幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

石川セリ 『翼 武満徹ポップ・ソングス』

石川セリ 『翼 武満徹ポップ・ソングス』 

SERI 
TORU TAKEMITSU POP SONGS 


CD: DENON 
発売元:日本コロムビア株式会社
COCY-78624 (1995年) 
¥3,000(税込)(税抜価格¥2,913)
Printed in Japan/Made in Japan 

 


帯文:

「セリが帰(かえ)ってきた、セリは時代(きょう)の光と影をうたう。」
筑紫哲也ニュース23 エンディング・テーマ「翼」収録」


1.小さな空 武満徹・詞/曲 服部隆之・編曲 4:38 
 1961年ころ ラジオ・ドラマ「ガン・キング」
 サックス:Jake Concepcion 
 キター:松原正樹
2.島へ 井澤満・詞 武満徹・曲 コシ ミハル・編曲 3:45 
 1983年 TVドラマ「島へ」(富岡多恵子・原作)
 キーボード:コシ ミハル 
 パーカッション:浜口茂外他
 マニピュレーター:木本靖夫
3.明日ハ晴レカナ曇リカナ 武満徹・詞/曲 コシ ミハル・編曲 2:05 
 1985年 
 キーボード:コシ ミハル
 マニピュレーター:木本靖夫
4.三月のうた 谷川俊太郎・詞 武満徹・曲 服部隆之・編曲 3:06 
 1965年 堀川弘通 映画「最後の審判」 
 ピアノ:フェビアン・レザ・パネ
 ヴァイオリン:豊島泰嗣
5.翼 武満徹・詞/曲 服部隆之・編曲 4:14 
 1982年 恩地日出夫 演劇「ウィング」
 指揮:服部隆之
 ハーモニカ:八木のぶお
6.めぐり逢い 荒木一郎・詞 武満徹・曲 服部隆之・編曲 3:52 
 1968年 恩地日出夫 映画「めぐり逢い」
 指揮:服部隆之
7.死んだ男の残したものは 谷川俊太郎・詞 武満徹・曲 服部隆之・編曲 5:58 
 1960年
 指揮:服部隆之
 ギター:松原正樹
8.うたうだけ 谷川俊太郎・詞 武満徹・曲 羽田健太郎・編曲 2:35 
 1952年 
 ピアノ:羽田健太郎
9.○(マル)と△(三角)の歌 武満徹・詞/曲 佐藤允彦・編曲 4:05 
 1961年 羽仁進 映画「不良少年」
 キーボード:佐藤允彦
10.恋のかくれんぼ 谷川俊太郎・詞 武満徹・曲 コシ ミハル・編曲 3:23 
 1961年 中村登 映画「斑女」
 キーボード、アコーディオン:コシ ミハル
 ファゴット:越康寿
 マニピュレーター:木本靖夫
11.ワルツ「他人の顔」より 岩淵達治・詞 武満徹・曲 小林靖宏・編曲 4:38 
 1965年 勅使河原宏 映画「他人の顔」
 アコーディオン:小林靖宏
12.雪 瀬木慎一・詞 武満徹・曲 小林靖宏・編曲 4:43 
 1964年 堀川弘通 映画「白と黒」
 アコーディオン:小林靖宏
13.見えないこども 谷川俊太郎・詞 武満徹・曲 佐藤允彦・編曲 4:34 
 1963年 羽仁進 映画「彼女と彼」
 ピアノ:佐藤允彦


プロデューサー:川口義晴
Producer: Yoshiharu Kawaguchi 
レコーディング&ミキシング・エンジニア:後藤博、北見弦一、塩沢利夫
Recording & Mixing Engineers: Hiroshi Goto, Gen'ichi Kitami & Toshio Shiozawa 
マスタリング:保坂弘幸
Mastering: Hiroyuki Hosaka 
録音スタジオ:日本コロムビア、東京
Location: Nippon Columbia Studio, Tokyo 
録音:1993年12月―1995年9月
Dates Recorded: December 1993 - September 1995 
写真:操上和美
Photograph: Kazumi Kurigami 
アートディレクション:斉藤智
Art Direction: Satoshi Saito 
デザイン:川島美晴、堀孝男
Design: Miharu Kawashima, Takao Hori 

Production supervised by the Composer 


武満徹によるライナーノーツより◆

「以前、偶々、石川セリの昔のアルバムを聴いて、自分が少しずつ、機(おり)にふれて書き溜めて来た小さな歌を、彼女にうたってもらって、なにか楽しいアルバムをつくってみたいな、と空想したことがあった。」
「大衆歌謡(ポピュラー・ソング)としてはいかにも不器用で面白味に欠けるうたかもしれないが、編曲者の方々の今日的感覚(センス)が、それぞれのうたの特徴を生かして、面白いものに仕上げてくださった。」
「きっと多くの方が、なぜクラシックの、しかもこむずかしい現代音楽を書いている作曲家がこんなアルバムをつくったりするのか、不思議に思われただろう。」
「私にとってこうした營爲(いとなみ)は、「自由」への査証を得るためのもので、精神を固く閉ざされたものにせず、いつも柔軟で開かれたものにしておきたいという希(ねが)いに他ならない。」


◆本CDについて◆

ジュエルケース(白トレイ)。ブックレット(全12頁)にトラックリスト&クレジット、歌詞、武満徹によるライナーノーツ、写真図版(モノクロ)3点、ブックレット裏表紙に写真図版(モノクロ)1点。インレイにトラックリスト、写真図版(モノクロ)1点。

石川セリさんはほとんどきいたことがないですが、本作は武満作品なのできいてみました。「死んだ男の残したものは」がボサノバでよいです。

武満徹は音楽体験の原点にシャンソン聞かせてよ愛の言葉を」がある人なので、自分でもシャンソンを作りたかったのかもしれないです。

本CDの演奏&歌唱はいかにも80年代90年代J-Popですが、その後石川さんはエミ・エレオノーラ(デミセミクエーバー、今掘恒雄(ティポグラフィカ井上陽水、久保田安紀(高円寺百景)、高良久美子(ボンデージ・フルーツ)といったプログレッシヴな人たちと共演しています。

★★★★☆