幻の猫たち 改訂版

まぼろしの猫を慕いて

Phew 『Phew』

Phew
Phew』 


CD: PASS RECORDS
WAX-101 (2001年) 
manufactured by sky station
licenced by KENROAD MUSIC
¥2,800(税抜) 

 

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SIDE ONE
1. CLOSED
2. SIGNAL
3. DOZE
4. DREAM *
SIDE TWO
5. MAPPING
6. AQUA *
7. P-ADIC
8. FRAGMENT
9. CIRCUIT
* Additional mixed by Shinichi Tanaka at Sound Inn Studio

additional tracks
10. DREAM (alternate version)
11. AQUA (alternate version)

MUSIC BY
PHEW
HOLGER CZUKAY
JAKI LIEBEZEIT
CONNY PLANK
RECORDED AT
CONNY'S STUDIO
ENGINEERED BY
CONNY PLANK
EDITED BY
YOSHITAKA GOTO
HOLGER CZUKAY
JAKI LIEBEZEIT
PHEW
CONNY PLANK
COVER PHOTO BY
HIROYA KAJI
DESIGNED BY
TAKANOBU MORINAGA
KYOHEI KUSAKARI


◆本CD解説(大鷹俊一)より◆ 

「最初は幾つかのコンタクトがあり、実質的にPASSレコードの制作の中心であった後藤美孝氏が80年の夏にコニー・プランクのスタジオに出向き、そこで出会ったホルガー・シューカイがすでにPhewのPASSでの最初のシングル「終曲」を持っていて、それを絶賛していたというところから話はトントン拍子に進んでいったのだと思う。
 レコーディングは81年1月から2月にかけて西ドイツ、ケルン郊外にあるというコニー・プランクのスタジオで行われた。」
「エンジニア、コニー・プランクの名前を高めたのは、初期クラフトワークやノイ!、クラスターらとのコラボレイトであった。もともとプロフェッショナルなエンジニアで、よりアーティスティックな音作りをすることによって、彼の名前はミュージシャンたちの間に神格化した存在になっていった。ユーリズミックスやウルトラヴォックス、ディーヴォといった連中が、まるで吸い寄せられるように彼のスタジオに乗り込み、作品を作っていったのもこの頃である。
 ホルガー・シューカイとジャキ・リーベツァイトの二人だけがミュージシャンとして参加し、音数は少なくもスパッと必要な音だけでPhewの“言の刃”の鋭さを引き出していっている。ホルガーとジャキの二人は、言うまでもなくジャーマン・シーンを代表する名グループCANのメンバーである。」
「実際のレコーディングは、殆どがその場で決めたり考えていったものだという。」
「今回のスペシャル・エディションは、オリジナルでは日本編集だった「Dream」と「Aqua」のコニーのヴァージョンが発見され、それが追加収録されたものである。確かに当時、その2曲をPASSもののレコーディングやミックスなどを親身になって手がけてくれていたエンジニアの田中信一さんにミックスし直してもらうとプロデューサーの後藤クンが走り回っていたのを覚えている。」


◆本CDについて◆ 

紙ジャケ(見開き)仕様。4頁ブックレットに大鷹俊一による解説。
本作はLPをもっていたのですがどこかへ行ってしまいました。それはシングルジャケでしたが本CDは見開きになっているので内側がどうなっているのかと思ったら左下に小さく「PASS RECORDS」とあるだけでブランクでした。

★★★★★ 


Phew (1981)

youtu.be

 

この動画の1曲目の「Kodomo」はオリジナル未収録曲で、本CDのあとで出た再発盤にボーナストラックとして収録されている曲です。

 

leonocusto.blog66.fc2.com

 

「レコーディングはセッションみたいな感じで、私は何も準備しないで行ったんですよね、歌詞も着いてから書いているような状態で。何もないんだったら先になんかやってるね、みたいな感じで、三人、スタジオで何かはじまるんですよね。それで、じゃあ私も入ろうかなって時まで待ってくれるんですよ。それを後から編集したんですよね。ミックスっていうのはこういうことだったの?って、ほんとにポカーンと口開けて見てたっていうのが正直なところですよね。」
「コニー・プランクにあの時会ってなかったら、もうあの時点でたぶん、音楽は止めてたと思うんですけど、(中略)ドイツに行って、素の状態で歌って、自分は歌は下手だよっていうコンプレックスがあったんですけど、すごく認めてくれたんですよね、歌手として。それはすごく嬉しかったですよね。何の情報もないところで、歌だけ聴いて、これは面白いと思ってくれた。それはね、すごく嬉しかったですよね。」

 

leonocusto.blog66.fc2.com

 

フュー×栗本慎一郎対談「深層から吹き上げる声」より: 

栗本 あの人(コニー・プランク)偉い人なんだって?
フュー そんな偉くないですよ、あんなハゲ。ただ、ミュージシャン、エンジニアとしては有能で、すごく上手ですね。でも行ってみてびっくりしたよね。というのは、一見すごくやさしそうなおじさんなのね。ところがやることがすごくて、あの人は人間の顔をした機械ですよ。」

フュー あのレコードは、ドイツに行ってスタジオに入ってから全部考えたもんなんだけど、一応コンセプトはあったのね。そのコンセプトなり、アイデアをもとにして、わかりやすい言葉に置き換えようかと思ってた。で、そんなことをいろいろ書き溜めてた時に消費という言葉をよく使ってたんだけど、そしたら栗本さんが蕩尽て書いてて、ああ私の言いたかったのは蕩尽だったんだとわかったのね。でも、ドイツということでいろんな意見のくい違いがありまして。外国でしょ、やっぱり。
栗本 あんまりフューには関係ないんじゃない? 日本もドイツも。“皮”の外はみんな外国だからね、あなたは。そうじゃない?
フュー そう言えばそうなんですけどね。」

 

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