『Clear Frame』
Lol Coxhill
Charles Hayward
Hugh Hopper
Orphy Robinson
guest cornet
Robert Wyatt
クリア・フレイム
『透明な枠組み』
CD: CONTINUITY... records
TINU001 / LC-02677 (2007)
distributed by ReR MEGACORP, UK
distributed in USA by ReR USA
distributed in Japan by LOCUS SOLUS
Made in North America
輸入・発売・販売元:ロクス・ソルス
LSI 2089
税込¥2,730/本体¥2,600
帯文:
「ロル・コクスヒル、チャールズ・ヘイワード、ヒュー・ホッパー、オーフィー・ロビンスン、そしてゲストにロバート・ワイアット。卓越したインプロヴァイザー達が生み出すハードなサウンドと強烈なグルーヴ。パワフルでスリリングな即興=作曲プロジェクトのデビュー・アルバム。07年。」
帯裏文:
「ロル・コクスヒル(ソプラノ・サクソフォン)、チャールズ・ヘイワード(ドラムス、キーボード)、ヒュー・ホッパー(ベース)、オーフィー・ロビンスン(ヴィブラフォン、スティールパン、パーカッション、FX)、そしてゲストにロバート・ワイアット(コルネット)。ロンドンのジャズ/インプロ・シーンの大御所が集結した話題のスーパー・グループのデビュー・アルバム。即興の名手たちがハードなサウンドを繰り出し即座に反応しあって緊密な楽曲を瞬時に構築するパワフルでスリリングな即興=作曲プロジェクト。ジャズのクールネスとロックの奔放なパワーを併せ持つ。「透明な枠組み」だけで築き上げられたヘヴィでダークな楽曲が、展開を繰り返しながら強烈なグルーヴを生み出し、闇夜を疾走する。」
CLEAR FRAME
Lol Coxhill: soprano saxophone
Charles Hayward: drums, keyboard
Hugh Hopper: bass guitar
Orphy Robinson: vibraphone, steel pan, percussion, FX
with Robert Wyatt: guest cornet
1. Clean Slate 6:03
クリーン・スレイト
2. Tin Plate 15:00
ティン・プレイト
3. Noise Gate 5:47
ノイズ・ゲイト
4. Void Crate 1:36
ヴォイド・クレイト
5. High Rate 6:57
ハイ・レイト
6. Better Late 7:00
ベター・レイト
7. Paperweight 5:57
ペーパーウェイト
8. Figure Eight 3:56
フィギュア・エイト
produced by CLEAR FRAME
compositions by Coxhill, Hayward, Hopper, Robinson, Wyatt
mastered by Chris Cawte at CCM Music Production
photograph and design by Lewis Hayward
◆坂本理による解説より◆
「オーフィー・ロビンスンは(中略)’90年代にブリティッシュ・ジャズ・ファンク・シーンで頭角を現わした鍵盤打楽器奏者だ。ヴィブラフォンやマリンバだけでなくスティール・パンやパーカッションも演奏し、さらにはギター、ベース、サックス、プログラミングと何でもこなせるマルチ・インストゥルメンタリストである。(中略)EMI(アメリカではブルー・ノート)とソロ契約し、リーダー作品を発表。(中略)インプロヴィゼーション・シーンに活動の幅を広げ、ロンドン・インプロヴァイザーズ・オーケストラに参加。(中略)同オーケストラにはロル・コクスヒルも参加しているし、ベーシストのジョン・エドワーズはチャールズ・ヘイワードとも共演を重ねているミュージシャンだ。」
「ロバート・ワイアットの最新作『コミックオペラ』(2007)にオーフィー・ロビンスンが参加しているだけでなく、曲も提供している。」
「ヒュー・ホッパーとチャールズ・ヘイワードの(中略)共演が実現したのは1988年6月と1990年7月に行なわれたリンジー・クーパーの‟Oh Moscow”のステージにマリリン・マズールの代理でチャールズ・ヘイワードが参加した時だった。10年後の2000年11月にはヒュー・ホッパーとS. クロスナーのステージにフィル・ミラーとともにゲストでチャールズ・ヘイワードが参加。これが縁となり、2002年4月にはチャールズ・ヘイワードが企画するアウト・オヴ・バディ・オーケストラのデプトフォードでのステージにヒュー・ホッパーがゲスト参加する。」
「2004年5月13日、ロンドン、ニュー・クロスのアマーシャム・アームズにヒュー・ホッパー、チャールズ・ヘイワード、ロル・コクスヒル、オーフィー・ロビンスンの4人が初めてステージに立つ。ロル・コクスヒルは作品には記録されていないかも知れないが、チャールズ・ヘイワードとは長年共演している仲だ。」
「同年11月9日には再び同じメンバーで同じ会場に姿を現わす。この時、4人はクリア・フレイムを名乗っていた。そして、6日後の11月15日にはロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのロンドン・ジャズ・フェスティヴァルにクリア・フレイムが登場。」
「2005年2月にはBBC放送の番組収録を行ない、8月にはウェールズ地方のブレコンでのジャズ・フェスティヴァルに出演。2007年9月にはヨーロッパへの遠征ツアーも行なうなど、次第にその活動が本格化している。」
「ロバート・ワイアットの讃歌だが、クリア・フレイムとしてはゲストの扱いとなっている。しかし、ゲストだからと言ってピン・スポットで参加している訳ではなく、レコーディングに全面的に参加している。」
「ロバート・ワイアットはここでは一切歌うことなく、コルネット奏者として参加している。」
「本作は全8曲、すべてインプロヴィゼーションで演奏されている。(中略)参加者全員が全く対等の立場で演奏しており、全員が主役として機能している。」
◆本CDについて◆
輸入盤国内仕様。デジパックにトラックリスト&クレジット。投げ込み(4頁/二つ折り)に坂本理による解説「クリア・フレイム――歴史的交点の出現」、トラックリスト。
本作はヘイワード&ホッパーの強度に、コクスヒル&ワイアットの柔軟性、ロビンスンの異化的スティール・パンと、間然する所がないですが、やはりせっかくなのでワイアットのヴォイス・パフォーマンスがきけるとよかったです。
クリア・フレイムは本作限りで、その後チャールズ・ヘイワードはよりロック寄りのスーパー・グループ「Uneven Eleven」(ヘイワード、ユニヴェル・ゼロのギ・セジュール、アシッド・マザーズ・テンプルの河端一)を結成していて、それも興味深いです。
★★★★★
High Rate