幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

Alexander von Schlippenbach  『Globe Unity』 

Alexander von Schlippenbach 
『Globe Unity』 
グローブ・ユニティ/アレキサンダー・フォン・シュリッペンバッハ 


LP: MPS Records 
Manufactured by Teichiku Records Co., Ltd Japan 
ULS-1715-P 
¥1,500 

 

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表。

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裏。


〔A面〕 
Globe Unity (Alexander Von Schlippenbach)  20:12 
グローブ・ユニティ 

〔B面〕 
Sun (Alexander Von Schlippenbach)  20:34 
サン 


Produced by: Joachim E. Berendt 


◆本LP解説(1969. 瀬川昌久)より◆ 

「1966年にベルリンでジャズ・フェスティヴァルが開催された時、ベルリンのラジオ放送局RIAS(The American Radio Station In Berlin)は、シュリッペンバッハにニュー・ジャズの作品を委嘱した。その結果出来上がったのがA面の「グローブ・ユニティ」であって、この20分あまりの作品がジャズ祭で演奏されるや、(中略)俄然賛否両論のすさまじい反響が、全ドイツの新聞や雑誌に掲載された。」
「演奏するグローブ・ユニティ・オーケストラのメンバーは次の如くである。
★マンフレッド・ショーフ………コルネット、フリューゲル・ホルン(トライアングル) 
★クロード・デロン………トランペット(蓮笛) 
★ウィリー・リーツマン………テューバ(マラカス) 
★ペーター・ブレッツマン………アルト・サックス(グルケ) 
★ゲルト・デュデック………テナー・サックス(ダック・コール) 
★クリス・ワンデルス………バリトン・サックス(ツォルナ、アルト・サックス、蓮笛) 
★ウィレム・ブロイカー………バリトン・サックス、ソプラノ・サックス(ラッチェ) 
★グンター・ハンペル………バス・クラリネット、フルート(パンディラ) 
★カールハンス・ベルガー………ヴァイブラフォン(B面「サン」のみ) 
★ブッシ・ニーベルガル………ベース、右側チャンネル(サイレン) 
★ペーター・コワルド………ベース、左側チャンネル(小ベル) 
ジャッキー・リーベツァイト………ドラムス、左側チャンネル(ケトルドラム、テンペルブロック、ダルブカ) 
★マニ・ノイマイエル………ドラムス、右側チャンネル(タム、ゴング、ウッドブロック、タブラ、マニトム) 
アレキサンダー・フォン・シュリッペンバッハ………指揮、ピアノ、タムタム、ゴング(鋏) 
 以上の楽器の項で、かっこ内に書いてあるのは、B面「サン」の演奏の時に附加使用された各種の珍しい擬音用具や外国の民俗楽器の類である。
 吹込みデータは、1966年12月6日と7日、コロンのアリオラ・スタジオにおいて、ヨアヒム・E・ベーレントのプロデュースのもとに吹込まれたものである。
 オーケストラのメンバーは、ドイツを始めオランダ、ベルギー、スイスなどの前衛ジャズ一流奏者を揃えている。即ち、前にふれたニュー・ジャズの代表的グループ、マンフレッド・ショーフ五重奏団の5人が全部参加して中核となり、それにグンター・ハンペル四重奏団、ペーター・ブレッツマン・トリオ、イレーネ・シュワイツァー・トリオなどのメンバーが加わっている。」


◆本LP「今日的視点から見たグローブ・ユニティ・オーケストラ」(1981. 瀬川昌久)より◆ 

「1966年といえば、今日から15年も昔のことになるが、その年に録音された「グローブ・ユニティ」のアルバムが、今回再発されることになったことは、現下のジャズの状況に対して、極めて示唆に富んでいる。この前衛的なフリー・ジャズ・オーケストラのアルバムが、日本で始めて発売されたのは、1969年のことであった。当時、この種のオーケストラル・ジャズの発展に深い関心を持っていた私は、本アルバムをそれこそ感激の極みをもって何度もきき直して、ライナー・ノートを書いた。」


◆本LPについて◆ 

E式シングルジャケット。インサート(片面印刷)に瀬川昌久による解説(1969年)と追記「今日的視点から見たグローブ・ユニティ・オーケストラ」(1981年)。

オリジナル盤は見開きジャケで、中ジャケにトラックリスト&クレジットおよびベーレントとシュリッペンバッハによるライナーノーツ(独文と英訳)が掲載されていましたが、本LP(廉価盤)はシングルジャケなので割愛されています。
ジャケット等に本LPリリース年の記載はありませんがライナーの記述から1981年の再発盤と思われます。レーベル面には「℗1975」とあります。

本作はフリージャズの名盤ですが、個人的にはマンフレッド・ショーフ・クインテットのヤキ・リーベツァイト(のちCANのドラマー)とイレーネ・シュヴァイツァー・トリオのマニ・ノイマイヤー(のちGURU GURUのドラマー)の共演が興味深いです。

★★★★★ 


Globe Unity