幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

『奇蹟の巨大ガムラン~バリ・バトゥール寺院のゴン・グデ』

『奇蹟の巨大ガムラン~バリ・バトゥール寺院のゴン・グデ』
Gamelan Gong Gede of Batur Temple
ワールド・ミュージック・ライブラリー 53


CD: キングレコード株式会社
KICC 5153 (1992年)
定価2,500円(税抜価格2,427円)

 

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1.ルラン・バタン・タブ・ナム、“ガラン・カンギン” lelambatan tabuh nem, "Galang Kangin" 21:35
2.ルラン・バタン・タブ・ピトゥ、“ラッサム” lelambatan tabuh pitu, "Lasem" 23:25
3.ルラン・バタン・タブ・タトゥス、“スンビラン” lelambatan tabuh kutus, "Sembiran" 18:22

録音: 1990年12月2日、バリ・バトゥール寺院


Producer: Hoshikawa Kyoji
Engineer: Takanami Hatsuro
Assistant engineer: Naruoka Akira (SCI)
Photographer: Furuya Hitoshi
Special arrangement: Anak Agung Kaleran
Cover Design: 美登英利
Cover Photo: バリ島 仮面(富浦隆則撮影/国立民族学博物館蔵)


帯文:

「バリ・ガムランの源流ゴン・グデ。総勢64人の大編成ガムランが奏でる
究極のヘビー・メタル・ミュージック! 迫真のバトゥール寺院録音!」


帯裏:

「バリのすべてのガムランの源流といわれる64人の大編成ガムラン=ゴン・グデ。今までだれもうまく行かなかった伝説のバトゥール寺院での録音に初めて成功。これこそ世界で最もパワフルな響きの音楽。
(’90年11~12月現地録音)」


◆本CD解説(皆川厚一)より◆

ガムラン・ゴン・グデは20世紀始めまで栄えていたバリ各地の領主がその王権の象徴として宮廷ないしは寺院に所有していた大編成の青銅製ガムランである。このガムランは主に王家に関わる公的儀式の伴奏に用いられていた。」
「バトゥール寺院のゴン・グデはこの寺院を保持、運営している周辺の村によって維持、運営されている。(中略)バトゥールはブサキ寺院に次ぐ重要な聖地であり、そのオダラン(起源祭)の時にはバリ全土から参拝者が訪れる。そのような機会にのみこのゴン・グデは姿を現す。」
「ゴン・グデのレパートリーは、ギラッ、或いはオマーンと呼ばれる4拍ないしは8拍の短い周期を繰り返す曲と、ルランバタンと呼ばれるより複雑な楽節構造と構築的な楽章構成をもつ曲の2種類に分類される。
 ギラッ、オマーンは主に仮面劇のトペンや模擬戦闘舞踊のバリスの伴奏、そして儀式のクライマックスを盛り上げる為の音楽として演奏されるのに対し、ルランバタンは儀式の普段のバックグラウンドとして寺院の中の祝祭空間をガムランの音で満たすといった機能を果たすものである。」

「ルランバタン・タブ・ナム、“ガラン・カンギン”」
「“ガラン・カンギン” はゴン・ルランバタンの名曲である。これは非常に古くから伝わる古典曲であり作曲者の名は判っていない。また使われている旋律も地方によってかなり異なっている。“ガラン” とは「輝き」、“カンギン” は「東」を意味する。「東の輝き」つまり夜明けの光、「曙」のことである。」
「ルランバタン・タブ・ピトゥ、“ラッサム”」
「これはレゴン・クラトンの同名の曲のゴン・グデ・バージョンである。用いられている旋律もプレゴンガンのラッサムに所々良く似ている。だがルランバタンは純粋器楽曲でありレゴンの様な舞踊の伴奏に用いられることは決してない。」


◆本CDについて&感想◆

ブックレットに日本語および英語解説、写真図版(モノクロ)5点、『バリ・華花の舞う島』(古屋均ほか著、平河出版社)広告、「ワールド・ミュージック・ライブラリー」CDリスト、地図2点、裏表紙に写真図版(カラー)1点。
本作は1999年に『バリの巨大ガムラン――バトゥール寺院のゴン・グデ』、2008年に『バリ/バトゥール寺院のゴングデ』として再リリースされています。
ゴン・グデのCDとしては他にビクターの「JVCワールド・サウンズ」シリーズに『荘厳と幽幻のガムラン』が入っています。

ほぼ一定のリズムを保ちつつ、要所要所でさまざまにアクセントを加えながら、一曲につき20分くらい延々と演奏されます。「大編成」のわりに音数は少ないので、ゴン・クビャールのようにうるさく感じることはないです。じわじわとミニマルに盛り上がる背後に現代音楽的な不協和音を投げ込むゴングが絶妙です。どこから始まってどこで終ってもいい、ウロボロスの蛇のような永遠の至福の時間(無時間)であります。

★★★★★


Gamelan Gong Gede of Batur Temple: Lelambatan tabuh pitu, "Lasem"

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