幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

アルタン  『ホース・ウィズ・ア・ハート』

アルタン 
『ホース・ウィズ・ア・ハート』

Altan 
Horse with a Heart  
 


CD: Green Linnet / MSI 
MSI 30003 (1989年) 
¥2,884(税込) ¥2,800(税抜) 
Manufactured under exclusive license from Green Linnet, Inc. USA 
Manufactured and distributed by Music Scene, Inc. MSI Tokyo Japan.   

 


帯文: 

「ザ・グリーン・リネット・コレクション 
ケルティック・ハートビート・シリーズ」
「女性シンガー、モレートの美しくも情熱的なボーカル。さらにフランキーの心痛むほどの美しいフルート、素晴しいポールのフィドルアイルランドでいま最も注目を集めているニュー・フォーク・ユニット、アルタンの最新にして最高のアルバム。」
「女性ボーカル、フルート、フィドルアコースティックギター――アイルランド
「ユーロ・トラッド」


1.リール・メドレー:ザ・カーリュー/マクダモッツ/スリー・スコーンズ・オブ・ボクシティ 4:11 
THE CURLEW (J. Keegan) / McDERMOTT'S (J. McDermott) / THREE SCONES OF BOXTY (Trad) 
2.グレンシーの娘 4:38 
THE LASS OF GLENSHEE (Trad) 
3.コン・キャシディとニール・ゴウのハイランド~モール&ティアーナ~マクスウィニーズ・リール 4:27 
CON CASSIDY'S AND NEIL GOW'S HIGHLANDS / MOLL AN TIARNA / McSWEENEY'S (Trad) 
4.ダーハムへの道 3:21 
THE ROAD TO DURHAM (A. Barnett and D. Molk) 
5.希望の地 2:33 
AN T-OILEÁN ÚR 
6.アン・グリアナン~ホース・ウィズ・ア・ハート 3:01 
AN GRIANAN / HORSE WITH A HEART (F. Kennedy) 
7.彼方の女 3:28 
A BHEAN UDAI THALL (Trad) 
8.ウェルカム・ホーム・グライン~コン・マクギンレイズ 3:18 
WELCOME HOME GRAINNE / CON McGINLEY'S (Trad) 
9.疲れた心 4:06 
TUIRSE MO CHROÍ (Trad) 
10.カム・イエー・バイ・アトール~キティー・オコーナー 3:11 
COME YE BY ATHOLL / KITTY O'CONNOR (Trad) 
11.微風 4:45 
AN FEOCHÁN (Trad) 
12.リール・メドレー/パディーのスコットランド旅行~ディンキーズ~シェトランドフィドル弾き 4:47 
PADDY'S TRIP TO SCOTLAND / DINKY'S / THE SHETLAND FIDDLER (Trad) 


All titles traditional except: 
An Grianan and Horse With A Heart composed by Frankie Kennedy 
The Curiew composed by Josephine Keegan 
McDermott's composed by Josie McDermott 
An Feochan composed by Tommy Peoples 
The Road to Durham composed by Armin Barnett and David Molk 

All titles arranged by Altan 


◆日本語解説(茂木健)より◆ 

「モダン・アイリッシュ・トラッド復興の嵐が吹き荒れる1980年のダブリンで、現在のアルタンの中心メンバー二人が出会う。英領北アイルランドベルファスト生まれのフルート吹き、フランキー・ケネディと、アルスターの西のはずれ、アイルランド共和国ダニゴール郡生まれのフィドラー/シンガーのモレート・ニ・ウィニー(Mairead Ni Mhoanaighを、ゲール語読みでカタカナ表記すると何とこうなるのだ)は、ダブリンのフォーキーが聞いたこともないアルスターの曲を次々と演奏し、すぐにフォーク・クラブのスターになった。」
「Gael Linnレコードは彼らにファースト・アルバムを録音するように依頼し、1983年に“Ceol Aduaidh(Music from the North)”(Gael Linn CEF102)が作られる。二人の演奏とモレートの無伴奏シンギングを中心としたアルバムだが、従来よく聞かれたアイリッシュ・チューンとは趣を異にした曲と、モレートが伸びやかな声で歌うゲール語の歌は、多くの人々の目を北に向けさせた。その後ブズーキのシアラン・クランとギターのマーク・ケリーを加え、ドナル・ラニーをプロデューサーとしてセカンド・アルバムを制作、この時初めてグループとしての名前が必要になった彼らは、モレートの故郷の湖の名を取って『アルタン』と名乗った。(中略)実は、彼女の育ったダニゴールとそこの音楽的環境こそが、このグループの音楽の核を形作っているのだ。
 ダニゴール出身で今や超有名人となったエンヤは故郷について、どんなとこ?と聞かれて「すごく田舎です。家と家が離れ離れに建っています。」と答えている(ミュージック・マガジン89年5月号)。(中略)ダニゴールは海を隔ててスコットランドに大変近く、モレートの故郷グウィードア(Gweedore)はそのダニゴールでも一番北の端に近い海沿いのところに位置しており、彼女がFolk Roots誌のインタビューで言うには「みんなダブリンよりもグラスゴーの通りの方をよく知ってるのよ」という町だった。(中略)彼女の父親、フランシーは、自身も地元ではよく知られたフィドラーで、(中略)そのお父さんから、モレートは十歳の時にフィドルをプレゼントされ、(中略)練習し始める。ジグ、リール、そして、後にダブリンのフォーク・クラブでファンたちが仰天することになるおそらくアルスターにしかないスタイル、ハイランズ。
 ダニゴールに限らず、アルスターの人々はかつて季節労働者としてスコットランドへ日常的に渡って行った。(中略)スコットランドの曲を(中略)覚え持ち帰り、ハイランズ(恐らく高地スコットランドの意)などと呼ぶようになったのではないだろうか。」


◆本CDについて◆ 

ブックレット(全12頁)にトラックリスト、モレート・ニ・ウィニー「曲について」「歌について」(邦訳のみ)、茂木健による解説、歌詞対訳(茂木健)。CDレーベル面にトラックリスト&クレジット。別冊ブックレット(観音折り)に「ケルティック・ハートビート」シリーズ紹介文(無記名)、「いま、ケルトの時代が来た」(松山晋也)、同シリーズCDリスト(モノクロ写真図版8点)。

歌詞は#2が英語、#5、7、9がゲール語。原盤に付されていたゲール語詞の英訳は日本盤では割愛されています。

★★★★★ 


The Lass of Glenshee