Gustav Mahler
Das Lied von der Erde
Brigitte Fassbaender - Francisco Araiza
Berlin Philharmonic Orchestra
Carlo Maria Giulini
Deutsche Grammophon Best 100
CD:Deutsche Grammophon
発売: ポリドール株式会社
シリーズ:グラモフォンCDベスト100
F00G 27087 (1989年)
税込定価¥2,297(税抜価格¥2,230)
Made in Japan
マーラー
Gustav Mahler (1860-1911)
大地の歌
Das Lied von der Erde
アルト、テノール独唱と大オーケストラのための交響曲
1.第1楽章:大地の哀愁を歌う酒の歌 8:34
2.第2楽章:秋に寂しき者 9:42
3.第3楽章:青春について 3:17
4.第4楽章:美について 7:33
5.第5楽章:春に酔える者 4:17
6.第6楽章:告別 30:23
ブリギッテ・ファスベンダー(アルト)
Brigitte Fassbaender, Alto
フランシスコ・アライサ(テノール)
Francisco Araiza, Tenor
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Berlin Philharmonic Orchestra
指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
Conductor: Carlo Maria Giulini
録音:1984年2月 ベルリン〈デジタル録音〉
プロデューサー:ギュンター・プレースト
ディレクター:ハンス・ヴェーバー
レコーディング・エンジニア:クラウス・シャイベ
データ:1984年2月 ベルリン・フィルハーモニー
解説書表紙:J. シューマイサー画
◆萩原秋彦による解説より◆
「テキスト:詩華集『シナの笛』 Die chinesische Flöte : Nachdichtungen chinesischer Lyrik, 1922 から作曲者が選んだ7編。『シナの笛』は19世紀後半のヨーロッパで流布していた盛唐の漢詩の散文訳をハンス・ベトゥゲ Hans Bethge (1876-1946)が編纂、ドイツ語の詩に再形成した83編で、印象派ぶりの作風をもつ新ロマン主義の亜流詩人として知られていたベトゥゲは、これを Nachdichtung、すなわち一種の創作的意味をもつ模作として分類している。
マーラーは作曲にあたって、ベトゥゲの訳詩を敷衍、表題の変更、自作の詩句を挿入するなど、かなり自由な改編を試みた。」
「マーラーは西ヨーロッパの知性や古典音楽の伝統をじゅうぶんに身につけていた芸術家ではあったが、こと創作に関しては運命的な異邦人特有の感覚、情緒、論理を、みずからの感情のおもむくままに反映させた人であった。この作品において、オーケストラは表現主義的な色彩を強めながら声楽を包む音響体となるいっぽう、様式のうえではベートーヴェン的な古典交響曲の有機的な統一感から決定的に隔たる結果となっている。そして、『シナの笛』に見いだされる東洋的な自然観や諦観がマーラーの心を動かし、抗い難い共感を覚えさせたことも事実であるが、なおかつ、彼が後年とくにその傾向を強めていったユダヤ的思想と汎神論的思想が、東洋という見知らぬ世界の文化風土への幻想と耽美のうえで不思議な調和を見せているところに《大地の歌》の特質が存在している、ということができるだろう。」
「とこしえに天は青く
ゆるぎなく地は在り、春に栄ゆれど、
人の命よ、いくばくぞ。
百年に満たざる年月を
無常の現世(うつしよ)にうつつを抜かす!」
「生は暗し、死もまた暗し。」
「我いずくに行くぞや? 我は山に行かん。
我が孤独なる心に憩いを与えん。
故郷を、我が住家を求めてさまよわん。
なれど遠国へは行かざるべし。
我が心は静かにして、その時の至るを待つ。
いとしきこの大地に春来たりていずこにも花咲き、
緑新たなり! 遠き果てまで、いずこにも、とこしえに青き光!
とこしえに…」
◆本CDについて◆
ブックレット(全16頁)に萩原秋彦による解説、「演奏者について」(歌崎和彦)、歌詞(独語原文と渡辺護による訳詞)、「グラモフォンCDベスト100」(CDリスト)、トラックリスト&クレジット、写真図版(モノクロ)1点。
ジュリーニは地中海的なので大地の湿気や陰影が足りないです。アライサの歌唱もやや違和感があります。ヨルク・シューマイサーのジャケ絵はよいです。
★★★★☆