『A Star in the East: Medieval Hungarian Christmas Music』
Anonymous 4
東方の星
~中世ハンガリーのクリスマス・キャロル
アノニマス 4
CD: harmonia mundi France
Series: Production USA
HMU 907139 (1996)
Made in Germany
輸入・発売元:株式会社キングインターナショナル
販売元:キングレコード株式会社
KKCC-360 (1996年)
¥2,800(税込)(税抜価格¥2,718)
帯文:
「クリスマスの夜に澄みわたるアノニマス4の歌声」
帯裏文:
「アノニマス4の新録音は中世ハンガリーのクリスマス・キャロル。アジアから渡ったとされるハンガリー人は次第にヨーロッパ文化と混血して独自の文化を創りあげました。ここでは中世ハンガリーに伝えられたキリスト教の「東方の三賢人」つまりキリストの誕生にまつわる話がいくぶんエキゾチックな香りをさせつつ歌われます。アノニマス4の純白の声はこの東洋と西洋が混然となった文化の歌をあくまでも清澄に歌います。既成のキャロルに飽きた方々に超オススメのクリスマス音楽です。」
A Star in the East
Medieval Hungarian Christmas Music
東方の星
~中世ハンガリーのクリスマス・キャロル
1. Antiphon: Ave spes nostra 2:04
アンティフォナ:幸いあれ、われらが希望
2. Song: Mi Atyánk Atya Isten 2:38
カントゥス:われらの父、父なる神よ
3. Alleluia: Veni domine 2:07
アレルヤ:来たれ、主よ
4. Antiphon: O mundi domina 1:02
アンティフォナ:ああ、この世の女王よ
5. Alleluia: Fuit virgo 2:15
アレルヤ:その処女は
6. Hymn: Vox clara, ecce, intonat 2:54
イムヌス:見よ、澄んだ声が響きわたり
7. Sanctus: Omnes unanimiter 3:14
サンクトゥス:この世のすべての民は一致して
8. Introit: Dum medium silentium 3:52
イントロイトゥス:すべてのものが静寂の中にあった時
9. Lectio: Primo tempore alleviata 6:45
レクツィオ:先にゼブルンの地、ナフタリの地は
10. Gradual: Specious forma 4:19
グラドゥアーレ:あなたは美しい
11. Song: Novum decus oritur 1:52
カントゥス:新なる業が始まる
12. Offertory: Letentur celi 1:03
オッフェルトリウム:天は歓喜の声をあげ
13. Lectio: Salvator noster 4:55
レクツィオ:われらの愛する救い主が
14. Hymn: Az idvözitöt régenten 2:38
イムヌス:神は贖い主を
15. Song: Novus annus adiit 4:20
カントゥス:新しい年が近づく
16. Communion: Exulta filia Syon 0:44
コンムニオ:歓喜の声をあげよ、シオンの娘よ
17. Evangelium: Liber generationis 11:11
エヴァンゲリウム:イエス・キリストの系図
18. Antiphon: Gaude et letare 1:03
アンティフォナ:歓喜し、喜べ、エルサレムよ
19. Motet: Exordium quadruplate / Nate dei / Concrepet infanti / Verbum caro 2:17
モテトゥス:四重のはじまりが/神の御子よ/鳴り響きますように/言葉は肉となった
20. Te Deum: Isten, téged 6:03
テ・デウム:神よ、あなたをたたえる
TOTAL TIME 68:20
ANONYMOUS 4
アノニマス4
Ruth Cunningham
ルース・カニングハム
Marsha Genensky
マーシャ・ジェネンスキー
Susan Hellauer
スーザン・ヘラウェアー
Johanna Maria Rose
ジョアンナ・マリア・ローズ
録音:1996年5月20~24日/キャンピオン・センター(ボストン)
Recording: May 20-24, 1996, Campion Center, Boston, MA
Producer: Robina G. Young
Engineer: Brad Michel
Editing: Paul F. Witt
Cover: Nativity, from the Main Altar of Nemetlipcse, c.1450 (tempera on wood) by Master from Nemetlipcse
Booklet design: Steven Lindberg
Recorded and produced in the USA
◆Susan Hellauerによる解説より(大意)◆
紀元500~800年、フィン・ウゴル系の遊牧民が東トルコ人と混血してウラル山脈にマジャール人が誕生し、パンノニアとして知られていた土地に移住した。ハンガリーの西ヨーロッパ諸国との接触は11世紀、キリスト教徒であったイシュトヴァーン1世の即位によって始まるが、16世紀になると政治的動乱が続き、ハンガリーはハプスブルク家とオスマン帝国に分割統治され、中世音楽文化を伝える資料のほとんどが失われたが、いくつかの写本は逃亡の聖職者たちによって国外に持ち出された。
ハンガリーでは11世紀以降、フランスやドイツ、イタリアに範を取ったチャントが用いられていたが、やがてそれに独自の装飾が加えられ、新しく作曲されるようになる。ハンガリーのチャントの特徴は音程の跳躍や五音音階の多用、カデンツの延長などにみられる。ポリフォニーに関する資料は乏しいが、それらはチャントにみられるようなハンガリー的な様式を欠いている。
◆本CDについて◆
輸入盤国内仕様。スリップケース。二つ折りブックレット内側にトラックリスト、裏表紙にCDリスト(カラー図版4点)。別冊ブックレット(全112頁)にトラックリスト&クレジット、Susan Hellauerによる解説(英語原文と仏・独・西訳)、「Parasztbiblia: Magyar Népi BiblikusTörténetek(The Peasant Bible: Bible Stories of the Hungarian People)」からキリスト降誕のくだりの抜粋(英・仏・独・西訳)、歌詞(原文と英・独・西訳)、演奏者紹介(英・仏・独・西文)、カラー図版3点、モノクロ図版1点、裏表紙にCDリスト(カラー図版5点)。別冊解説書(全16頁)に邦文トラックリスト&クレジット、横井雅子による解説&訳詞。
アメリカの中世音楽グループ「アノニマス4」の第6作。女声アカペラ。クリスマスなのできいてみました。
#11「イエス・キリストの系図」のテクストは「マタイによる福音書」ですが、アブラハムからヨセフに到る父系の人名をさんざん並べておいて、結局イエスはメシア(神の子)として聖母マリアから生まれました(処女懐胎)、という肩すかし感はすごいです。
★★★★★
Evangelium: Liber generationis
エヴァンゲリウム:イエス・キリストの系図
「主があなたがたとともにありますように、そしてあなたがたの魂とともにありますように。マタイによる聖なる福音書。主よ、あなたに栄光がありますように。
(マタイによる福音書1.1~16)
アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、ユダはタマルによってベレツとゼラを、ベレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、エッサイはダビデ王をもうけた。ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。
バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。」