Ravel
Complete Piano Works
Pascal Rogé
CD: London/ポリドール株式会社
POCL-2245/6 (1990年) [2枚組]
税込定価¥5,000(税抜価格¥4,854)
ラヴェル: ピアノ曲全集
Ravel (1875-1937)
CD 1 (POCL-2245)
ソナチネ
Sonatine
1.第1楽章: モデレ(モデラート) 4:32
1st Mov.: Modéré
2.第2楽章: メヌエ(メヌエット) 3:23
2nd Mov.: Mouvement de menuet
3.第3楽章: アニメ 3:40
3rd Mov.: Animé
優雅にして感傷的なワルツ
Valses nobles et sentimentales
4.ワルツ1: モデレートレ・フラン 1:18
Modéré Très Franc
5.ワルツ2: アッセ・ラン 2:33
Assez lent
6.ワルツ3: モデレ 1:11
Modéré
7.ワルツ4: アッセ・アニメ 1:14
Assez animé
8.ワルツ5: プレスク・ラン 1:34
Presque lent
9.ワルツ6: ヴィフ(ヴィヴァーチェ) 0:36
Vif
10.ワルツ7: モアン・ヴィフ 2:41
Moins vif
11.ワルツ8: エピローグ-ラン(レント) 4:44
Epilogue-Lent
クープランの墓
Le tombeau de Couperin
12.1)前奏曲(ヴィフ) 2:53
Prélude (Vif)
13.2)フーガ(アレグロ・モデラート) 3:54
Fugue (Allegro moderato)
14.3)フォルラーヌ(アレグレット) 5:10
Forlane (Allegretto)
15.4)リゴードン(アッセ・ヴィフ) 3:00
Rogaudon (Assez vif)
16.5)メヌエット(アレグロ・モデラート) 5:06
Menuet (Allegro moderato)
17.6)トッカータ(ヴィフ) 3:34
Toccata (Vif)
夜のガスパール
Gaspard de la nuit
18.1)水の精(オンディーヌ) 6:21
Ondine
19.2)絞首台 6:34
Le gibet
20.3)スカルボ 8:23
Scarbo
CD 2 (POCL-2246)
1.前奏曲 1:28
Prélude
2.ハイドンの名によるメヌエット 1:39
Menuet sur le nom d'Haydn
3.ボロディン風に 1:31
À la manière de Borodin
4.古風なメヌエット 6:06
Menuet antique
5.亡き王女のためのパヴァーヌ 6:04
Pavane pour une Infante défunte
6.シャブリエ風に 1:49
À la manière de Emmanuel Chabrier
鏡
Miroirs
7.1)蛾 5:01
Noctuelles
8.2)悲しき鳥 3:54
Oiseaux tristes
9.3)海原の小舟 7:19
Une barque sur l'océan
10. 4)道化師の朝の歌 6:26
Alborada del gracioso
11.5)鐘の谷 5:33
La Valée des cloches
12.水の戯れ 5:47
Jeaux d'eau
マ・メール・ロワ
Ma Mère l'Oye
13.1)眠りの森の美女のパヴァーヌ 1:26
Pavane de la Belle au bois dormant
14.2)一寸法師 3:05
Petit Poucet
15.3)パゴダの王女レドロネット 2:57
Laideronnette Impératrice des pagodes
16.4)美女と野獣の対話 3:58
Les entretiens de la Belle et la Bête
17.5)妖精の園 2:57
Le Jardin féerique
パスカル・ロジェ(ピアノ)
Pascal Rogé (Piano)
デニス・フランソワ・ロジェ(ピアノ)[#13-17]
Denise Françoise Rogé (Piano)
Recording
Producer: Michael Woolcock
Engineers: Kenneth Wilkinson (CD 1/1-11) / James Lock (CD 1/12-20, CD 2/1-6) / Philip Wade (CD2/7-17)
Locations: The Maltings, Snape (CD 1/1-11) / All Saints' Church, Petersham (CD 1/12-20), CD 2/1-6) / Kingsway Hall, London (CD 2/7-17)
Dates: December 1973 (CD 1/1-11) / June 1974 (CD 1/12-20, CD 2/1-6) / December 1974 (CD 2/7-17)
◆本CD解説(三浦淳史)より◆
「パスカル・ロジェはそのレパートリーの中心をロマン派に置いている。それなのに、彼はラヴェルを好んで演奏し、ラヴェルの音楽を愛している――ラヴェルの曲は、ときたま、ハートよりもむしろ頭脳(あたま)から生まれたといわれることがあるのに?
これに対して、ロジェははっきりとこういい切っている:
「そういう見方はまったく間違いです。ラヴェルはロマン派に属しています――彼がマスクのようなものをかぶっていることは認めますが。ラヴェルを単に上(うわ)っ面(つら)だけ見ていると、非常に冷めたくて頭脳的な人間だと思われるかも知れません。その音符の背後に、ある種の抑制の蔭に、ほんもののロマンティシズムがあるのです。ある人たちは、隠されているロマンティシズムを指摘しようとはせず、ラヴェルを非常に古典的に弾こうとしますが、私はそのロマンティシズムを指摘しなくてはなるまいと思っています。ラヴェルのこういう面を発見するならば、彼が20世紀の最もロマンティックな作曲家の一人であることを理解できるのじゃないでしょうか。」。」
「●夜のガスパール
――アロイジュス・ベルトランによるピアノのための三つの音詩(3 poèmes pour piano d'après Aloysius Bertrand)」
「アロイジュス・(ルイ)・ベルトラン(1807-41)は19世紀フランス・ロマン派詩壇の日蔭に咲いた異色の詩人であるが、貧困と病のため、遺作『夜のガスパール』一巻を残して34歳の若さで世を去った。没後、日の目を見た『夜のガスパール』は幻想豊かな散文詩として注目され、のちにボードレールを啓発し、ベルトランの再認識が行なわれた。さて、題名の〈夜のガスパール〉とは何か?(中略)ベルトラン自身が、はしがきの中で、次のように述べていることから推測するのが唯一の手がかりとなろう。
ベルトランはかつて一人の見知らぬ男に出会って、文芸美学の法則とは何であるか教えてほしいといった。すると、その見知らぬ男は、黙って、これらの散文詩の草稿をベルトランに手渡した。見知らぬ男は〈夜のガスパール〉と名乗るサタン(悪魔)だったのである。
ラヴェルは仏詩壇におけるベルトラン・リヴァイヴァルに際して、『夜のガスパール』を読み、その散文詩のロマンティックで、どことなく神秘的な背景と、詩人の特異なパースナリティに強く惹かれ、言葉で表わされたイメージと発想によって触発されたイマジネーションをピアノによって表現してみようとしたのである。」
◆本CDについて◆
ブックレット(全28頁)にトラックリスト&クレジット、「パスカル・ロジェ/ラヴェルへのアプローチ」「楽曲解説」(三浦淳史)、「パスカル・ロジェについて」(無記名)、写真図版(モノクロ)4点。
★★★★★
Gaspard de la nuit - Scarbo