A・キンテーロス
Mastering: Luis A. Quinteros
ディジタル 変換： オスバルド・アセード
Transfer digital ('91): Osvaldo Acedo
1968年8月、ION スタジオにて録音
Grabado en Agosto de 1968 en Estudios ION S.A.
「《第1部》
1．アレバーレ（合図）
ブエノスアイレスの深夜。
小悪魔が、ブエノスアイレスのマリーアを呪文によりよびよせる。
2．マリーアのテーマ
マリーアが応える。
3．狂ったオルガニートへのバラード
吟遊詩人と、神秘から帰ってきた男たちの声とともに、小悪魔がマリーアの生い立ちを物語る。「河が虚無とまじわるところ、マリーアは7日間で育った」
4．カリエーゴ調のミロンガ
「夢みるスズメのポルテーニョ」がマリーアの人生を物語る。マリーアは去って行き、彼女の男のようなかすれた声がのこる。
5．フーガと神秘（演奏）
ものを言わず、マリーアは生まれた町をはなれ、夜にむかって市を横切ってゆく。
6．ワルツによる詩
タンゴに昔からうたわれているように、マリーアはバンドネオンにより堕落させられ、暗黒の人生に入る。
7．罪深いトッカータ
小悪魔とバンドネオンの決闘。
8．キザな懺悔の歌
マリーアは、下水に降りてゆく。「古き大盗賊」は、マリーアの影に別の地獄におちることを宣告する。やがて、盗賊たちとマダムたちが、マリーアの死を告げる。
《第2部》
9．葬儀のコントラミロンガ
小悪魔が、マリーアの最初の死に対する葬礼を物語る。
10．暁のカンタータ（演奏）
肉体は埋葬され、マリーアの影はブエノスアイレスをさまよう。
11．街路樹と煙突に寄せる手紙
マリーアの影は、愛する下町の街路樹と煙突に手紙を書く。
12．精神分析医たちのアリア
精神分析医のサーカスで、マリーアは持ってもいない想い出を物語らせられる。
13．小悪魔のロマンサ
汚いバーで、小悪魔はマリーアを探し求める。
14．アレグロ・タンガービレ（演奏）
小悪魔の手下は、マリーアを探し求める。小悪魔の精子を彼女に与えるため。
15．受胎告知のミロンガ
マリーアの影は、小悪魔の呼び掛けにこたえる。
16．タングス・デイ（神のタンゴ）
ブエノスアイレスの日曜日の朝。
建設中のビルの30階で、マリーアの影は子供を生む。影であるゆえに処女である彼女から生まれたのはイエスではなく、もうひとりの娘マリーアだった。それは生まれかわったマリーアなのだろうか？ すべてが終わったのか？ それとも、これから始まるのか？ 誰にもわからない。」
「作者の言葉」より：
「私たちは『ブエノスアイレスのマリーア』は、ふたりがこの市に捧げる本能的な贈り物だと感じていた。この市は芸術面においても、他の面においても、私たちの自然環境である。この市こそは、ひとつの完全な様式であり、古いものと新しいものをすべてあわせ持っている。ヨーロッパ的なものと、新大陸的なものと、永続的なものと、一時的なものとを。これらの広がりは、その矛盾にもかかわらず、数千の市のなかでも紛れようもない独自の風景と気負いをブエノスアイレスに与えている。
それだからこそ、マリーアの周辺には民謡の即興歌手とビート族が、精神分析医と下町の若い者が、共存することができる。甘く時代遅れなセレナーデのワルツと、今日のブエノスアイレスの音楽の熱っぽいリズム形式とが。
マリーア自身も、片足を今はないキャバレーに、もう片足を山の手に新しく開いたスタンド・バーにふみこみたいと願っている。彼女の物語も、伝説的なキャバレーの娘の物語として始まるのだ。しかし、私たちは、それに異なる生き方と結末を与えたと信じている。この神秘的でロマンティックで悲劇的な、そして時には喜劇的な人物のイメージは、私たちのこの市に対する感じ方をそのまま反映している。」
◆本CDについて◆
解説ブックレット（全18頁）に原盤クレジット、概要と作者の言葉（原文と日本語訳）、「アルゼンチン・タンゴの至宝ピアソーラの最高傑作オペレッタのオリジナル・キャスト・アルバム」（野口久光）、解説（高場将美）、写真図版（モノクロ）2点。
歌詞対訳（高場将美）ブックレット（全36頁）。
★★★★★
María de Buenos Aires | A. Piazzolla & H. Ferrer
