幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

ソフト・マシーン  『4』

ソフト・マシーン 
『4』 

Soft Machine 
Fourth 


CD: ソニー・ミュージック エンタテインメント 
MHCP 424 (2004年) 
特別価格 定価¥1,890(税抜価格¥1,800) 
Manufactured by Sony Music Direct (Japan) Inc. 

 


帯文:

「ジャズ的アプローチがさらに明確になり、
プログレッシヴ・ジャズ・ロックという独自のサウンドを打ち出した話題作。」
「完全生産限定盤
デジタル・リマスター」


帯裏文:

「’71年作品。ヒュー・ホッパー加入後のソフト・マシーンは前にも増してジャズ的な色彩を強めていきます。彼の書いた作品は主題の骨組がガッチリしており、シンフォニックな中で繰り広げるジャズ・フージョンと言うスタイルが特徴です。そんな彼が主導権を握った本作では5曲を作品提供しており、グループのジャズ的アプローチがさらに明確になり、プログレッシヴ・ジャズ・ロックと言う独自のサウンドを打ち出すに至りました。こうした方向性に納得出来ないロバート・ワイアットは、本作を最後にグループから脱退し、その後マッチング・モウルを結成します。」
DSD Mastering」


1.歯 9:11 
TEETH / Mike Ratledge 
2.王と王女 5:02 
KINGS AND QUEENS / Hugh Hopper 
3.フレッチャーの汚点 4:34 
FLETCHER'S BLEMISH / Elton Dean 
4.ヴァーチュアリー・パート1 5:14 
VIRTUALLY PART 1 / Hugh Hopper 
5.ヴァーチュアリー・パート2 7:04 
VIRTUALLY PART 2 / Hugh Hopper 
6.ヴァーチュアリー・パート3 4:36 
VIRTUALLY PART 3 / Hugh Hopper 
7.ヴァーチュアリー・パート4 3:17 
VIRTUALLY PART 4 / Hugh Hopper 


Hugh Hopper: Bass Guitar 
Mike Ratledge: Organ & Piano 
Robert Wyatt: Drums 
Elton Dean: Alto Saxophone & Saxello 

Roy Babington: Double Bass (Courtesy B & C Records) 
Mark Charig: Cornet 
Nick Evans: Trombone 
Jimmy Hastings: Alto Flute & Bass Clarinet 
Alan Skidmore: Tenor Sax 


Produced by Soft Machine 
Engineer: George Chkiantz 
Executive Producer: Sean Murphy 
Recorded: Autumn, 1970 at Olympic Studios, London 
Photography: Campbell MacCallum 
Sleeve Design: Bloomsbury Group 
Art Direction: John Hays 


「LPでは[1]から[3]がA面に、[4]から[7]がB面に収録されていました。
このCDは発売当時のジャケットを復刻したものを使用しております。」


◆本CDについて◆ 

紙ジャケット仕様(E式シングル/表裏ともテクスチャー加工/「4」の部分は表裏ともエンボス加工)。投げ込み(十字折り)にトラックリスト&クレジット、大鷹俊一による解説(2004年8月15日)、Soft Machine Family Tree(作成:伊藤秀世)。

本作は米盤再発LPも持っていたのですがどこかへ行ってしまいました。それはテクスチャーとかエンボスとかではなかったです。
いきなりロイ・バビントンのウッドベースから始まる本作#1ですが、ヒュー・ホッパー不在のままマイク・ラトリッジのエレピ、エルトン・ディーンのアルトが入ってマイルスふうジャズ路線、ウッドベースの多重録音パートもあったりして、3分30秒あたりでようやくホッパーのファズベースが登場します。#3ではバビントンがウッドベースを弓弾きする傍らでホッパーのファズベースがディーンのサクセロとユニゾンしています。そういうわけで本作はベーシストが二人で、ブラスセクションが入って、そのへんはコルトレーン『Africa/Brass』あたりがお手本かもしれないです。#7ではラトリッジ、ワイアット、ホッパー、エルトンの四人に戻ってややしんみりしつつ唐突にフェードアウト。シリアスなジャズロック路線を嫌ったロバート・ワイアットは、無言でジャズロックドラミングのお手本のようなプレイを披露しつつ、本作を最後にソフト・マシーンを脱退してしまいます。

★★★★★