『おお美しきバラよ/15世紀イギリス世俗歌曲集』 ロンドン中世アンサンブル

『おお美しきバラよ/15世紀イギリス世俗歌曲集』
Mi Verry Joy
Songs of 15th Century Englishmen
ロンドン中世アンサンブル 
指揮: ピーター&ティモシー・デイヴィス


CD: ポリドール株式会社 
POCL-3123 (1993年) 
¥2,500円(税込)(税抜価格¥2,427) 

 

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帯文: 

「オワゾリール名盤選◎中世の音楽 
15世紀最大のヒット・ソング「おお美しきバラよ」を初めとする曲集」 


1.ベディンガム: 私のまことの喜びよ(ロンドー) 4:40
Bedyngham (d. 1459-60: Mi verry joy (Rondeau)
2.ベディンガム: おお美しきバラよ、おお優しきわが心の君よ(バラータ) 3:54
Bedyngham: O rosa bella (Ballata)
3.ベディンガム: 有難いご褒美をいただいた僕(しもべ)として(ロンドー) 6:38
Bedyngham: Le serviteur (Rondeau)
4.ベディンガム: 私の心の喜びよ(ライム・ロイヤル) 2:08
Bedyngham: Myn hertis lust (Rhyme-royal)
5.ベディンガム: あなたに会わずにはいられません(ロンドー) 5:49
Bedyngham: Durer ne puis (Rondeau)
6.ベディンガム: ああ、運命の女神よ(ライム・ロイヤル) 2:06
Bedyngham: Fortune alas (Rhyme-royal)
7.ベディンガム: 愛の手紙よ、私を悲しませるあの女(ひと)に言ってくれ(美しい方)(ロンドー) 6:33
Bedyngham: Se belle (Rondeau)
8.ダンスタブル: いとしいひとが私を嫌って(ロンドー) 4:34
Dunstable: (d. 1453): Puisque m'amour (Rondeau)
9.ダンスタブル: 哀れな殉教者となって 病み疲れた私(バラード) 5:41
Dunstable: Je languis (Ballade)
10.ダンスタブル: 心からのお願いをどうぞお聞きください(キャロル) 2:20
Dunstable: I pray you all (Carol)
11.ハート: おお美しきバラよ、おお優しきわが心の君よ(バラータ) 3:42
Hert (?-?): O rosa bella (Ballata)
12.フライ: ああ、ああ、と私は繰り返すばかり(ライム・ロイヤル) 2:56
Frye (d. 1474-1475): Alas, alas (Rhyme-royal)
13.(Watlin frew)(ウォルター・フライ) 1:28
Watlin frew
14.フライ: 私の記憶にはこんなに深く刻まれている(ライム・ロイヤル) 3:00
Frye: So ys emprentid (Rhyme-royal)
15.フライ: 姿が見られぬように ただひとりはなれて(ロンドー) 6:14
Frye: Tout a par moy (Rondeau)


ロンドン中世アンサンブル
Medieval Ensemble of London
パトリツィア・クウェラ(ソプラノ)
Patrizia Kwella (Soprano)
マーガレット・フィルポット(アルト)
Margaret Philpot (Alto)
ティモシー・ペンローズ(カウンター・テノール
Timothy Penrose (Counter tenor)
ロジャーズ・カヴィ・クランプ(テノール
Rogers Covey-Crump (Tenor)
ポール・エリオット(テノール
Paul Elliott (Tenor)
ポール・ヒリアー(バリトン
Paul Hillier (Baritone)
マイケル・ジョージ(バリトン
Michael George (Baritone)
ティモシー・デイヴィス(リュート
Timothy Davies (Lute)
ロバート・クーパー(レベック)
Robert Cooper (Rebec)

ディレクター:
ピーター・デイヴィス&ティモシー・デイヴィス
directed by
Peter Davies & Timothy Davies 

Recording
Producer: Peter Wadland
Engineer: John Pellowe
Location: Henry Wood Hall, London
Date: January 1983


◆本CD解説要約◆

15世紀のイギリスの宮廷ではフランス語が使用されており、イギリスの詩人ジョン・ガウアーは詩の大部分をフランス語で書いた。多くの面でイギリスの宮廷文化はフランス風であったが、この傾向はヘンリー8世の時代まで続いた。
とはいえ、イギリスの音楽には独自の性質があり、それは大陸の作曲家たちにも大きな影響を与えた。
特にラテン語で歌われる宗教音楽の分野でそれは顕著であった。
しかし15世紀イギリスの宮廷で歌われていた世俗歌曲がどのようなものであったか、残された資料も少なく、復元するのは難しい。このディスクは、そのような歌曲のうち、特定の作曲家に帰されているものをすべて収録しているが、その半数以上は作曲者名や歌詞に疑義がある。しかし、ここにみられる様式上の広がりは、失われた15世紀イギリス歌曲がどのようなものであったかのヒントを与えてくれる。

#1~7はジョン・ベディンガムに帰されているが、その生涯については概略しか判っていない。ここに収録された歌曲のほかに、ミサ曲と器楽合奏曲が残されている。
#1は、ある写本ではデュファイ作とされていて、多くの写本ではフランス語の歌詞「Mon seul plaisir ma doulce joye」で始まっているが、これはシャルル・ドルレアン Charles d'Orléans の「Ma seul plaisant doulce joye」で始まる詩とほぼ同一である。ここでの英語の歌詞は復元されたもの。
#2は、一般的にはダンスタブルの作と考えられてきた。イタリア語の歌詞はレオナルド・ジュスティニアーニ Leonardo Giustiniani 作と思われるが、後から当てはめられたものかもしれない。
#3は、現存する唯一の写本では歌詞が冒頭の「Le serviteur」としか記されていないので、この録音ではデュファイの曲によって知られているロンドーの歌詞を当てはめた。
#4の英語の歌詞は、ナポリでおそらくは英語を理解しなかったフランス・フランドル人によって筆写されたとおぼしい『メロン・シャンソニエ Mellon chansonnier』にのみ見られるもので、相当変形されているものから復元した。
#6は、現存するほとんどの資料ではイタリア語の歌詞が付されているが、三つの写本では「Fortune alas」という冒頭の歌詞が記されている。この録音ではこの歌詞で始まる英語の詩を適当な形で当てはめた。
#7には、「美しい方 se belle」という冒頭の歌詞しか付されていないが、音楽から判断すると元の詩が4行詩によるロンドーだったことが判る。この歌詞で始まる英語の詩は現存しないので、クリストファー・ペイジが15世紀の詩の様式によって書いた詩を用いた。
#8~10はダンスタブル作と思われる。
#8は、元からフランス語の歌詞をもつ曲。
#10は、このディスクで唯一、イギリスで筆写された写本に完全な形で残されている曲。
#11は、現存する唯一の写本に「Hert」という作曲者名が書かれているが、人物を特定する充分な資料はない。#2の最上声部に新しい二つの声部を加えて作られた曲である。
#12~15はウォルター・フライによるものと思われる。
#12は、『メロン・シャンソニエ』にのみ伝えられる曲で、歌詞はかなり変形されている。
#13は歌詞を持たない2声曲(第3声部が失われたものと判断される)であるが、「Watlin Frew」=「Walter Frye」による、ライム・ロワイヤルで書かれた英語歌曲であったことは間違いない。
#14も『メロン・シャンソニエ』によって英語の歌詞を復元した。
#15は、ある写本ではバンショワ作とされているが、別の二つの写本ではフライ作となっている。バンショワの他の作品と比較するとかなり異なった性格を持っている。

◆本CDについて◆

ブックレット(全20頁)にディヴィッド・ファロウズによる原盤解説の日本語訳、「演奏者について」、歌詞対訳(今谷和徳、#2,3,9,15のみ川村克己・細川哲士共訳)、写真図版(モノクロ)1点。

本作はオワゾーリールより1983年にLPとしてリリースされました。

★★★★☆


Bedyngham: O rosa bella

youtu.be


Bedyngham: Mi Verry Joy

youtu.be

 

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