Stravinsky: Concertos, Chamber Music, Songs
Ensemble Intercontemporain / Pierre Boulez, etc.
CD: Deutsche Grammophon
企画・販売:TOWER RECORDS
制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社
シリーズ:Tower Records Vintage Collection +plus Vol. 18
PROC-1455/6 (2014年) [2枚組]
¥1,714(税抜)+税
Made in Japan
帯文:
「レアなブーレーズのDGストラヴィンスキー録音を各オリジナルの形態で再発。一部日本初CD化。」
「一部ハイビット・ハイサンプリング音源使用|一部日本初CD化・歌詞対訳付」
「ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド」
CD 1
イーゴル・ストラヴィンスキー
Igor Stravinsky (1882-1971)
1.エボニー・コンチェルト 8:51
Ebony Concerto (1945)
Allegro moderato - Andante - Moderato - Con moto - Moderato - Vivo
ミシェル・アリニョン(クラリネット)
Michel Arrignon, Klarinette
クラリネット・ソロのための三つの小品
Three Pieces for solo Clarinet (1919)
2.1.Sempre piano e molto tranquillo 1:47
3.2.MM=168 1:06
4.3.MM=160 1:10
アラン・ダミアン(クラリネット)
Alain Damiens, Klarinette
5.弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ 6:33
Concertino for String Quartet (1920)
6.15人の奏者のための《8つのミニアチュア》
Eight Instrumental Miniatures for 15 Players (1962)
I. Andantino
II. Vivace
III. Lento
IV. Allegretto
V. Moderato
VI. Tempo di Marcia
VII. Larghetto
VIII. Tempo di Tango
室内オーケストラのための協奏曲 変ホ調 《ダンバートン・オークス》
Dumbarton Oaks (1937/38)
Concerto in E flat for Chamber Orchestra
7.第1楽章:Tempo giusto 4:42
8.第2楽章:Allegretto 5:17
9.第3楽章:Con moto 5:18
10.ヴィオラ・ソロのためのエレジー 5:09
Elegie fur Viola solo (1944)
ジェラール・コセ(ヴィオラ)
Gérard Causse, Viola (alto)
11.墓碑銘 1:35
Epitaphium (1959)
for the music patron Prince Max Egon zu Fürstenberg
12.弦楽四重奏のための二重カノン 1:37
Double Canon for String Quartet (1959)
Raoul Dufy in memoriam
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
Ensemble Intercontemporain
指揮:ピエール・ブーレーズ
Conducted by Pierre Boulez
Ces enregistrements ont été effectués à l'IRCAM, Centre Georges Pompidou, a l'occasion du Festival d' Automne 1980 - Stravinsky; Direction Artistique: Pierre Boulez et Nicholas Snowman.
録音:1980年11月15日([6],[11],[12])、1981年12月22日([1],[7]-[10])、1982年2月18日([2]-[5])、パリ、IRCAM
CD 2
1.パストラール 1:56
Pastrale
声と4つの管楽器のための無言歌
フィリス・ブリン=ジュルソン(ソプラノ)
Phyllis Bryn-Julson, soprano
ヴェルレーヌの2つの詩
Two Poems by Paul Verlaine
2.月明り(優しき歌) 3:26
Gdye v lunnom svyetye
3.暗い夢(叡智) 1:29
Mrachniye sny
ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)
John Shirley-Quirk, baritone
バーリモントの2つの詩
Two Poems by Konstantin Bal'mont
4.忘れな草 1:14
Nyezabudochka-tsvyetochek
5.鳩 1:37
Golub'
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
3つの日本の抒情詩
Three Japanses Lyrics
6.山部赤人 0:48
Akahito
7.源当純 1:00
Masazumi
8.紀貫之 1:31
Tsurayuki
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
3つの小さな歌曲《わが幼き頃の思い出》
Three Songs (Recollection of my Childhood)
9.かささぎ 1:02
Sorochenka
10.からす 1:04
Vorona
11.チーチェル・ヤーチェル 0:59
Chicher-Yacher
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
プリバウトカ(戯歌)
Pribaoutki (Four Songs)
12.コルニーロおじさん 0:50
Kornilo
13.ナターシュカ 0:24
Natashka
14.大佐 0:47
Polkovnik
15.お爺さんとうさぎ 2:18
Staryets i zayats
ジョン・シャーリー=カーク
John Shirley-Quirk
猫の子守唄
Four Cat's Cradle Songs
16.おねむり 猫よ 0:40
Spi, kot
17.ペチカのうえの猫 0:59
Kot na pyechi
18.おやすみ 1:17
Bai-bai
19.とおさん猫 0:50
U kota, kota
アン・マレー(メッゾ・ソプラノ)
Ann Murray, mezzo-soprano
4つの歌曲
Four Songs
20.雄がもの歌 1:13
Syelezyen'
21.異端派の歌 2:05
Syektantskaya
22.鵞鳥と白鳥 0:32
Gusi y lyebyedi
23.チーリン・ボン 1:09
Tilim-bom
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
24.チーリン・ボン 1:12
Tilim-bom
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
25.パラーシャの歌(オペラ・ブッファ《マヴラ》から) 2:10
Song of Parasha (from Stravinsky's opera "Mavra")
フィリス・ブリン=ジュルソン
Phyllis Bryn-Julson
シェイクスピアの3つの歌曲
Three Songs from William Shakespeare
26.快い調べのような君が 2:52
Musick to heare
27.汝の父は、五尋の海底にいて 1:58
Full fadom five
28.春(まだらなヒナギク) 2:20
Spring (When Dasies pied)
アン・マレー
Ann Murray
29.ディラン・トマスの追悼のために 7:48
In memoriam Dylan Thomas
ロバート・ティアー(テノール)
Robert Tear, tenor
30.J.F.Kのための悲歌 1:47
Elegy for J.F.K
ジョン・シャーリー=カーク
John Shirley-Quirk
2つの聖歌曲――ヴォルフ:《スペイン歌曲集》から
Two Sacred songs from the "Spanisches Liederbuch" by Hugo Wolf
31.主よ、この地にはなにが芽生えるのでしょう 2:32
Herr, was trägt der Boden hier...
32.愛する方、あなたは傷を負われて 5:05
Wunden trägst du...
アン・マレー
Ann Murray
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
Ensemble Intercontemporain
指揮:ピエール・ブーレーズ
Conducted by Pierre Boulez
録音:1980年10月8日([1],[4]-[8],[20]-[23])、10月14日([2],[3],[12]-[15],[29],[30])、11月15日([9]-[11],[24],[25])、12月18日([16]-[19],[26]-[28],[31],[32])、パリ、IRCAM
CD 1
Production and Recording supervision: Dr. Rudolf Werner
Recording Engineer: Karl-August Naegler
CD 2
Production: Dr. Rudolf Werner
Balance Engineer: Karl-August Naegler
Recording: IRCM, Centre Georges Pompidou, Festival d'Automne 1980 - Stravinsky (Direction Artistique: Pierre Boulez & Nicholas Snowman)
「オリジナル・アナログ・マスターより
ハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用(CD 1)」
「●おことわり:曲によりお聴き苦しい箇所がございますが、マスター・テープに起因するものです。予めご了承くださいますようお願い致します。」
◆本CDについて◆
2枚組用ジュエルケース(10mm厚)。ブックレット(全32頁)にトラックリスト&クレジット、CD1解説(武田明倫/「©1982」「既発売のLPから転載しました。」)、CD2解説(船山隆/「©1993」「既発売のCDブックレットから転載しました。」)、歌詞&対訳(鴻英良・望月あさ子・喜多尾道冬)。
歌曲集の歌詞はロシア語・英語・ドイツ語で歌われています。
1982年リリースの『Ebony Concerto / Dumbarton Oaks』(Deutsche Grammophon 2531 378)および『Songs』(同 2531 377)を、2枚組CDにカップリング収録しています。表紙と裏表紙にそれぞれのオリジナルLPジャケットが、内側にLP裏ジャケットが再現されています。
国内盤は『ストラヴィンスキー/エボニー・コンチェルト』(LP/ポリドール/28MG 0435)および『ストラヴィンスキー:歌曲集』(CD/ユニバーサル/POCG-2939)としてリリースされました(『歌曲集』はその後ユニバーサルからSHM-CDで再発されています)。
★★★★★
In memoriam Dylan Thomas
(Do Not Go Gentle into that Good Night)
※参考。
Dylan Thomas reads "Do Not Go Gentle Into That Good Night"
John Cale - Do Not Go Gentle Into That Good Night
Donovan - Do Not Go Gentle
吉田健一『書架記』「ディラン・トオマス詩集」より:
「どういう訳だったのかトオマスの詩で最初に読んだのではなくて聞いたのは Do not go gentle into that good night の句で始るものだった。」
「この詩の一部を聞かせてくれたのはトオマスの友達の一人で、それがこの詩がどういう事情で書かれたかということも説明してくれた。(中略)トオマスの家はウェイルス地方のケルト系の出だったらしくて、これは必ずしもケルト系に限ったことではないがその系統に属する英国人の一つの型に神を自分にとっての現実の一部と見做して日常これと言わば交渉を続行し、その助けに期待するとかその介入の跡を何かの出来事に見るとかいうことをする他に時偶これを向うに廻して世の不正や醜悪をそういうことを許す神の仕業として神を糾弾して止まないのがある。(中略)G・K・チェスタアトンが中世紀の背教の徒に就て書いたことで the grand old defires of God were not afraid to face an eternity of torment というのがある。併しここで言う型は地獄の永遠の責苦を賭しても神に挑戦するというのであるよりもこの不正に満ちている人間を不正と不幸に導かずにはいない仕組みになっている現世のようなものをよくも作ったということに神に対する非難を集中してもし非難したからというので地獄の責苦に会わせたりすれば承知しないという態度であって、それが余りにそれに徹したものなので爽かに感じられる。
デイラン・トオマスの父親がその型に属する人間だったらしくてそれが死が近くなってそういうことを言わなくなり、それまでと打って変って優しい人間になって死んだのをトオマスが悲んでこの詩を書いたというのである。このことを余り単純に受け取ってはならない。(中略)トオマスの詩を読んでそこに父親の曾ての呪詛に対する共鳴を見るのは間違っていなくても神の悪を鳴らすことはヨブの時代から行われていてその為にヨブが神に斥けられたのでもなかった。又それで弁悪論、或は神正論がキリスト教神学の一部をなしていてその分野に足を踏み入れなくてもここで話を進めるのに神を呪詛するものは神の存在を認めていることになるということだけで充分である筈である。それ故に凡てのことに神の仕業を認めて神を呪詛する。又それ故に神を讃美するものもある。この呪詛と讃美の間にどれだけの違いがあるのか。
併し我々はここで神学の問題を取り扱っているのではない。我々にとって考える必要があるのは人間の世界はどこまでも同じである時にその一部にユダヤの、更にキリスト教の神の観念が生じ、存在を獲得し、それが起ったのが人間の世界であることに変りはなくてその上では人間と神が何かの意味で対立することは避けられず、それは讃美の形も呪詛の形も取るということである。又それは呪詛であっても神と人間の関係は一層親密なものになる筈であって神とか呪詛とかいう東洋の観念を背後に持った東洋の言葉ではここの所の事情が表現の明確を欠くことになる。(中略)トオマスはその父親の呪詛を愛した。併しそう書いただけではまだ足りないのでトオマスはあの神の野郎奴とか言いながらそこに自分の怒りがまだ燃えていることを確めてその限りではいい機嫌で飲んでいる父親に親みを覚えたに違いない。それだから Rage, rage against the dying of the light である。
トオマス自身の神に対する態度は違っていた。」
「トオマスにとって神は自然にそこにあるものだった。又美と認めたものは神の美を反映して世界は美に満ちていた。(中略)又トオマスのは聖なる哉の讃美歌が連想させるものとも違っていてトオマスにとって神が讃美すべきものだったことはその神とともにある世界が時にはどういう様相を呈し、人間をどのような状態に置くかということから眼を背けさせるものではなかった。」