『チベットの秘典～ナムギェル寺院の聲明』

『チベットの秘典～ナムギェル寺院の聲明』
The Tibetan Buddhist Chant　
ワールド・ミュージック・ライブラリー 64　

CD:　キングレコード株式会社　
KICC 5164　（1992年）　
税込定価￥2,500（税抜価格￥2,427）

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カーラチャクラ供養鬘　
1．Kālacakra part I (mchog gar)　9：39　
2. Kālacakra part II (mchog pa I)　15：31　
3. Kālacakra part III (mchog pa 2)　18:41　
4. Kālacakra part IV (bzlas brzod)　15：52　

ナムギェル学堂の僧侶
The Monks of Namgyal Monastery　

カ゜ワン・タシ阿闍梨　
Ngawang Tashi, Kaachakra vajra Master & Ex-Chant Master
テンジン・ダゥパ　
Tenzin Thapkhe, Ritual Dance Director　
テンジン・ノルギェー　
Tenzin Norgay, Ritual Offering Master
テンジン・ケーサン　
Tenzin Kelsang, Chanting Master　
ロプタン・タルキェ　
Lobsang Dhargay　
テンジン・タムチョオ　
Tenzin Dhamchoe　
テンジン・レグモン　
Tenzin Legmon　
テンジン・トゥプワン　
Tenzin Thupwang　
テンジン・ケンツェ　
Tenzin Khentse　
テンジン・クンチョー　
Tenzin Kunchog　
テンジン・トゥートプ　
Tenzin Thutop　
テンジン・チョーギェル　
Tenzin Choegyal　
テンジン・ラプガ　
Tenzin Rabga　
テンジン・チョムペル　
Tenzin Choephel　
テンジン・チュウダク　
Tenzin Choeak　

Recorded March 24, 1990 at King Record #1 Studio, Tokyo

Producer: Fukuda Minoru　
Director: Hoshikawa Kyoji　
Engineer: Takanami Hatsuro

Cover Design:　美登英利　
Cover Photo:　チベット儀礼用宝瓶セル・ティル（富浦隆則撮影・国立民族学博物館蔵）　

◆本CD解説（坪野和子）より◆　

「このCDで詠まれているお経のタイトルは、『世尊吉祥時輪の供養鬘の次第（チベット語では bcon ldan 'das dpal dus kyi 'khor lo'i mchog 'phring gi rim pa）』という。
　「時輪」とは、サンスクリット語でカーラチャクラ（Kāla＝時間、Cakra＝輪；　チベット語ではドゥン・コール dus 'khor）といい、インド仏教の最後期の教えを具現する主尊を指す。大乗仏教の神髄である般若と方便との不二を象徴する、妃ヴィシュヴァマータ（viśvamāta）との合体尊で現されている。
　カーラチャクラの教えは、歴史的にはインド仏教がイスラム教徒によって滅ぼされる寸前の12世紀にチベットに伝えられた。この教えの内容は、仏となる修行過程において主尊カーラチャクラの体現である、宇宙（マクロコスモス）と修行者の身体（ミクロコスモス）の詳細な観察と仏教教理との関連付けを追求し、心身を浄化していくもので、根本経典『カーラチャクラ・タントラ』には、天文学（占星術も含む）、医学などが導入され、さながらインド仏教の総集編といった感がある。チベット仏教ゲルク派においては不二の無上ヨーガと考えられ、仏教至高の教えとされている。
　密教では、それぞれのタントラに従って修行をし、教理を学んでいくことになるのであるが、その教えに入っていくためのイニシエーションつまり灌頂儀礼が必要とされている。カーラチャクラの灌頂は、よほどの徳の高いラマでなければその秘儀を与えることができず、ゲルク派ではダライ・ラマ、他宗派では各派の管長のみに限られている。特にダライ・ラマによる灌頂は宗派にとらわれない、チベット仏教すべてを包括した儀式となる。そして、この灌頂を行う際、必ず砂マンダラが作成さえる。マンダラには象徴化された主尊、如来、諸仏、仏教の神々などが彩色の砂を使って、何日かかけて描かれる。そのマンダラに毎朝、「供養」を行う。「鬘」というのは、直訳すると数珠のことである。ここでは、供養のなかで詠まれる経典群のキーワード集のことで、一読するとそのまま意味が通る内容になっている。言葉が数珠つなぎのようになっているというレトリック。」
「このCDに収められたものは、灌頂の第一日目の早朝に詠まれるものである。」

◆本CDについて◆　

ブックレットに解説（坪野和子）、解説英訳、写真図版（モノクロ）6点、「ワールド・ミュージック・ライブラリー」CDリスト、地図2点。ブックレット裏表紙に写真図版（カラー）1点。

「ワールド・ミュージック・ライブラリー 37」『炸裂の音曼陀羅～チベット仏教の音楽』は本CDと同演奏者による同日録音の姉妹編で、2008年に「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー 16」『チベット仏教の声明～ナムギェル学堂僧侶』（KICW-85027/8）として2枚組にまとめられて再発されています。

★★★★☆　

Tibetan Kalachakra Ceremony

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